判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.1008


  • <座談会>当事者本人からみた和解-実態調査の結果を踏まえて

    那須弘平    西口元    北尾哲郎    伊藤眞    太田勝造    菅原郁夫    塩谷国昭   

    伊藤眞(司会)

    引用形式で表示 総ページ数:40 開始ページ位置:4
  • 和解の実態調査に関する若干の感想

    山本和彦   

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:44
  • 訴訟上の和解-実態調査報告から考えること

    西尾則雄   

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:46
  • <民訴法論点ノ-ト22>一部請求論の展開(下)

    中野貞一郎   

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:48
  • 瀬木比呂志   

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:57
  • <ブック・レビュー>田尾桃二=加藤新太郎共編『民事事実認定』

    中西正   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:70
  • <判例批評>顧客に対し事後の損失補填を行った証券会社の取締役に対する損害賠償請求が棄却された事例-野村詮券損失補填株主代表訴訟(東京地判平10.5.14)

    山田剛志   

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:74
  • <銀行実務と民事裁判417>将来債権群の譲渡契約の効力

    大西武士   

    最三小判平11.1.29判タ994号1O7頁、判時1666号54頁、金判1062号4頁、金法1541号6頁

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:83
  • <ネットワ-クと法の中心課題7>アメリカ合衆国におけるコンピュ-タ犯罪立法動向

    夏井高人   

    無権限アクセスを中心とする比較法的検討と日本法への示唆

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:106
  • 東京地平10.10.23判決

    《解  説》
     一 本件は、オウム真理教の幹部の地位にあった被告人が、教祖及び複数の教団幹部と共謀の上、脱会を希望した出家信徒一名を殺害し(判示第一の事実)、教団批判の中心的人物であった弁護士とその妻子を殺害した(判示第二の一ないし三の各事実)という合計四名に対する殺人の事案である。
     二 弁...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:107
  • 最高二小平11.6.11判決

    《解  説》
     一 本件は、被相続人Aの共同相続人であるB、Y1及びY2の間で成立した遺産分割協議につき、Bの債権者であるX(信用金庫)が、これが詐害行為に当たると主張し、Y1及びY2に対して、右分割協議を取り消すとともに、法定相続分に応じた持分となるようにBに対する所有権移転登記手続を求めた...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:117
  • 《解  説》
     本件は平成七年七月施行された参議院(選挙区選出)議員選挙について公職選挙法一四条、別表第三による定数配分が選挙区間において不平等であったと主張して各地方選挙管理委員会Yらを被告として提起された各選挙区民Xらによる五件の選挙無効訴訟であり、東京高裁は平成九年二月六日、これら違憲の...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:120
  • 《解  説》
     X2及びX3夫婦の子X1は、Y市の設置管理するT小学校の四年生であったが、平成六年六月、Y市の公園内にある青少年野外活動センターで行われた同小学校の主催する泊まり掛けの体験学習に参加した。翌日の午前中に課外活動の一貫として「山賊ラリー」と称するゲームが行われ、X1も参加したが、...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:133
  • 宇都宮地平10.5.14判決

    《解  説》
     一 事案の概要
     N町は、平成五年四月一日、同町文化会館の用地として訴外Aから同人の所有する本件土地を賃借したが、交渉の経過で平成五年度以降の固定資産税を免除することとなり、平成五年度については、いったん賦課された固定資産税の税額を更正し、平成六年度ないし同八年度については、初...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:139
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     Xは、平成六年四月から、社会福祉法人Yの事務局職員として勤務していたものであるが、平成七年六月末日、Yから懲戒解雇の処分を受けた(本件懲戒解雇)。Xは、懲戒事由が存在しないこと、本件懲戒解雇は権利の濫用であることなどから、本件懲戒解雇は無効であると主張して、雇...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:145
  • 《解  説》
     一 第一事件の主張は要旨に関係しないので、事案の概要の摘示を省略する。第二事件の事案の概要は次のとおりである。
     土地の賃貸人であるXは、借地権者であるYらに対し、賃貸借期間満了時である平成二年一二月三一日をもって契約の更新を拒絶する旨の意思表示をし、併せて、立退料として一億円...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:154
  • 《解  説》
     Xは、曹洞宗の寺院であるが、昭和初年以降、Y市の市道として供用されてきた市道敷とその法敷について、Y市が何らの権原なく使用していると主張し、Y市に対し、不当利得の返還を求めた。判示事項に関連する争点は、民法七〇三条に定める「法律上ノ原因」の存否、具体的には占有権原の有無であって...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:156
  • 広島高岡山支平11.2.25判決

