最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,Y社の営業譲渡に反対する株主が同社の株式価格の決定を求めた事案である。本件申立てに至る概要は次のとおりである。
(1) Y社は,各種繊維工業品,医薬品,化粧品等の製造及び販売等を目的とする会社であり,Xらは,同社の普通株式を保有している株主である。
(2) Y社...
《解 説》
1 本件は,被告人が,深夜,被害者宅に侵入し,就寝中の被害者が熟睡のため心神喪失状態であることに乗じ,その下着の上から陰部を手指でもてあそんだが,これに気付いて覚せいした被害者が,被告人に対し,「お前,だれやねん。」などと強い口調で問いただすとともに,被告人着用のTシャツ背部を...
《解 説》
1 本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,瀬取り船(親船から小船に積荷を移し取る場合の小船のこと)を利用して外国から覚せい剤を輸入することを計画し,2回にわたり覚せい剤の輸入を実行して成功したものの,3回目には同様に覚せい剤を輸入しようとしたが失敗したという各行為について,覚せ...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦下の昭和17年9月から昭和20年5月にかけて,言論・出版関係者数十名が,治安維持法違反の容疑で神奈川県警特高により検挙され,そのうち多くの者が,国体を変革することを目的とし,かつ,私有財産制度を否認することを目的とする結社である日本共産党等の目的遂行の...
《解 説》
1 本件は,暴力団幹部である被告人が,平成15年12月,同じ組織に所属する幹部A(A組組長)の自宅兼A組事務所において,所携のけん銃2丁を発射して,A(当時69歳)及び居合わせた別の幹部B(当時64歳),同C(当時61歳),同D(当時56歳)及び同E(当時41歳)の合計5名を次...
《解 説》
1 本件は,処分庁から廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)に基づく一般廃棄物収集運搬業許可を受けていた原告が,その原告代表者が暴行,脅迫,傷害の被疑事実で逮捕勾留されたことから,同法7条5項4号ト,リに基づき同許可を取り消されたことから,かかる取消し...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,Y(国)に対し,①X1のサラ金業者6社及びX4のサラ金業者1社を相手方とする債務弁済協定調停事件につき,裁判官がした民事調停法17条の調停に代わる決定(17条決定)又は調停委員会が成立させた調停,並びに②X1ないしX4の保証会社を相手方とする債...
《解 説》
1 外国法人A社は,D社から買収した医療機器事業をD社に代わって日本国内において行うためA社の傘下の会社を日本国内に設立することを決め,A社の100パーセント出資の子会社である外国法人E社が100パーセント出資して日本において医療器具の販売を目的とする内国法人B社を設立し,B社...
《解 説》
1 平成17年法律第93号による改正前のエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)11条などにより,政令で定める以上の燃料等及び電気を使用する工場である第一種熱管理指定工場及び第一種電気管理指定工場を管理する第一種特定事業者は,毎年,経済産業大臣などの主務大臣に対し,燃料...
《解 説》
1 本件は,根抵当権が設定された建物(以下「本体建物」という。)の屋上に,その後建築されたプレハブ式建物(以下「本件プレハブ式建物」という。)に経由された第三者名義の所有権保存登記(以下「本件保存登記」という。)につき,本体建物の根抵当権者が,根抵当権の実行を妨害する目的でされ...
《解 説》
本件は,被告から温泉井戸の掘削工事を請け負った原告が,被告に対し,工事残代金の支払いを請求し(本訴),被告は,原告が掘削した井戸は,湧水の温度及び成分に問題があるため,瑕疵があるとして契約を解除する意思表示をし,請負代金の既払部分の返還(予備的には,債務不履行に基づく損害賠償)...
《解 説》
1 本件は,Xが,鉄道高架橋下所在のX所有の土地(本件土地1)及びXが賃借している土地(本件土地2)をY1に賃貸し(本件契約),Y1が,両土地上にある建物(本件建物)をY2に賃貸していたところ,鉄道高架橋の耐震補強工事を実施する「鉄道事業の遂行上の必要」が生じたため,本件契約が...
《解 説》
1 本件は,大学を設置する学校法人である原告が,被告らに対し,被告ら外が,共謀の上,虚偽の理事会議事録に基づき,従前の原告理事が解任され,被告ら外が原告理事に就任したなどとする虚偽の登記を申請した上,大学に乗り込み,原告の業務を妨害したことなどを理由として,不法行為を理由とする...
《解 説》
Xは,絵画や書などの美術品の海外紹介及び美術展の主催等を目的とする株式会社であり,中国美術館において「日本・フランス・中国現代美術世界展」(本件展覧会)を企画し,これを開催するにあたり,日本側作品(335点)について,北京美術館への搬入,搬出,通関,日本からの往復の海上輸送とい...
《解 説》
1(1) 本件は,大型商業施設の駐車場内で,8歳の男児であるAがYの運転する普通貨物自動車に轢過され死亡した交通事故(以下「本件事故」という。)に関し,Aの両親(X1,X2),姉(X3)であるXらが,Yに対し,自動車損害賠償保障法3条及び民法709条,711条に基づき,損害賠償...
《解 説》
1 本件は,患者の相続人である原告らが,患者が死亡したのは,被告が①患者に対し前立腺がんの告知をしなかった,又は不十分な説明であった,②必要な検査を怠った,③不適切な薬剤を投与した,④薬剤の投与方法を遵守しなかった,⑤適時に治療法を変更しなかった(②ないし⑤は適切ながん告知及び...
《解 説》
1 訴外A(昭和51年生)は,先天性心疾患を有し,2回心臓外科手術を受けたこともあったところ,平成7年4月20日,Yの経営するこども病院・感染症センター(B病院)に入院し,同月27日,フォンタン手術(以下「本件手術」という。)を受けたが,その後意識が戻ることなく,低酸素脳症と診...
《解 説》
1 本件は,従来から,退任取締役に対しては退任期の株主総会に退職慰労金を支給する議案を提出してその旨の決議を得,内規に基づいてこれを支給することを通例としてきたY1において,過去に会社の発展に寄与した功労があると評価されながらも経営方針を巡る対立に敗れたことから取締役を辞任した...
《解 説》
本件は,昭和34年商標法下における商標法施行規則における第12類(以下「旧12類」という。)「輸送機械器具 その部品及び附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として設定登録された登録第1216724号商標(円図形にやや図案化して表した「COMPASS」を組み合わせてなる...
《解 説》
1 事案の概要
YがXの有する本件特許の請求項1ないし27について無効審判を請求したところ,Xは特許請求の範囲の請求項1を訂正し,請求項2及び3を削除し,請求項4ないし18を請求項2ないし16に項番変更するとともに訂正し,請求項19を削除し,請求項20を請求項17に項番変更す...
《解 説》
被告は,商標法施行令1条別表における第10類「理化学機械器具,光学機械器具,その他本類に属する商品」を指定商品として設定登録された,登録第1916238号商標(「ココロ」の片仮名文字と「KOKORO」の欧文字とを二段に横書に表記したもの。以下「本件商標」という。)の商標権者であ...
《解 説》
1 ①事件について
本件は,弁護士であり,国会議員でもある被告人Aが,(1)約6年間にわたり,弁護士資格のないBや同人が雇った事務員が,45回にわたって,自動車等の交通事故による被害に関し,自動車損害賠償保障法あるいは任意保険契約に基づく損害賠償の請求や示談交渉等の法律事務を...