最も長い歴史をもつ判例実務誌
乗合自動車に取りつけられた天窓の考案が、意匠登録出願前国内に頒布されていた刊行物の記載から容易に着想実施できるものと認められた事例
1 家屋賃貸借における取立債務の約定と新所有者たる賃貸人による承継 2 催告金額以下の金額では賃貸人において受領しないことが明確であることを理由として催告が効力を有しないとされた事例
1 賃貸人の承諾をえないで賃借権の譲渡が行われたにかかわらず当該賃貸借契約を解除することが許されないとされた事例 2 右の場合における賃貸人と賃借権譲受人との間の関係
1 刑訴第160条と同第161条との関係 2 刑訴第160条による過料と同第161条による罰金、拘留との併科は、憲法第31条、第39条後段に違反するか
1 物品税法(昭和37年法律第48号による改正前のもの)第3条第3項の委任の範囲と同法施行規則(昭和35年政令第225号による改正前のもの)第11条ノ6 2 物品税法(右改正前のもの)第1条第1項と同法施行規則(右改正前のもの)第1条の関係
1 将来金員の支払を条件に賃貸すべきことを約した土地が他人の所有名義だったときの和解の解釈 2 会社が故意に他人が土地を賃借しうる権利を失わせたときの代表取締役の責任
1 行政庁に一定の確認をなすべき義務あることの宣言ないし右確認をすべきことを求める訴訟の適否 2 農林漁業団体職員共済組合法附則第4条の法意 3 出訴期間を徒過した行政訴訟につき民訴第159条の追完が認められた事例
1 旧物品税法第18条第3項の追徴と同法第8条第3項の政府決定との関係 2 輸入手続の代行者に過ぎないものにたいする物品税賦課処分の違法
職業病につき会社嘱託医でも指定病院でもない病院の診断治療を勧める行為およびN・H・Kテレビ「日本の素顔”職業病”」に出演した会社を誹謗する発言をする行為と解雇
電車踏切横断の自動車運転者につき電車往来危険罪の成立する事例 電車踏切横断の際、対向する自動車はいずれが先に避譲すべき義務を負うか
買受希望者が不動産仲介業者とともに物件を下見した上、代金額その他買受条件につき交渉したに止る場合に、いまだ仲介手数料請求権は生じないとされた事例
共同相続人の一員が相続不動産につき単独相続登記を経た場合に、他の相続人が各持分に応ずる更正登記を求める訴は、共有権に基く妨害排除請求であり、相続回復請求ではない
建物所有者がその敷地の占有権原を失った場合に、その建物の借主が土地所有者に対し敷地占有による損害賠償責任ありとされた事例
1 信用保証協会支所長の手形保証につき民法第110条の表見代理を認めた事例 2 銀行その他の金融機関以外の者からの貸付金に対する信用保証と右協会の目的の範囲 3 右目的の範囲外である無効の手形保証行為と善意の第三取得者
農地所有権の移転の後順位の仮登記権利者が先んじて知事の許可を得て本登記をした場合と先順位仮登記権利者にたいする許可の能否
1 自白の撤回が時機に遅れた攻撃防禦方法として民訴第139条により却下された事例 2 訴訟の対象である土地の所有権の帰属についてなされた自白の拘束力
1 運送会社にたいする自動車の貸主を自動車損害賠償保障法第3条の「自己のため運行の用に供したもの」と認定した事例 2 雨中停車中のバスを追越す場合の自動車運転者の注意義務
人を殺害したうえ、約4日後に現場に立ち戻り同人の生前所持した財物を奪取した行為が、占有離脱物横領でなく窃盗罪を構成するとした事例
婚姻を継続し難い重大な事由の発生について妻側に夫側以上の責任があるとして、夫の離婚請求を容れた原審の判断を相当とした事例
民法第866条(旧法第930条)の解釈として、後見監督人が被後見人を代理して当該行為を成立させた場合でも、またその行為について親族会の同意があった場合でも、被後見人は同条によって取消権を有する。
さきに成立した調停において「この養育費受領の上は道義上それ以上の養育費を請求しない」旨約しても、扶養を受ける権利は処分することができないから、これによって扶養申立が妨げられることはないとした事例
1 日本人妻からフィリピン人夫(所在不明)に対する離婚訴訟の裁判管轄権の有無 2 離婚を認めないフィリピン共和国法と法例第30条の適用
財産分与の名義で授受された金員が夫婦の協力により造成された財産に比してきわめて僅少である場合に、右金員を慰藉料と認定して、財産分与を命じた事例
親権者の配偶者が事件本人(子)と養子縁組をしたときは親権は実親と養親との共同行使となり、もはや実親の親権を他の一方に変更することは許されないとした事例
相続開始後の法定果実(不動産貸料)に関し、共同相続人の1人が他の相続人の相続分を侵害した場合に生ずる不当利得金返還債務は、遺産に関する相続人間の債権債務関係であるから、民法第259条の趣旨により、本件遺産分割に組み入れて考えるべきである。
その帰属につき争いがある相続人(共同相続人の1人)名義の土地を被相続人の遺産に属するものと判断したうえ、他の遺産とともに分割をした事例
「○○」の氏は特殊部落の出身者とみられており、それが為日常生活上多大の苦痛を蒙るであろうことが予想される場合に、戸籍法第107条第1項にいういわゆるやむを得ない事由ありと認め、氏変更の申立を許可した事例
収容継続決定に対し抗告しうることを認めたが、本人はすでに成年に達しているので、抗告申立人には法定代理権がないとして実母等の抗告申立を不適法とした事例
もはや保護者とはいえない旧雇主を審判期日に呼び出さなかったからといって違法とはいえないとして、原審の戻収容決定を相当と認めた事例
自己の運転技術を誇示しようとして、自動車を蛇行させて運転した結果、歩道に乗り上げ、10歳の少女他2名を死傷させた無免許の少年を特別少年院に送致した事例