    《解  説》
     本件は、被控訴人が控訴人に対して、組合事務所等の明渡し及び右明渡遅滞に基づく損害賠償を請求した事案である。
     被控訴人は、コルク製品の製造等を目的とする会社であり、控訴人はその従業員で構成する労働組合である。
     被控訴人は、控訴人に対し、組合事務所(本件建物)とその敷地(本件土...

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:163
  • 《解  説》
     XはA病院の院長であったところ、理事会において解任されたが、院長として勤務を続け、A病院から院長職務権限停止の仮処分の申立てを受けたため、また、XからAに対し、Xの病院長の地位保全仮処分及びXのAに対する債権保全のための債権仮差押えを申し立てるため、弁護士Yを代理人に選任した。...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:178
  • 《解  説》
     一 X1は、平成七年七月八日、漁船を操船して、広島湾内を航行中、Yの開設する高校のヨット部員等が乗船したヨットに漁船を衝突させ、右ヨット及びそれに引かれたゴムボートに乗船していたヨット部員一名を死亡させ、ヨット部員等二名に対し傷害を負わせた。
     そこで、X1は、死亡したヨット部...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:182
  • 《解  説》
     一 X(女性高校教師)は転居に伴い、Y(NTT)に対して、電話の移設と電話番号の変更を求めるとともに、Xの氏名、電話番号、住所を電話帳に掲載しないように求めた。しかし、Yは、Xの明示の意思に反して、東京都世田谷区版及び東京都二三区個人名版の電話帳にXの氏名、電話番号、住所を掲載...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:187
  • 《解  説》
     Xは、かねて家主Aを相手に訴えを提起していたが、同訴訟においてAの代理人となったY弁護士が準備書面中でXについて「異常性格」と記載し、法廷で裁判官に対し、「Xは趣味で訴訟をしている」と発言したことによりXは名誉を毀損されたと主張し、慰謝料一〇〇万円と謝罪文の交付を求めて本訴を提...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:191
  • 名古屋地平11.4.8判決

    《解  説》
     一 訴外Aは、平成四年四月、Y医療法人の経営する「大口クリニック」において胃癌と診断され、胃の切除術を受けたうえ、同クリニックに入通院し、抗癌剤の投与等の治療を受けていたが、白血球減少による敗血症、肺炎、真菌血症等の感染症に罹患し、同年七月、愛知医科大学付属病院に転院した直後に...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:192
  • 《解  説》
     一 Xらは、腎癌で死亡したAの両親であるが、Y1が経営する総合病院の勤務医であるY2がAを紫斑性腎炎と誤診して精密検査を怠った過失によりAが腎癌で死亡したとして、Yらに対し不法行為(Y1には使用者責任)に基づく損害賠償請求に及んだのが本件訴訟である。
     Yらは、Y2医師がAを紫...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:204
  • 《解  説》
     X1は、亡Aの次女であり、X2はその夫である。亡Aは、死亡に先立ち、その所有する不動産及び動産を三人の子ら(長男Y1、長女Y2、次女X1)の遺産分割の方法を指定する内容の危急時遺言を行った。
     これに対し、Xらは、主位的に、①亡Aが自己の遺産として右遺言書に掲記した本件不動産(...

