最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
はじめに
第1 取締役の競業取引及び利益相反取引の規制の概要
第2 競業取引(1)「株式会社の事業の部類に属する取引」の該当性①
第3 競業取引(2)「株式会社の事業の部類に属する取引」の該当性②
第4 競業取引(3)開示すべき「重要な事実」の意義
第5 競業取引(4)株主総会等の承認①
第6 競業取引(5)株主総会等の承認②
第7 競業取引(6)会社法356条1項1号違反と競業取引の効力
第8 競業取引(7)競業取引と取締役の責任①
第9 競業取引(8)競業取引と取締役の責任②
第10 競業取引(9)競業取引と取締役の責任③
第11 競業取引(10)競業取引と取締役の責任④
第12 利益相反取引(1)利益相反取引の該当性①
第13 利益相反取引(2)利益相反取引の該当性②
第14 利益相反取引(3)利益相反取引の該当性③
第15 利益相反取引(4)利益相反取引の該当性④
第16 利益相反取引(5)開示すべき「重要な事実」の意義
第17 利益相反取引(6)株主総会等の承認①
第18 利益相反取引(7)株主総会等の承認②
第19 利益相反取引(8)承認のない利益相反取引の効力
第20 利益相反取引(9)利益相反取引と取締役の責任①
第21 利益相反取引(10)利益相反取引と取締役の責任②
第22 利益相反取引(11)利益相反取引と取締役の責任③
第23 利益相反取引(12)利益相反取引と取締役の責任④
第24 取締役会設置会社における取締役の報告義務
放射性物質に汚染された廃棄物の試験焼却に関する一部事務組合の管理者の予算執行が違法であるとして,執行機関に対し,管理者に損害賠償請求をするよう求める4号訴訟について,予算執行についての管理者の判断に,判断要素の選択や判断過程に合理性を欠く点があったとはいえず,裁量権の範囲の逸脱又は濫用はないとして,請求を棄却した事例
生命保険会社が営業職員の賃金から業務上の経費を控除したことにつき,全体として会社と営業職員との間の負担合意による控除を適法と認めたものの,一部について合意の効力を否定して,経費控除に相当する額につき未払賃金請求を認めた事例
家計調査に基づくウエイト(各品目の家計に占める割合)を用いて生活扶助基準を改定した厚生労働大臣の判断が裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法になるとされた事例
破産管財人の報酬額に関し,破産管財人が収集した破産財団の金額に加え,管財業務の難易度や手間,配当額や配当率との均衡等の事情を考慮して,原決定を取り消し,より低額の報酬額を定めた事例
再転相続人(兄弟の配偶者)として相続放棄の申述が受理された後,再転相続人(おいの母)としてした相続放棄の申述につき,申述を却下すべきことが明白であるとは認められないとして,これを受理した事例
2回のインスリン過剰投与による殺人事件について,うち1回の投与が殺人の実行行為に当たらないとした原判決の事実誤認が,判決に影響を及ぼすことが明らかとはいえないとされた事例
公文書の公開請求者に対して対象文書の一部を公開した処分について,開示部分を公にすることにより第三者である報道機関の権利その他正当な利益を害するおそれがあるとして,当該処分を取り消した事例
シリア・アラブ共和国国籍を有する外国人について,政治的意見(それに基づく兵役忌避)を理由に,難民に該当するとして,難民不認定処分を取り消した事例
精神障害を発病した労働者の自死について業務起因性が認められ,労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料を不支給とした処分行政庁の処分が取り消された事例
転落防止用のベッドガードにつき,指示・警告上の欠陥があるとして,同ベッドガードを輸入,販売する被告が製造物責任法上の損害賠償責任を負うとされた事例
子と同居する妻が単独で行った子ども・子育て支援法に基づく教育・保育給付認定申請に対し,子と別居する父が「保護者」に該当しないとの判断を前提として市が教育・保育給付認定をしたことに違法性はないとして,父の市に対する国家賠償請求を棄却した事例
町立病院の医師が,児童相談センター所長から児童虐待に関する情報提供を求められて回答したところ,保護者の精神疾患に関する診断等の記載について名誉感情侵害が成立するとされ,医師の不法行為責任及び町の使用者責任の成立が認められた事例
指定国において国内移行手続が行われずに取下擬制がされた国際特許出願に係る発明について,原告が特許を受ける権利を有することの確認を求める訴えが,確認の利益を欠くものとして却下された事例
外国の方式により婚姻した日本人夫婦が,夫婦が称する氏を定めずに戸籍法41条に基づく婚姻の届出をした場合において,同届出を不受理とした処分が不当とはいえないとされた事例
妻である被告との離婚を実現させるために婚姻費用分担金の支払をすることなく兵糧攻めともいうべき振る舞いを続けた原告が有責配偶者に当たるとして,原告の離婚請求を棄却した事例
特定少年である少年が,共犯者らと共謀の上で及んだ路上強盗事件において,犯情の悪さに加え,少年の性格,行状及び環境その他の事情を考慮して,検察官送致とするとともに,併合して審判された窃盗及び傷害事件についても検察官送致とした事例