[解 説]
1 本件は,Xが,高血圧症の基礎疾患を有していたところ(当時53歳),警察官(警部補)として警視庁第一自動車警ら隊に所属して勤務中の平成14年2月17日昼食後に(高血圧性)脳内出血(本件疾病)を発症して(左手が動かず,呂律が回らず,椅子から立ち上がれなくなった。),東京警察病院に...
[解 説]
1 Xら夫婦は,平成8年12月から,川崎市宮前区Aに住宅を建築して居住しているが,昭和56年6月に設置された「川崎市Aこども文化センター」(以下「本件センター」という。)を利用する子どもらの発する声や物音が騒音として,Xらに精神的損害を与えているとし,敷地の所有者であるY1市と本...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件のうち,損害賠償請求事件(以下「第1事件」という。)は,名古屋刑務所刑務官らが,受刑者3名(X1,A及びX5)に対する違法な暴行,保護房収容,極度に緊縛しての革手錠施用により,X1に外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺障害を生じさせ(以下「X1事件」という。...
[解 説]
1 本件の公訴事実及び検察官の主張の概要は,被告人が,大阪府内の遊歩道上において,歩行中の被害者に対し,自転車で追い抜きざまに,背後からその後頭部をハンマー様のもので1回殴打する暴行を加え,被害者に傷害を負わせたというものである。
弁護人及び被告人は,本件の犯人は被告人ではない...
[解 説]
1 本件は,Yの従業員であったXが,Yによる普通解雇(以下「本件解雇」という。)が客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上是認し得ないもので違法であるとして,Yに対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。なお,第1審判決をした裁判官は,本件訴訟に先立って行われた労働審判手続...
[解 説]
1 本件は,飲食店経営等を業とする被告会社に平成19年4月に入社し,飲食店の調理場で勤務していたA(昭和58年5月生)が,平成19年8月11日,急性左心機能不全により死亡したことにつき,Aの両親である原告らが,Aの死亡の原因は被告会社での長時間労働にあると主張して,被告会社に対し...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,一般旅客定期航路事業を営むXが,Y(国)に対し,①Xに対する事業停止命令が違法である,②競合他社であるCに対する船舶運航計画変更認可処分が違法である,③Cの違法な不当廉売行為に対するYの規制権限不行使が違法であると主張して,国家賠償を求めた事案である。
...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,被告人が,平成21年5月から同年6月までの1か月余りの間に,①住居侵入及び強姦,②住居侵入及び中止による強姦未遂,③住居侵入及び致傷を伴う強盗強姦並びに④住居侵入及び強姦未遂を連続して敢行した事案である。
原審では,裁判員対象事件である③の事件にその余...
[解 説]
1 事案の概要
(1)X(債権者・抗告人)は,自ら又は子会社を介し,ドイツ法人H社の日本での唯一の販売代理店として,包装機械及びその部品の輸入販売並びにアフターサービス等を提供する事業(本件事業)を行う会社であり,Y1(債務者・相手方)は,その代表取締役社長や常勤顧問を務めた者...
[解 説]
1 原告Aは,平成18年9月14日午後7時18分ころ,原告株式会社B所有の自動車(以下「本件自動車」)を運転して,首都高速道路都心環状線を走行していた際に,後続自動車の運転手から本件自動車が燃えている旨告げられ,本件自動車を停止させたところ,本件自動車が炎上するという事故(以下「...
[解 説]
1 本件は,原告が,製薬会社である被告らにおいて製造販売するコレステロール低下剤(以下「本件医薬品」という。)を服用したところ,その副作用として神経原性又は筋原性を理由とする筋障害等の健康被害が生じたとして,被告らに対し,製造物責任法3条等に基づき,損害賠償の請求をした事案である...
[①事件]東京高裁平成22 年5 月27 日判決(平20(行コ)第265 号)
[②事件]福岡高裁平成22 年6 月14 日判決(平21(行コ)第28 号)
[解 説]
1 本判決は,「老齢加算の廃止等を内容とする生活保護基準の改定及びこれに基づいて給付を減額すること等を内容とする保護変更決定が生活保護法56条,8条2項及び9条並びに憲法25条等に反するものではなく適法とされた事例」として判タ1293号86頁に紹介された第1審判決である東京地判平...
[解 説]
控訴人兼附帯被控訴人(第1審原告。以下,単に「原告」という。)は,大学医学部教授であり,その研究室に属する大学院生であった被控訴人兼附帯控訴人(第1審被告。以下,単に「被告」という。)に対して英文の論文原稿の執筆を指示し,原告は,被告の執筆した論文に修正加筆をして英文の論文(以下...
[解 説]
1 本件は,裁判員法施行前に起訴された殺人,死体遺棄被告事件の控訴審において,証言を拒絶した共犯者(A)の検察官調書を刑訴法321条1項2号前段のいわゆる供述不能に当たるとして採用した原審には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,などとして争われた事案である...
[解 説]
1 事案の概要
(1)事実経過
X1は,平成9年1月15日,Y1からY2施工に係る14階建のマンション(本件マンション,総戸数65戸)の14階の住戸(本件住戸)を買い受けた。本件マンションは,平成8年9月30日に着工され,平成10年3月25日に完成し,X1は,同月27日から,...
[解 説]
1 Xは,リース事業等を営む株式会社であり,平成16年から,クレープ飲食事業等を営むY1との間で,店舗内装に関する割賦販売契約及び厨房什器・備品等に関するリース契約を締結していたが,平成20年1月ころから,Y1の経営が悪化し,所定の割賦金やリース料が支払われなくなった。他方,経営...
[解 説]
1 本件の事案の概要は,次のとおりである。
(1)原告(当時21歳の男性)は,勤務先会社で金属の溶解作業をしていた際の事故(水蒸気爆発による金属溶解物の飛散)により,右頬から顎部,頸部,胸部,腹部,背部,上肢,下肢等に火傷(熱傷)を負った。
(2)原告は,その後15回の手術を...
[解 説]
1 本件は,A(当時49歳)から強姦被害(本件性交渉)の告訴をされて,強姦罪の被疑事実で逮捕,勾留されたが,準抗告により勾留を取り消され,嫌疑不十分により不起訴処分とされたX(当時52歳)が,①警察官による逮捕状の請求及び執行,②検察官による勾留請求,③勾留状の発付・執行後の検察...