最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 6年5月余の児童に対する監護と人身保護法および同規則にいう拘束 2 離婚した当事者間の親権を有する一方から他方に対する人身保護法に基づく幼児引渡請求許否の判断基準
管財人を被告とすべきであるのに更生会社を被告として訴が提起されたのちに更生会社の取締役に会社更生法211条3項または同法248条の2第1項所定の授権がなされた場合と訴の適否
1 敷地の所有者の承諾を欠く道路位置廃止処分が無効でないとされた事例 2 行政処分の瑕疵が治癒されたものと認められた事例
処分清算型の停止条件付代物弁済契約を締結した債権者が目的不動産を第三者に売却した場合における債務者の取戻権喪失の時期
代替家屋の提供を条件とする建物賃貸借契約の解約申入につき一旦は正当事由を否定しながらも、その後における双方の事情の変化および借主の不誠実を考慮して、再度の右代替家屋の提供を条件とする右契約の解約申入に正当事由を認めた事例
1 幼児に対する拘束が監護権者の意思に反してなされている場合、当該拘束が違法になされていることが顕著であると認めた事例 2 父母が離婚し、子の親権者と監護権者が異なる場合、親権者が子の縁組について代諾をなす際の監護権者の同意の要否
1 旅行目的の車両の一時的借主らに他人性を認め、他方運行供用者として一定割合の損失を負担すべきであるとした事例 2 右の場合において運転者(共同運行供用者の一人)の過失は、被害者側の過失とすべきであるとした事例
パチンコ遊技場経営法人の所得金額を同業者7社の平均営業利益率をもとに推計し課税した処分が合理性を欠き違法とされた事例
1 配置換えされた公務員が配転処分の取消を求める審査請求をし却下の裁決を受けた後に退職した求場合であっても、右裁決の取消を求める訴の利益があるとされた事例 2 右配転処分が不利益処分に該当しないことが審査請求書の記載上明白な場合にあたらないとして、右審査請求を却下した審決を違法として取り消した事例
1 町立学校職員の勤務時間外における職員会議への出席が学校長の職務命令に基づいてなされたものと認めた事例 2 公立学校教員の時間外勤務手当請求権を放棄する慣習の有無および効力 3 町立学校教員の時間外勤務手当の支払義務者 4 労働基準法114条所定の附加金の性質および附加金請求権の発生時期
組合機関紙への投稿が職制中傷等にあたるとして科された減給処分が、右投稿は正当な組合活動であることを理由に無効とされた事例
荷役中盗難事故が発生したので、その場所で就業中の者全員を元請会社の要請により真犯人不明のまま他に転勤を命じたことが信義則に反するとして無効とされた事例
雇主との間の雇傭関係の存否 本案訴訟の判決あるまで、当該労働者の労働組合員としての権利を停止する旨の労働組合の統制処分が無効とされた事例
自動車運転者が停車中のバスの側方を通過する場合にはそのバスの乗降客の動向に注意すべき業務上の義務ありとした一審判決を破棄して無罪を言渡した事例
1 いわゆる欠陥車の主張を排斥した事例 2 最初の追突事故により車両が故障し、約630メートルも暴走して起した第二事故以下の事故の結果につき、因果関係を認めた事例
イ いわゆる接見交通に関する検察官の一般的指定を違法としかつ準抗告の対象としての適格性を肯定した事例 ロ 被疑者と弁護人の接見に関する捜査機関の具体的指定を書面でなすことの適否 ハ 弁護人となろうとする者が接見指定書の受領を拒否した場合に検察官に接見の禁止又は拒否処分があったとは認められないとされた事例
ガス事業者に連絡しないでガス管を撤去し、そのために入居者がガス中毒による死傷を負った事故につき、重過失致死傷の責任を認めた事例
学校内での国旗掲揚問題に関する団体交渉の際、交渉を一方的に打ち切った校長に対する教職員組合役員の有形力行使につき、可罰的違法性を欠くとして公務執行妨害罪の成立が否定された事例
左折のため交差点に進入し、交差点出口の横断歩道の手前で一旦停止し、発進する際における、自動車運転者の横断者に対する注意義務が否定された事例
1 右折車の運転者である被告人が100メートル以上離れた地点の対向直進車の存在に気付かずに右折する場合、被告人には制限速度をはるかに越えた速度で進行してくる直進車のあることを予測してまでその進行を妨げないようにする義務はなく、過失は存しないとした事例 2 右折車が道路交通法に定める右折方法に違反しても、この点は刑法上の注意義務違反にあたらないとした事例
相続人が「自己のために」相続の開始があったことを知った時を相続債権者より債務支払請求の訴状送達の時と認めた事例 被相続人の死亡後9か月余り後にした相続放棄の申述を有効としたもの
