最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分と民訴法上の仮処分に関する規定の適用 2 取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分の執行停止ができるとされた事例
1 破産債権を有する者が支払の停止または破産の申立があったことを知って破産者に対し債務を負担した場合と相殺の許否 2 破産債権者の相殺権行使は否認権の対象となるか
1 消滅時効完成後に債務の承認をした場合において右承認はその時効の完成を知ってしたものと推定することの可否 2 消滅時効完成後における債務の承認と当該時効援用の許否
1 借地契約における増改築禁止の特約と解除権行使の許否 2 前項の特約がある場合において建物の増改築を理由とする解除権行使の効果が生じないとされた事例
1 「会社が組合員の・・・・配置転換・・・・を行なうときは、組合の同意を要する。」旨の協約条項の趣旨および効カ 2 労働協約にいわゆる「人事同意約款」がある場合、労働者の配置転換につき組合がその活動に支障をきたすとしてした同意拒絶が権利の濫用にあたるとされた事例
1 控訴審において当事者参加が申し立てられた後になされた控訴取下の効力 2 対抗要件を必要とする権利の承継と、民訴201条1項適用の標準時
1 供託当事者は、供託官のなした払渡請求却下の処分を無視して、直ちに国に対して私法上の払渡請求をなしうるか(積極) 2 供託者の取戻権の10年の消滅時効期間は、いつから進行するか。
国が取得した土地を占有する第三者が湧水利用権ないし送水権を有すると認め、右第三者を債務者とする国の執行吏保管等の仮処分申請を右権利の侵害となる限度で認容しなかった事例
1 税理士法第2条第2号にいう税務書類の「作成」にあたるとされた事例 2 同条にいう「他人の求に応じ」にあたるとされた事例
1 生活の資を得るため、免許証なく継続して運転に従事した場合における無免許運転の罪数 2 本来牽連犯を構成すべき手段、結果たる罪の中間に確定裁判の存する場合と刑法第45条後段及び第54条第1項後段適用の有無
1 債権担保の手段として、甲が乙に対し第三者からの代金受領を委任した場合甲は一方的に右委任を解除することができない 2 右の場合委任を解除したと主張する甲に対し右第三者が代金を弁済したことにつき、乙に対する不法行為の成立を認めた例
同一人所有の土地とその地上建物が停止条件付代物弁済契約の条件成就に伴い各別の所有者に属するに至った場合に法定地上権の規定の類推適用はない
1 商法12条の「正当ノ事由」の意義 2 共同代表取締役の1人が単独でした行為につき商法262条の適用はない 3 共同代表の定めが登記された後はその代表権につき民法54条の準用(商法78条2項・261条3項)はない
1 銀行のなす手形割引の法律的性質 2 銀行の手形割引依頼人に対する買戻請求権の性質とその行使の効果 3 右買戻請求に基く買戻代金支払請求権を自働債権とし、割引依頼人の銀行に対する預金債権を受働債権としてなす相殺の方法 4 右相殺につき割引手形の呈示交付の要否 5 自働債権と受働債権とがそれぞれ数個ある場合の相殺充当
1 訴訟行為(控訴提起)の追完が認められた事例 2 公示送達によって形式的に確定した判決に基き移転登記がなされた場合、訴訟行為(控訴提起)の追完を申立てて原判決の取消を求めると共に、右移転登記の抹消を求める方法
約束手形の振出人が他からの問合せに対し、当該手形が偽造であるにも拘らず過失により振出の真正を確認した場合、確認を受けた者から振出人に対する損害賠償請求が認容された事例
賃借家屋の使用目的等に照らし、借家法第5条の買取請求の対象となる造作に賃借部分の塗装、営業用計器等もふくまれると認めた事例
所有権留保約款を付して物件を売渡した会社の被用者が所有権を譲渡した旨虚偽の記載をした売渡証を買い主に発行した場合において、右売渡証の記載を真実であると誤信し同物件につき抵当権設定をうけ右買主に金融を与えた金融機関に対する右会社の使用者責任の有無
1 大阪市長選挙における自由民主党選挙対策本部が、日本共産党員に対し、自民党推せん候補者の選挙対策委員に委嘱するむねの委嘱状を発送したことが違法であるとして、右本部事務長及び委員長に謝罪文書の送付を命じた事例 2 選挙対策本部は、民法上の組合に準ずる性格を有するとした事例
1 地方税法73条の21の1項但書にいう特別の事情の意義 2 地方税法73条の21の1項但書は憲法32条、76条2項に違反するか
1 駅のホームが刑法第130条の建造物に該当する事例 2 日本国有鉄道における駅長の助役に対する勤務時間延長の業務命令を適法とした事例
猶予期間内に更に罪を犯し、第一審において有罪判決(実刑)の言渡をうけたことなどを理由として、執行猶予の言渡を取消した事例
いわゆる全自交労所属の運転者たる被告人らのなした争議行為が正当性の範囲を逸脱したものとして威力業務妨害罪に該るとした事例
別居の正当理由の存否につき審理を尽さずに、子の養育費のみとしては多すぎる婚姻費用の分担を命じたのは失当であるとして原審判を取り消し差し戻しした事例
1 遺産の範囲を確定することが困難であるからといって遺産分割の審判をすることを拒否し得るものではなく、訴訟の結果を待つなりあるいは独自の判断をするなりして遺産の範囲を確定し、分割審判をすべきである。 2 遺留分減殺及び遺言無効確認の申立について調停が不成立に終り、調停に代わる審判もしない場合には、事件は当然終了するものと解すべきであるから、これを却下した原審判の処置は不当である。
日附を「昭和29年9月吉日」とした自筆による遺言は、年月のみの記載があって日の記載のない場合にあたるといえるから、民法第968条所定の日附の記載ありとはいえず無効である。
1 身分行為に伴う氏の変更から受ける不便等は、それが本人またはその家族等に客観的にも堪えがたいと認められる損害ないし苦痛を与える例外的な場合を除いて、通常改氏の止むを得ない理由にはならない。 2 改氏しても弊害がないということは、改氏を許してよい理由にはならない。
相手方(夫)も同居を拒否し、申立人(妻)自身も条件如何により離婚も止むなしと考えて、その夫婦関係が完全に破綻している場合には、夫婦同居の審判を求める申立はその理由がなく棄却すべきである。
1 拒絶査定に対する不服の審判において審理判断さるべき拒絶理由 2 審査において通知されたが、査定の理由とならなかった拒絶理由にかんする特許法159条2項、50条の適用 3 被服等の商標としての「テネツシー」と「TENACY」との類似
1 織物等の商標としての「Top Mode Tex」(以下イタリック体活字使用 編注)の特別顕著性(否定) 2 周知商標に簡単な構成の標章を組み合せた商標の特別顕著性(肯定)
1 審判における証拠の証明力が否定された事例 2 審決で判断されなかった主張ないし証拠をもって審決の正当性を主張することは許されない。