最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は地方自治法(平成14年改正前のもの。以下「法」)242条の2第1項4号に基づく住民訴訟である。静岡県は,国税を法定納期限後に納付したため,不納付加算税等を徴収された。県の住民であるXらは,納付が遅滞したのは担当部署の職員Yの過誤によると主張して,県に代位してYに対し損...
《解 説》
1 本件は,東京都杉並区高井戸に所在する通称三井グラウンドが存する土地を施行地区とする土地区画整理事業の各施行認可(以下,これらを併せて「本件各施行認可」という。)及び同土地上の建物に係る各建築確認(以下,これらを併せて「本件各建築確認」という。)がされたことから,三井グラウン...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,Y市の住民であるXらが,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法(以下「旧法」という。)242条の2第1項4号の規定に基づき提起した住民訴訟(以下「本件住民訴訟」という。)に勝訴したとして,同条7項の規定に基づき,Y市に対し,本件住民訴訟に要した...
《解 説》
1 Yの前身である動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)が建設し,運転していた高速増殖炉もんじゅ(以下「もんじゅ」という。)において,平成7年12月8日,ナトリウム漏れ事故が発生した(以下「本件事故」という。)。動燃の職員であったAは,本件事故に関するビデオ隠し問題に...
《解 説》
Xは,昭和57年2月,亡Aから本件農地3筆を買い受け,条件付所有権移転仮登記を得たが,亡Aないしその相続人亡Bから所有権移転許可申請手続への協力を得られないままであった。
他方,Yは,昭和59年2月,亡Aから根抵当権設定契約を受け,根抵当権設定登記を得た。亡Bには相続人がなか...
《解 説》
1 原告は,弁護士である被告らに対し,賃料減額に関する紛争の法的処理を委任し,着手金を支払っていた者である。しかし,原告は,被告らに対し,上記紛争の処理が終了する前に,代理人を別の弁護士に変更したいと申し出て,被告らはこれを了承し,上記委任契約は終了するに至った。
本件は,上...
《解 説》
1 本判決は,判タ1282号233頁で紹介された東京地判平19.8.27の控訴審判決である。心臓手術の際に人工心肺装置の操作を誤り患者Zを死亡させたとして業務上過失致死罪で起訴され,第1審で無罪判決を受けた医師Xが,その無罪判決を題材として民放テレビ局Yの放送に係るニュース番組...
《解 説》
1 事案の概要(判示事項に関するものに限る)
Xは,音楽市場調査等を業とする株式会社である。Yは,音楽等の分野で評論活動を行っているジャーナリストである。
Xは,訴外Aの発行する月刊誌の記事(以下「本件記事」という。)に掲載されたYのコメント(以下「本件コメント」という。)...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,日本に語学留学のために滞在していたA(大韓民国国籍。1976年〔昭和51年〕12月*日生。)が,平成13年10月10日,一色会の下部組織四谷組の組長四谷正夫並びにその構成員である被告森田昭夫,被告葉山和男及び被告枝川大也に,同組の組員であるEを殺害した...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,原告が,被告が開設する病院(以下「被告病院」という。)において,子宮全摘出手術を受けた際,被告病院担当医師が,硬膜外麻酔を施行するため注射針を刺入したところ,第三腰椎神経根を損傷し,その結果,反射性交感神経性ジストロフィー(RSD,CRPS type...
《解 説》
1 本件事案の概要は,次のとおりである。
X1は,自閉症児であり,平成16年11月当時,被告小金井市(以下「被告Y1」という。)の設置する小金井市立小金井第*小学校(以下「本件学校」という。)の特別支援学級に通学していた小学校3年生の児童であるところ,体育の授業開始前の休み時...
《解 説》
1 Xは,その所有する工場について,保険会社であるYとの間で火災保険契約を締結していたところ,上記工場が火災に遭い損害を受けたとして,Yに対し,9億円余の損害保険金の支払を求めた(Xの有する保険金請求権には,Xに対する貸付債権を有する金融機関を権利者とする質権が設定されており,...
《解 説》
1 事案の概要
X(原告)の本件特許は,請求項の数が8であり,請求項2ないし8は,請求項1を直接又は間接に引用する形式であった。Y(被告)が請求項1の特許について無効審判を請求したところ,特許庁は,同特許を無効とする審決をした。Xは,これに対する審決取消訴訟(第1次審決取消訴...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,マンホール構造,マンホール構造用止水可とう継手及びマンホール構造の施工方法に関する特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が,被告らにおいてマンホール構造用止水可とう継手(以下「被告物件」という。)を製造販売する行為は,主位的には本件特許権を侵...
《解 説》
1 本件は,被告人が,自らが実質的な経営者を務める会社(以下「本件会社」という。)において,その親会社である上場企業の株価上昇等を図る目的で,当時実現の見込みがなかったIP携帯電話の定額料金サービスを開始するとの虚偽の事実を内容とするニュースリリース等を2回にわたり行い,親会社...
《解 説》
1 被告人は,駐車場内から道路に向かい自動車を発進させるに当たり,必要な注意義務を怠り,自車右前方に立っていたA(当時1歳)を自車車底部に巻き込んだ上,自車左後輪で同人をれき過するなどし,同人を死亡させたという事実で起訴された(原審公判中に,「自車右前方に立っていたA」から「自...