最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
本件は,米国が,日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約(以下「条約」という。)及び逃亡犯罪人引渡法(以下「法」という。)に基づいて我が国に対してなした犯罪人引渡請求を受けた,東京高等検察庁からの引渡審査請求に対して,引渡しをすることができない場合に該当するとの決...
《解 説》
①,②事件は,いずれも判決宣告手続の途中で,その手続を当該期日において完結させることなく,次回期日以降に改めて判決宣告手続を開始し,判決を宣告した事案である。
①事件は,単独裁判官が判決の宣告手続を開始して,主文を朗読した上,理由として,罪となるべき事実と法令の適用を告げ,続...
《解 説》
1 本件は,拘置所内の未決勾留中の者に対する医療処置の妥当性,いわゆる「期待権」侵害の有無,説明義務違反,身柄拘束の是非等が争点になった事案である。
2 事案の概要は,次のとおりである。X1は,住居侵入の被疑者として東京拘置所に未決勾留されていたが,平成13年4月1日午前7時...
《解 説》
1 本件は,電気工作物の保安業務を行う電気管理技術者であるXらが,電気工作物の自動遠隔監視システム(ESシステム)を販売するY1と,ESシステムの割賦販売を扱っているY2等に対し,独占禁止法24条に基づく差止請求,民法709条等の損害賠償請求をした事件である。独占禁止法24条の...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,拘置所に勾留中の被告人から選任されて刑事弁護人に就任した弁護士である原告が,拘置所の職員らに対し,被告人の刑事事件において証拠物として採用されているビデオテープを再生しながら被告人と接見することを申し入れたところ,職員らがビデオテープの内容を検査しな...
《解 説》
1 本件は,Xが所有していた土地(本件譲渡土地)とAらが所有していた土地(本件取得土地)とを交換(本件交換)したことに対する所得税について,Xが所得税法58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)1項の適用があるとして申告したのに対し,Yが,本件交換は,社会福祉法人の設立のた...
《解 説》
1 X(昭和35年生)は,国鉄を経由して,昭和62年4月から,Y1の職員として勤務するようになり,また,平成8年11月から,Y2の兵庫工場に出向して,車両製造に係る業務に従事していたが,同年12月,精神疾患に罹患し,治療を継続的に受けなければならなくなり,休業することを余儀なく...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは昭和24年に開校した工科系の学校であり,Yは,同43年9月に設立されたXの教職員で構成されている労働組合である。Xは,昭和44年2月ころ,労働協約で,Yに対し,Sキャンパス内の建物の一部(約75㎡,以下「本件建物部分」という)を,返還の...
《解 説》
1 本件は,公道歩行中に障害物に衝突して傷害を負ったと主張するXが,障害物の設置者であるYに対し,損害の賠償を求めた事案である。
2 Xは,会社経営者であり,東京都A区内に事務所(以下「本件事務所」という。)を有していた。Yは,本件事務所から200メートル程離れた交差点の角地...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,市バスに乗車中の乗客が,市バスが直進道路を進行中に急停車した衝撃により,市バス車内に転倒し,運転席近くにあるパイプに頭部を強くぶつけ,頸椎損傷の傷害を負った事故について,市バス運転手及び市交通局に対し,その損害賠償を請求した事件である。
責任原因(民...
《解 説》
1 本件患者は,被告が開設する病院において顔面神経減圧術を受けたが,その後,硬膜外血腫を生じ,手術15日後に死亡した。本件患者の遺族である原告らは,被告に対し,①本件患者は,硬膜外血腫を生じ小脳梗塞に至って死亡したが,②被告の医師の顔面神経減圧術(以下「本件手術(1)」という。...
《解 説》
1 事案の概要
Xの長男Aは,平成7年5月下旬,Y経営の美容外科医院において,陰茎の体外に出ている部分を長くする「長茎術」と,自らの脂肪を亀頭や陰茎に注入して太くする「亀頭・陰茎増大術」とを同時に受けたが,その直後から亀頭下部にリンパ浮腫が生じて陰茎がパンパンに腫れ,絞扼輪付...
《解 説》
1 本件は,亡Aの本件遺言で遺言執行者として指定されているXが,遺言書に亡Aの遺産として記載されている本件株式は,その一部がYほか数名の名義となっているが,Yほか数名に帰属する実質株ではなく,いずれもAが所有する名義株であったから,現在,亡Aの遺産として,その全部を前記遺言によ...
《解 説》
1 Xは,ドイツにおいてコンサルタント業務を主として行う会社を経営する者であるが,Yがその管理するサーキットにおいて,Xの役務を示す商品等表示として周知である①「FWGPA」,②「アエロバティックス」,③「AEROBATICS」及び④ウイングマークの各標章を使用し,曲技飛行(エ...
《解 説》
1 本件は,乙及びAが共有する船舶(本件船舶)に対して船舶安全法に定める定期検査等に伴う工事等を実施した甲が,この工事等による修繕費請求権を被担保債権とする船舶先取特権又は動産保存先取特権に基づいて本件船舶について船舶競売を申し立てたものの,配当金を受領することができなかったた...
《解 説》
1 本件は,被告人が,忘年会で飲酒した後,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態にありながら,普通乗用自動車を時速約50ないし55キロメートルで運転し,歩行中であった5名の被害者に自車を衝突させて5名全員を死亡させたという危険運転致死の事案である。
2 事件の具体的内容...
《解 説》
本件は,精神分裂病(統合失調症)に罹患していた被告人が,自宅で同居していた父母に対し,殺意をもって,包丁で突き刺すなどし,その結果,母親を殺害し,父親に重傷を負わせたという殺人及び殺人未遂被告事件であり,被告人の責任能力が主たる争点となった事案である。
本件事案の詳細は,判決...