最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 土地収用法20条3号の判断における建設大臣の裁量権と司法審査の方法 2 高度の文化的価値を持つ自然環境を道路建設のため収用する場合の判断基準 3 土地収用法20条3号に該当するとの建設大臣の判断が当然に尽すべき考慮を尽さず、本来考慮に容れるべきでない事項を考慮するなどその判断の方法ないし過程に過誤があるとされた事例
1 人身保護請求事件の確定判決に対する再審請求の許否 2 人身保護請求事件において請求者となっていない被拘束者が再審申立をなす当事者適格の有無 3 人身保護請求事件における未成年者たる被拘束者の代理人の欠缺と再審事由 4 人身保護請求再審申立事件において、満11才の少年に意思能力を認めた事例
1 勾留請求または勾留請求却下後の強制的方法による余罪捜査の適否 2 逮捕後の被疑者の留置場所を余罪捜査の目的で変更することの可否 3 違法な面通しによって得られた心証をそのまま引きついだ証言の証拠能力
航空法96条1項または空港管理規則6条2項に基づく運輸大臣または空港事務所長の各指示は、行政事件訴訟法44条の公権力の行使に該当するか(積極)
賃借建物の火災による焼失につき、出火原因は不明であるが、賃借人の責に帰すべき事由に基づかないことの立証がないとして賃借人に損害賠償の義務を認めた事例
1 証書真否確認の訴における確認の利益 2 不動産所有権移転登記手続請求の訴を遺産分割協議書の真否確認の訴に交換的に変更したことが「著しく訴訟手続を遅滞せしむべき場合」に準じて許されないとされた事例
1 不動産引渡命令の相手方 2 不動産競売申立記入登記後に債務者兼所有者から目的不動産(建物と敷地)を短期賃借した者は、建物につき支出した有益費の償還請求権にもとづき該不動産の引渡命令に対し留置権を行使できるか
交通整理の行われている交差点を青信号に従って通過する車両が、故障した信号を青と誤解して他の道路から交差点に入っててきた車両と衝突した場合にいわゆる信頼の原則が適用された事例
1 農地賃借権設定許可処分または裁決の取消訴訟において、該賃貸借契約が合意解約された場合の訴えの利益 2 控訴審において処分取消訴訟に関連請求を追加併合できない場合、その関連請求の取扱い
(イ) 陰嚢水腫の手術の過誤につき、債務不履行責任を肯定したが、死亡した幼児の両親が解剖を拒んだことを慰藉料算定上の減額事由として考慮した事例 (ロ) 虫垂炎の疑いとの診断に基づき施行した開腹手術と医療過誤の成否(消極) (ハ) 舌ガンの治療処置として施行した舌半側切除の摘出手術が、患者の同意に基かない違法なものとして慰藉料請求が認められた事例)
実質上他へ譲渡され確定日附ある通知がなされた債権に対し、債権差押および転付命令が発せられた場合において、右転付債権者に対する弁済が債権の準占有者に対する弁済としての効力を有するとされた事例
1 根抵当権の確定した被担保債権が極度額を超過している場合におけるその債権の一部弁済と担保限度額の減少の有無 2 右の債権一部弁済者の取得する権利
県立高等学校長の入学志願者に対する入学不許可処分は、国家賠償法1条の「公権力の行使」にあたるとしたうえ、本件においては、裁量権を逸脱し、あるいは濫用したとは認められないとして、慰謝料請求を棄却した事例
1 譴責処分相当の従業員に対し、始未書不提出を理由とする更に重い懲戒処分の許否 2 雇用契約上の地位確認の訴の提起による賃金請求の催告と、より強力な中断事由たる手段をとるべき期間(6か月)の起算点
労災保険法20条による国の求償権の範囲は、加害者の終局的に負担すべき損害額(損害総額から過失相殺後の額)と損害の各項目から労災保険金控除後の残額につき過失相殺した額との差額に限られるとした事例
1 所得金額をことさら過少に記載した内容虚偽の所得税確定申告書を税務署長に提出する行為と所得税法(昭和40年法律第33号による改正前ののもの)69条1項にいう「詐偽その他不正の行為」 2 刑訴法402条に違反しないとされた事例
交差点に進入しようとする自動車運転者に交通法規に違反して高速度で交差点を突破しようとする車両のありうることまでも予想した安全確認をすべき業務上の注意義務はないとされた事例
1 昭和25年東京都条例第44号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例3条1項但書による条件付与の基準 2 集会、集団行進及び集団示威運動に付せられた一部の条件の無効と許可処分および他の条件の効力 3 集団行進に付した示威にわたる言動は行なわないとの条件の法的効力
1 刑訴法321条1項2号にいう「供述者が国外にいるため、公判準備若しくは公判期目において供述することができないとき」の意義 2 出入国管理令71条1項所定の密出国企図罪は、憲法31条に違反するか 3 密出国企図罪の教唆、幇助罪の成否
1 道路交通法77条、宮城県道路交通規則15条により、所轄警察署長が付した「蛇行進をしないこと」という許可条件の解釈 2 交差点において行なわれた総勢約50名の学生による蛇行進が、デモ行進の目的、規模、態様等からみて、警察署長により付された「蛇行進をしないこと」という許可条件に違反しないとした事例
1 ポスターカラーびんに爆薬を入れて密閉し爆竹を起爆剤とした手製爆弾につき、爆発物取締罰則にいう爆発物に該るとした事例 2 爆発物取締罰則1条、3条に違反した少年に対し、少年法55条の家裁移送決定をした事例
道路右側の石油スタンドから自車進路上に後退進出して来た大型貨物自動車との衝突事故につき、後退車の誘導者の不手際に事故発生の原因があるとして被告人車の過失責任を否定した事例