日々一定量の商品を多数消費者に提供する業者が製造業者からその商品を継続的に購入する契約を締結した場合に右買の債務不履行に対し売主は同時履行の抗弁権を行使して商品の出荷を停止できるか
米国で法人格を有する会社と日本国籍を有する2会社との間で米国において締結された契約の準拠法として日本の法令が適用された事例
1 弁護士法第23条の2により照会を受けた公私の団体の報告義務の有無 2 同条による照会に応じなかった公私の団体の損害賠償義務の有無
1 小学校プールの外柵金網の破れ目からプール場に立ち入った幼児がプールに転落して溺死した事故について、右外柵の設置及び管理に瑕疵があったものとされた事例 2 右事故の発生について被害者側の過失割合を7割とした事例
1 売買された農地の宅地化と知事の許可 2 土地の賃借において、公租公課の支払をもって地代支払と認められない、とした事例
バスが対向車とすれ違いのために徐行して一時停止し、丁度その時車掌が安全を確認するために自動式のドアを全開したので、降車させてくれるものと誤解して降車しようとした乗客が、再びバスが動き出したために、転倒した事故について車掌の過失を認めた例
時速10粁ないし15粁で進行中の自転車の運転者が交差点の直前で、反対方向を見ながら自車の進路と交差する道路上を自車の方に小走りで横断して来る老女(被害者)を発見し警告したが至近距離に至っても気付かないので急ブレーキをかけほとんど停止状態になったとき、そのまゝ横断してきた同女と衝突した事故につき、老女の過失を6割として過失相殺した事例
1 交通整理の行われている横断歩道上で信号の表示にしたがって横断中の歩行者が横断途上で信号の表示が変ったが安全といえる場所がないので急ぎ足で横断中信号待ちしていた加害車に衝突された事故につき、被害者の過失を認めなかった事例 2 交通事故に藉口して解雇された被害者に対し解雇理由が企業の人件費節減であるとして解雇による賃金喪失を逸失利益として認めなかった事例
早朝交差点を信号の表示に従って横断歩道上を横断中の歩行者が途中で信号の表示が変ったのにも拘らず中間地点に避難せず、そのまゝ横断を続け加害車に衝突した事故につき被害者側にも過失があったとして55パーセント過失相殺した事例
事故により頭蓋骨亀裂骨折、脳挫傷等の傷害を負った被害者が外傷性パーキンソン氏病を惹起し、事故2年9か月の間臥床・療養をなした後心筋障害により死亡するに至った事案につき、事故と死亡との間に因果関係があるとした事例
記名被保険者の運送業務をその機関としてあるいは専属的に行って、加害車に対する使用権限を記名被保険者と重畳的に有する者は許諾被保険者の地位にあるとして、加害車に同乗中死亡したその被用者の遺族からの保険金代位請求を約款3条1項4号により否定した事例
1 元請会社が自社の販売商品であるクーラーの運搬および取付工事を、その都度指示を与えて下請会社およびその従業員に、自社の車または下請会社の車を使って行わせていた場合、当該指示に基づく工事に赴く途中下請会社の従業員が、下請会社の車を使って運転している際起した事故につき元請会社に自賠法3条、民法715条の責任を認めた事例 2 事故の態様事実が当事者により主張されている場合には、過失相殺を求める旨の主張が明確でなくとも過失相殺をすることができるとした事例
都バスから降車しようとして席を立ったところ、合図なく急発進されたため、転倒してバスの床面に腰部等を強打して被害者に、半年後にあらわれた腰痛等の症状を事故と因果関係ありとした事例
韓国人女性歌手(年令35歳、韓国系キャバレー専属芸人)の逸失利益算定にあたり、事故前の収入を、日給、祝儀、生活費等を考慮して、月額平均10万円と認定し、事故後の芸人としての稼働可能年数を10年間とみて、後遺症(顔面瘢痕)および事故後の収入状況等から、労働能力喪失率を、事故後1年間は(10割)全部その後9年間は3割とした事例
道路に面した空地に進入しようとして右折した加害車が、対向してタンクローリー車と併進してきた被害車(自動二輪車)に衝突した事故につき、双方に過失を認めながらも事故に対する寄与度ないし過失割合を両車の優先関係から考慮して、加害車の賠償すべき損害の割合を85パーセントとした事例
鞭打損傷治療中の被害者(店員)の休業損害算定にあたり通院実日数に限り、一日当り日収の3分の1にあたる金額のみを、損害と認めた事例
1 独身女子の逸失利益算定例 2 同人に対する葬式費用として30万円認めた事例 3 慰藉料合計400万円認めた事例 4 同人の死亡事故につき、兄弟固有の慰藉料を認めた事例
1 黄信号時に交差点へ進入した直進車と対向右折車との衝突事故(衝突時は赤色信号)につき、右折車には過失がないとして過失相殺しなかった事例 2 自動車破損による損害につき、新車の購入費用、税金、登録料、保険料を損害と認めなかった事例
