最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 行政事件訴訟法附則第3条但書にいう旧法によって生じた効力の意義 2 免職された公務員が免職処分の取消訴訟係属中に市議会議員に立候補した場合と行政事件訴訟法第9条のもとにおける右訴の利益の有無
取締役選任の旧株主総会の決議不存在確認訴訟の係属中、当該取締役が任期満了によって退任し、新株主総会において、後任取締役が選任されたため、訴の追加的変更によリ、新株主総会における右後任取締役選任決議無効確認の訴を提起した場合における、旧株主総会の決議不存在確認の訴の利益
1 仮処分事件の抗告審において、債権者が予定の本案訴訟を変更し、従来の被告に他の者を加えたものを以て本案訴訟とする旨申出でた場合に、新たな仮処分申請があったものと解した事例 2 株主または取締役が、他の取締役と称する者を被告として、その取締役資格の不存在確認請求の訴えを提起し、これを本案訴訟として、商法第270条所定の仮処分と同一効力の仮処分を求めることができるか 3 右仮処分事件における仮処分の必要性の判定基準
1 買収農地の売渡しを受けた者が補助参加人としてなした取得時効の援用と訴の利益 2 買収処分無効確認訴訟の提起は売渡しを受けた者の取得時効を中断するか 3 火薬庫保安用地に対する農地買収の適法性
いわゆる他局加入電話につき、電々公社は当該加入者の同意を得ないままに、その設置場所を普通加入区域とする他の電話局に収容替できるか
1 破綻に瀕した会社を再建させると偽わり、同会社所有の土地建物に抵当権を設定したため、緊急融資の途を妨げた場合につき不法行為の成立を認めた事例 2 同一不法行為に基づく損害賠償請求においては、損害発生の対象を変更しても消滅時効は完成しない 3 1個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求めた場合と時効中断の効力の及ぶ範囲
1 刑法第197条の2、第197条の5にいう第三者にあたるものとされた事例 2 刑法第197条の5に基づいて第三者から賄賂の価格を追徴するにあたりその第三者に対して実質上弁解防禦の機会が与えられたものとされた事例
刑法(昭和33年法律第107号による改正前のもの)第197条の4により第三者に対し追徴を命ずることは、憲法第31条、第29条に違反するか
家庭裁判所は家事審判手続の非訟事件的性格のゆえに遺産分割の協議書の効力を否定することが許されないとして遺産分割の審判申立を却下することができるか
1 裁判官が差入れを許した文書を留置場の管理者が差入の許否をすることの適否 2 前記管理者の裁量権の範囲 3 国家賠償法の適用ある場合に当該職務行為にあたった公務員個人の責任
仮登記に基づく本登記請求と同時に、その後先順位の仮登記に基づく本登記が経由されたときの将来の代償的給付を求めることは許されるか
1 自動車事故によって死亡した在日米国人の両親が受くべき慰謝料の額 2 任意の自動車損害賠償責任保険における訴訟条項約款の効力とこれによる保険者のてん補義務発生の時期
労働組合員が、労働組合員を写真撮影した会社側職員に対して暴行を加えたり、右撮影済フィルムを感光させて毀棄した場合と違法性の有無
1 保税工場である原油タンクに蔵置されていた外貨たる原油をパイプライン(保税工場と認むべきか争あり)を通じて精製工場(保税工場と認むべきか争あり)に送油した行為につき無許可輸入にあたらないとした事例 2 期待可能性のないものとして無罪を言渡した一事例
1 過去の婚姻費用であってもその分担について争いがあるかぎり、これを審判の対象とすべきである。 2 婚姻費用の支払を命ずる審判においては、その後の事情の変更があれば扶養の場合に準じて変更審判が可能であるから、将来にわたってその終期を定めない方がむしろ現実の事態に適応するものである。
夫婦が婚姻中双方の協力によって得た財産(建物)を離婚後財産分与として妻に給付するに際し、その価格のうち分与額を超過する部分については、家事審判規則第109条を類推して妻に金銭債務を負担させ、なお、右財産の評価につき当事者間の公平を考慮して適正価格を算出した事例
後見人に、その選任当時判明しなかった前科があるほか、現に傷害罪により公判係属中であるの事由があり、さらに後見人が被後見人の財産状況を家庭裁判所に報告しない後見の任務に適しない事由があると認められるとして、職権により後見人解任の審判をした事例
婚姻届書中夫婦の氏の記載錯誤に基づく戸籍の訂正は、実質上氏の変更になるから、戸籍法第107条の趣旨に従い、当該夫婦が必ず共同して申し立てるべきであり、他の者は申立適格を有しない。
家庭裁判所調査官の調査報告書などを保護処分の判断の資料とするについては、必ずしも右調査官をして審判の席で直接報告あるいは意見を開陳せしめ、これに対し少年に弁解の機会を与えたうえでなければならないわけでないとして法定代理人のした抗告申立てを排斥した事例
母親と通行中の少女を山林内に強いて連行して略取したうえ、強いて同女を姦淫した精神分裂病の少年を医療少年院に送致した事例
強盗傷人を犯した少年に対し、過去において保護処分歴がなく、現在17歳の若年であること、その他生育環境の事情を考慮すると刑事処分に付するよりも保護処分に付するのが相当であるとして、少年法第55条による移送をした事例
1 東京都営住宅利用の法律関係 2 東京都営住宅使用条例は当事者を拘束するか 3 右条例20条1項6号にいう「知事が管理上必要があると認めるとき」と借家法6条との関係 4 右規定の「知事が管理上必要があるときは使用許可を取リ消すことができる」ということの趣旨 5 右規定にいう「知事が管理上必要があると認めるとき」に該当すると認定された事例 6 右規定にもとづき、都営住宅の使用許可を取り消す場合における相当の補償の必要性と前記条例20条2項後段の効力