最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
1 はじめに
2 肖像権の体系と展開
3 肖像権の法的性質
4 肖像権に基づく差止請求の可否
5 違法性の判断基準
6 最後に
[目次]
はじめに
第1 公開の法廷における証人等の氏名等の秘匿措置の導入
1 判決の宣告,訴因変更請求書等の朗読,公判前整理手続等の結果顕出に関する規定の整備(35条4項,209条6項,217条の31第4項)
2 公開の法廷で明らかにされる可能性があると思料する事項の告知(196条の6)
3 呼称の定め(196条の7)
4 決定の告知(196条の8)
第2 証人等の氏名及び住居の開示に係る措置の導入
1 証人等の氏名及び住居を知る機会を与える場合等(178条の7)
2 証人等の氏名及び住居の開示に係る措置の通知(178条の8)
3 証人等の氏名及び住居の開示に関する裁定の請求の方式(178条の9)
4 証人等の呼称又は連絡先の通知(178条の10)
5 公判期日外の尋問調書の閲覧等の制限(178条の11)
6 証拠決定された証人等の氏名等の通知(178条の12)
7 証人等の氏名及び住居の開示に関する措置に係る準用規定(217条の25)
第3 公判前整理手続及び期日間整理手続の請求権の付与
1 公判前整理手続に付する旨の決定等についての意見の聴取(217条の3)
2 公判前整理手続に付する旨の決定等の送達(217条の4)
第4 自白事件の簡易迅速な処理のための措置の導入に関する事項(44条1項48号及び49号,222条の15)
第5 その他の形式的な改正
【設問】
1 以下の者が,大阪府内の路上で女性の臀部を着衣の上からなで回す行為に及んだ場合,それぞれ大阪府迷惑防止条例16条2項の常習ちかん罪が成立するか。
(1)大阪府内の路上で歩行中の女性のスカート内の盗撮を繰り返していた男性
(2)東京都内の路上で歩行中の女性のスカート内の盗撮を繰り返していた男性
(3)京都府内の路上で女性用下着を着用した姿を歩行中の女性に見せつけることを繰り返していた男性
(4)大阪府内の路上で歩行中の女性に下腹部を露出して見せつけることを繰り返していた男性
2 大阪府迷惑防止条例16条2項の常習ちかん罪で起訴された者が,そのちかん行為の後に兵庫県迷惑防止条例15条2 項の常習ちかん罪で有罪判決を受けて確定していた場合,その一事不再理効が及ぶか。
3 大阪府内のオートロック式出入口のマンションの共用廊下で女性の臀部を着衣の上からなで回す行為に及んだ場合,大阪府迷惑防止条例6条1号の「公共の場所」における行為といえるか。
4 兵庫県内の自宅のパソコンで,大阪府内の銭湯に備え付けられた遠隔操作可能なカメラを操作し,入浴中の女性の裸体を撮影した場合,大阪府迷惑防止条例16条1項2号,6条4号の盗撮罪が成立するか。反対に,大阪府内の自宅から同様の方法で兵庫県内の銭湯で入浴中の女性の裸体を撮影した場合,大阪府迷惑防止条例上の同罪は成立するか。
匿名組合契約の営業者が新たに設立される株式会社に出資するなどし,同社が営業者の代表者等から売買により株式を取得した場合において,営業者に匿名組合員に対する善管注意義務違反はないとした原審の判断に違法があるとされた事例
交際費の性質を有する市長の懇親会出席に際しての寸志5000円を,食糧費として資金前渡を受けた前渡金から支出したことが,単なる内部手続違反にとどまらない違法な公金の支出に当たり,市長及び資金前渡職員はこれにより生じた損害について賠償責任を負うとされた事例
1 内閣官房報償費に係る行政文書において,報償費の支払相手方等が記載されている情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号所定の不開示情報に該当するとされた事例(①事件)
2 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号所定の不開示情報に該当するとされた情報を,同法6条1項に基づき更に細分化し,その一部のみを不開示とし,その余の不開示決定部分を取り消すことが許されないとされた事例(②事件)
社会福祉法人を任期満了で退任した理事が仮理事選任の申立てをしたのに対し,処分行政庁が職権で別の者を仮理事に選任する処分をした場合に,当該退任理事が,処分行政庁の行った仮理事選任処分の取消訴訟を提起することの原告適格を有すると判断された事例
精神科受診歴のない労働者(コンビニエンスストア店長)が自殺した事案について,うつ病エピソードの発病を認め,業務起因性を認定した事例
相手方の不貞行為を認定した上で,相手方の抗告人に対する婚姻費用分担の請求は,信義則あるいは権利濫用の見地から,子らの養育費相当分に限って認められるべきであると判断した事例
専門委員の意見に基づきDCF法による評価を基礎とし純資産法による評価も考慮して株式の買取請求に係る公正な価格が決定された事例
1 特許法102条1項にいう「侵害行為がなければ販売することができた物」とは,侵害品と市場において競合関係に立つ特許権者等の製品であれば足りる
2 特許法102条1項ただし書の規定する「販売することができないとする事情」とは,侵害行為と特許権者等の製品の販売減少との相当因果関係を阻害する事情を対象とし,上記事情については侵害者が立証責任を負う
清掃工場の建設工事に関する談合に関与したとして談合罪で有罪判決が確定した元市長に対する退職手当返納命令について,①市長退職手当条例及び職員退職手当条例が退職手当返納命令の根拠となるが,②市長2期目に係る退職手当については,「在職期間中の行為に関し禁錮以上の刑に処せられたとき」という要件を満たさないから返納命令の対象とはならず,③市長3期目に係る退職手当については,裁量権の逸脱・濫用はないものの,返納命令の対象となるのは市が徴収納付義務者として控除した額を除いた部分に限られるとして,退職手当返納命令の一部を取り消した事例
被告が,固定資産(土地)の価格を過大に決定して過大な固定資産税等の賦課処分をしたことについて,職務上の注意義務を尽くさなかったとして国家賠償請求が認容された事例
労働組合法7条の「使用者」該当性(消極)
─国の機関から道路境界明示に関する業務を受託していた事業者に雇用され,同機関から直接の指揮命令を受けて受託業務に従事していた労働者が,受託終了に伴って当該事業者から雇止めされた事案において,当該労働者の雇用の継続等についての団体交渉に関し,国は労働組合法7条の「使用者」に当たらないとして,団交義務を否定した事例─
被相続人所有の不動産につき弁護士の助言により被相続人から孫に贈与を原因とする所有権移転登記をした相続人が単純承認したものとみなされたことにつき当該弁護士に説明義務違反があるとされた事例
火災保険契約の目的物である建物の火災について,免責条項所定の保険契約者の故意等によって生じたものと認められるとして,火災保険金の支払請求が棄却された事例
1 軽度精神発達障害等のある未成年者が,特別支援学校に進学するに当たり,療育手帳の取得等を行わなければならないにもかかわらず,親権者がこれに応じないために,親権停止を求めた本案に関し,緊急性を要するとして申し立てられた審判前の保全処分事件について,保全の必要性を認め,親権者の未成年者に対する親権者としての職務の執行を停止し,その停止期間中の職務代行者を選任した事例(①事件)
2 特別支援学校への進学手続完了後,本案について,親権の行使が不適切であることにより未成年者の利益を害するとして親権の停止を認めた事例(②事件)