第1、第2事故者(追突、むちうち損傷)の損害負担割合につき、第1事故者は第1事故による全損害および第2事故による全損害の5分の1の損害の合計額、第2事故者は第2事故による全損害の5分の4の揖害額とした事例
当て逃げ車と思い、それを停止さぜるべく事故車Yのボンネット上にとび乗ったXが転落傷害した事案につき、過失割合をY側4、X6とした事例
交通事故により傷害を受けた者が自殺した場合、受傷の苦痛から被害者が自殺することは、事故から通常生ずる結果とは解し難いとして、事故と死亡との間の相当因果関係を否定した事例
1 正規の運転手が、無免許の運転助手に運転させているうちに運転助手の過失により事故が発生して死亡した場合、右運転手は自賠法3条の他人ではないとした事例 2 右の場合、両者の過失割合を、運転手が7割、運転助手が3割と判断した事例
1 主婦の労働は全産業女性平均給与額の80パーセント程度と評価するのが相当であるとした事例 2 主婦が受傷により、自ら育児することができなくなったために託児代を出費した場合、育児は本来主婦の家事労働に含まれているから、主婦の家事労働能力喪失による損害が填補されると、託児代も填補されるとみるべきであるとした事例
右折の合図を出し、減速しながら道路中央寄りを進行しやや右折しかけたところを追突された事故について、自動車運転者としては、後方から来る車輔は自車を避けて左側を通過するものと信頼して運転すれば足りるとして過失を否定した事例
実兄の運転する自動車に同乗中、実兄の過失も原因となって事故が発生し受傷した被害者(妹)について、同女が既に結婚して別世帯を構え、生計を別にしている場合には、実兄の過失は被害者側の過失として過失相殺をすることはできないとした事例
「深雪」に関する商標登録出願について、出願人代理人事務所における関係書類焼失という事実があっても、不足手数料の追納を認めるべき事案ではないとした例
「スピードスプレーヤー」に関する実用新案登録を無効とした審決について、本件考案は、送風機を装備した薬液タンクの点は引用例と共通し、変速機を用いる周知技術および慣用技術を参照すれば、本件考案は考えられるとして審決の結論を是認した事例
「伸縮ホース」に関する実用新案登録出願について、螺旋体と蛇腹状ホースとを別体としたことによる格段の効果なしとして拒絶相当とした事例
「密封蓄電池製造方法」に関する特許出願について、引用例におけるポリテトラフルオルエチレン紙に代えて、セロハン紙を用いたことにとくに、顕著な作用効果なしとして、拒絶相当の審決を是認した事例
「投影装置」に関する特許出願について、出願人の挙げる引用例との相違点は設計上の微差とし、同一発明が米国において特許された事実を顧慮しなかった事例
「球弁」に関する特許出願について、拒絶理由とされた引用例とは、弁座と球の接触の態様につき「契合接触」の構成において異なるとし、拒絶相当とした審決を取り消した事例
「複合金属線の製造方法」に関する特許出願について、拒絶理由とした引用例とは2つの金属を接合するための温度条件の技術的意味を異にするとして拒絶審決を取り消した事例
「軸受を製造する方法及び装置」に関する特許出願について、本願のボールソケット型球面軸受と引用例の減摩軸受とは技術分野を同じくし、相互転用の可能性ありとし、拒絶審決を是認した事例
「除糠機」に関する実用新案に基づく損害賠償請求事件において、対象物件が「廻転軸に対し傾斜した数個の翼片」を具えていないとして請求を棄却した事例
1 餡餅に使用された商標「旧跡走り井餅」が、指定商品を餡餅とする商標「走井餅」及び「走り餅」の類似商標にあたるとして、その使用の差止を命じられた事例 2 餡餅を指定商品とする商標「走井餅」及び「走り餅」が慣用商標とは認められなかった事例
「連続固体液体分離装置」に関する実用新案権に基づく差止請求事件において、登録請求の範囲の記載のうち、「スパイラル押片・・・・・・に欠除部を設け、・・・・・・噴射管を突設する」ことが公知であっても、その作用効果の記載から必須の要件とし、この点を具えない対象物件について権利侵害の成立を否定した事例
法人税法159条1項の法意 確定申告後に青色申告の承認が取り消された場合における価格変動準備金の損金算入と法人税の逋脱額
1 破産法374条に規定する罪の本質は破産原因罪であって、支払停止、支払不能または債務超過等の破産原因をひきおこす行為の処罰を目的とするものであるから、破産宣告確定後の行為は処罰の対象とならない 2 破産法378条の行為主体に破産管財人は含まれない
被告人において被害者の抵抗を不能又は著しく困難ならしめる程度の脅迫を加えたと認めることはできないとして無罪の言渡をした事例
1 遺産分割により、遺産たる家屋がその居住者以外の者の所有となった場合における右居住者の居住権 2 相続人の一部の者のなした被相続人の債務弁済の性質