最も長い歴史をもつ判例実務誌
越権代理人が本人の実印を使用して約束手形を振り出した場合について民法第110条にいう「権限アリト信スへキ正当ノ理由」がないとされた事例
賃金債権およびこれを担保する不動産の売買予約における完結権などに関し成立した調停について右予約完結権の行使の効果が代物弁済的性質から清算的性質に変更したものと認められないとした事例
1 候補者の氏名および党派別の掲示で一候補者の所属政党を無所属と誤記した違法と選挙の結果に異動を及ぼすおそれの有無 2 選挙訴訟の係属中候補者の死亡した場合と訴の利益
1 確定判決の当事者以外の者の申請によって登記がされたため国と申請人との損害賠償義務が認められた事例 2 右不登記の抹消を求める訴訟提起のため支出した弁護士費用と損害額 3 右不法登記と精神上の損害
1 大阪府知事の府会議員退職記念品料支給行為(地方自治法第204条の2施行前)と地方自治法旧第243条の2の住民訴訟の許否 2 右退職記念品料支給行為は私法上の贈与に該当するか 3 大阪府議会運営委員会制定の大阪府会議員退職記念品料贈与規程と知事の裁量権 4 付会議員に対する退職記念品料の支給が一部違法とされた事例
1 起訴前の和解の前提としての争いの範囲 2 起訴前の和解の申立書における争いの実情の表示 3 賃貸借の期間満了のときは貸借家屋を明渡す旨の起訴前の和解の効力
1 違憲の主張が適法な上告理由とならないとされた事例 2 集会、思想、表現の自由に対する侵害の回復及び予防を目的とした逮捕、監禁行為につき違法性が阻却されないとされた事例
併合罪の関係にある起訴されていない事実を量刑の資料とするために、その事実についての被告人の捜査官に対する供述調書を取調べることの可否
1 使用差止を求める商標およびその使用行為の特定 2 湿布剤の商標としての「玉盛シンセン」と「強力シンセン」との類似 3 許諾された商標の使用が権利の濫用と認められた事例
土地とその地上に存する家屋とを所有する者が、地上の家屋のみを納税のため国に物納する際には、特段の事情のないかぎり、当然将来にわたって建物の所有のための貸借権を取得させる意思をもって納入し、かつ国が第三者に右家屋とともに土地貸借権を譲渡することにつき承諾を与えているものと解すべきである
根低当権設定当時に、既に登記簿上の建物は滅失し、そのあとに新築された未登記の建物が存在するときは、旧建物の登記簿を利用して根低当権設定登記がなされていても、新建物に対する根低当権設定契約と解し、有効と認めることができるとされた事例
競売開始決定に対する異議申立書を民事訴訟法第228条を準用して却下した命令につきなされた即時抗告に対し、却下された異議申立書の原本の添付がないとして抗告を却下した事例
1 知事の許可なく、かつこれを条件としない農地売買契約の効力 2 すでに農地の保有制限面積を超過している買主の農地売買契約の効力を認められた事例 3 二重売買における後の売買登記が無効とされた事例
1 知事の許可を条件とする農地売買についてなされた代物弁済予約を原因とする所有権移転請求権保全仮登記の効力 2 買主が右許可申請手続をしない場合における売主の契約解除権の発生と売主の履行の提供の要否
1 オートバイとトラックとの正面衝突の責任負担の割合 2 事故とこれを動機として得た収入との因果関係 3 事故により下腿部切断の手術を受けた農業従業者の受くべき慰藉料
1 運転者が不起訴処分となり、検察審査会によってこれを相当とされ、行政処分も受けなかった場合に、自賠法第3条の損害賠償責任が認められた事例 2 幼稚園の通園バス運転者の注意義務
1 駐車場により狭められている道路を通過する自動車運転者の注意義務 2 被害者の過失を推認して慰藉料額を算定した事例
1 商法第267条の要件を具備しない株主の訴と会社の参加 2 代表取締役の無権限の会社財産の売却と任務の懈怠 3 取締役の任務違反行為と監査役の責任
1 農地買収令書交付の手続の瑕疵の治癒 2 買収処分が有効であるときに前所有者から売渡処分の無効確認を求める法律上の利益
1 事実の確認を求める中間確認の訴の適否 2 知事の買収処分の取消が地番を誤まってされたため、あらためてその買収処分の無効確認の請求が認容された事例
殺人、同未遂(住居侵入)被告事件 いわゆる嶋中事件 について少年の被告人を懲役15年に処した原審の量刑を相当とした事例
貨物自動車の運転と、該貨物自動車左側に後続する足踏自転車との接触事故の間に因果関係の存することを証拠上明確にすることを得ないとして無罪を言い渡した事例
1 公職選挙法第201条の13は憲法第21条に違反しない 2 同条の政党本部において直接発行した機関紙に該当しないとした事例 3 同条の通常の方法による頒布と認められないとした事例
雇主の子供(11歳の少女)を殺害した事案について、死刑を選択したうえ、心神耗弱の状態にあったものとして無期懲役刑に処した事例
外国為替及び外国貿易管理法第70条第21項・第48条・輸出貿易管理令第1条の無承認輸出罪を幇助した場合と関税法第111条第1項の無許可輸出罪の幇助罪の成否
未成熟子に対する親の扶養義務は、いわゆる生活保持義務であり、親権の帰属とは別個に両親の資力その他一切の事情を基礎として定むべきものであるとして、原審判が非親権者たる父に命じた扶養料の支払を相当とした事例
遺産分割の審判において、現物分割と債務負担の方法を併用し、前者については、遺産たる建物に現に居住する相続人の退去を、後者については、債務の一部分割支払とその懈怠に基づく失期約款を定めた原審判を相当と認めた事例
両親の生活環境、扶養能力、愛情などにおいて、いずれとも優劣がつけがたい場合、未成年者の意思を尊重して、親権者変更の審判をした原審の判断を相当とした事例
戸籍上実子のように記載されていても、被相続人の子でないと認められる以上、相続権を有しないとして遺産分割申立を却下した原審判を相当とした事例
即時抗告期間内に原審判には不服である旨の書信(印級の貼用なし)を提出し、次いで期間経過後に所定印紙を貼用した抗告状が提出された場合に、その抗告を適法と認めた事例
アパート借用資金を捻出するため、白昼、人妻に傷害を加えて金品を強取し、その結果同人を死に致らしめた15才の少年を中少年院に送致した事例
検察官において、一部被疑事実に変更を加えたうえ、刑事処分相当の意見を付して再度家庭裁判所に送致した事案につき、右送致は少年法第45条第5号但書の要件を満たしていないとして審判不開始にした事例