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:213
  • 《解  説》
     一 Xらは、Aの非嫡出子であるが、Aの嫡出子で包括受遺者であるY1及びその母でAの妻であったY2に対して、遺留分減殺請求権を行使した上で、各財産に共有持分を有することを確認を求めるとともに、遺留分割合に応じた持分一部移転登記手続及び金員を求めた。本件は、Xらの母とAとは事実上の...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:230
  • 《解  説》
     一 株式会社である原告は、他の株式会社(以下「訴外会社」という。)が被告に対して有する貸金債権を同会社から譲り受け、同時に、被告との間で、右譲受債権を目的とする準消費貸借契約を締結した。また、原告は、その後、被告に対し、別途金銭を貸し付けた。
     原告は、被告に対し、右各債権に基...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:239
  • 《解  説》
     Xは、昭和四九年五月以降、二二年間にわたりYの取締役を務め、平成八年五月末に退任した。Yにおいては、役員の退職慰労金を定めた規定があり、これによれば、退職慰労金は、退職時の月額報酬に在任年数と出勤率を乗じた額と定められていた。平成八年五月に開催されたYの株主総会において、Xを含...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:242
  • 《解  説》
     一 Xは、平成元年一二月ころから、内縁の夫である訴外Aとともに、熊本県阿蘇町において旅館業を営んでいたが、平成四年六月二八日、右旅館の建物から出火し、右建物が全焼し、その中に在置していた什器・備品も焼失した。
     そこで、Xは、平成三年九月に店舗総合保険契約を締結していたY(保険...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:244
  • 《解  説》
     一 Xは、衣類等のデザインの考案を業とする株式会社であり、「プリーツ・プリーズ」なる名称の婦人服のシリーズ商品(X商品)についてのデザインを考案し、これをその子会社に製造・販売させている。
     Y1は、婦人服の製造販売業者であり、その製造に係る「ルルド・エレガンス」なる名称の婦人...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:250
  • 《解  説》
     一 X1は、貸金業者であるYから利息制限法所定の制限利率を上回る三九・八パーセントの利率で二〇〇万円を借り入れ、以後、相当額の分割金を支払ったが、その支払ができなくなった。X1は、Yに対して支払った金銭を利息制限法の制限利率に従って元本に充当すれば、既に全額の弁済が終わっている...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:258
  • 《解  説》
     Xは、昭和六一年四月、都内のビルにおいて違法な捜索差押えを受け、その際、A(後日Xと同姓)の写真(本件(1)写真)が撮影され、また、平成三年一二月、都内の路上においてXについて違法に身体捜索差押えがされ、その際、X及びXの所持していた住所録(本件(2)写真)が撮影されたと主張し...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:267
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は次のとおりである。X(相手方)は、不動産競売事件で、本件土地を買い受けた。Y(抗告人)は、本件土地を駐車場及び作業所として使用占有していた。Xは、執行裁判所に対し、Yに対する本件土地の引渡命令の発布を求めた。執行裁判所は、Xの申立てを相当と認め、引渡命令を発...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:269
  • 《解  説》
     Xは昭和六〇年九月、A銀行から一五億円を借り受け、その所有する不動産(土地及び区分所有建物)に抵当権を設定した。Y1は平成元年一月、Aから右債権と抵当権を譲り受け、同年二月、抵当権につき移転登記を経由した。Y1はXに対する抵当権に基づき、本件不動産に対する競売を申し立て、平成三...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:271
  • 《解  説》
     一 本件は、SMクラブの従業員であったA及びB(双子の兄弟)が同クラブの経営者と店長を殺害してこれを乗っ取ることを企て、ほか一名の従業員と共謀の上、経営者及び店長を殺害して現金等を強取し(「罪となるべき事実」第一、強盗殺人)、A及びBが二人の死体を遺棄することを企て、ほか五名と...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:277
  • 《解  説》
     一 本件は、暴力団の幹部であった被告人が、右暴力団の縄張り内で覚せい剤を密売するグループから場所代を徴収し、これを右暴力団内のさらに上位の幹部に渡していた、という事案である。一審は、被告人を麻薬特例法一〇条(不法収益等収受)の罪により懲役一年八月及び罰金五〇万円に処するとともに...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:286
  • 《解  説》
     一 阪神淡路大震災の二日後に、倉庫会社Y1保有の倉庫から火災が発生し、ABの貨物が全焼した。ABは、損害保険会社Xとの間で貨物海上保険契約を締結しており、Aは、Y2と貨物運送契約を締結していた。Xは、ABに保険金を支払い、ABのY1に対する貨物保管義務違反の過失による不法行為に...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:288
  • 《解  説》
     一 本件はいわゆるロス疑惑の保険金支払を巡る訴訟であるが、事案の概要は以下のとおりである。
     生命保険会社であるXらはYとの間で被保険者をYの妻である訴外Aとする生命保険契約をそれぞれ締結していたが、Aが何者かに銃撃されて保険契約約款にいう廃疾状態となったため、Yの請求に応じて...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:296