〔解 説〕
1 事案の概要
XとYとは元夫婦である。Yは婚姻後,不貞相手の子Zを出産したが,Xはこれを知らされないままZを自己の実子として養育し,20年近く経ってからZが実子ではないことを知った。XはYに対し離婚訴訟及びこれに伴う損害賠償請求訴訟を提起し(前訴),前訴では,XのYに対する慰...
[解 説]
1 本件の事案の概要は次のとおりである。
原告は,平成19年6月,被告との間で,期間を同日から同年12月31日までと定めて労働契約(本件契約)を締結し,この契約は,同日までに,平成20年1月から同年12月31日の期間で更新された。しかし,被告は,同月中,原告に対し,本件契約を更...
[解 説]
1 投資組合Xは,Yら(投資事業組合財産の運用及び管理等を目的とする株式会社Y1,投資顧問業者に投資紹介を行っていたY2)との間で,第三者割当てにより株式の有利発行を受けるための資金を預託して配当を受ける旨の出資金預託契約を締結した。Xは,この契約には,「元本保証のうえ,出資額に...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,X(名古屋市)が,その発注した2件のごみ焼却施設建設工事(猪子石工場工事及び五条川工場工事。以下併せて「本件各工事」という。)について,建設業者であるY1(猪子石工場工事の受注者),Y2(五条川工場工事の受注者),A,B及びC(以下併せて「本件5社...
[解 説]
1 Xは,訴外人が所有する複数の不動産(以下「本件不動産」という。)につき根抵当権の設定を受け,根抵当権設定仮登記(以下「本件設定仮登記」という。)を経ていたところ,その後,本件設定仮登記の移転仮登記(以下「本件移転仮登記」という。),本件移転仮登記の登記名義人と本件不動産の所有...
[解 説]
1 本件事案の概要
Aは,平成17年3月に,バイク(本件被害車両)を運転して愛知県内の高速道路を走行していたとき,後方から,前方の確認を怠って車線変更をしていたBが運転する自動車(本件加害車両)に衝突される事故(本件事故)に遭い,死亡した。Bは,刑事事件(本件刑事事件)で,禁錮...
[解 説]
1 Aは,生存中,宗教法人甲寺が管理する墓地に墓(本件墓)を建立した。その後,Aは,甲寺の僧侶であるYに対し,自分の葬儀及び一切の供養を依頼し,供養料300万円(本件交付金)を交付した(第1準委任契約)。また,Aは,さらにその後,Yに対し,自分の写真を本件墓に納め永代供養してほし...
〔解 説〕
1 事案の概要
A社は,「使い捨て温熱身体ラップ」とする本願発明につき,拒絶査定を受け,不服の審判において補正をしたが(本件補正発明),補正を却下し請求が成り立たないとした本件審決がされた。Xは,Aから特許を受ける権利を譲り受けた承継人であり,本件審決の取消しを求めた。本件審決...
[解 説]
1 本件は,窃盗の事案について,弁護人の未遂の主張が排斥され,既遂罪の成立が認められた事例であり,事案の概要は,次のとおりである。
すなわち,被告人は,大型店舗の3階家電売り場に陳列してあったテレビ(幅469㎜,高さ409㎜,奥行き167㎜,以下「本件テレビ」という。)を盗むた...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,被告が,名称を「呼吸装置」とする発明に係る原告の特許(請求項の数・全1項)について特許無効審判を請求したところ,特許庁が,訂正を認めた上,訂正後の本件発明が進歩性を欠くとして特許を無効とする審決をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。
本件...
[解 説]
1 本件は,防衛行政の中枢を担う要職等を歴任した後,防衛事務次官の地位にあった被告人に対する控訴審判決である。
1審判決で有罪と認定された事実の概要は,本判決が第1の1及び2(1)(2)において,被告人及び関係者の経歴等を含め認定するとおりである。すなわち,被告人が,①防衛装備...
[解 説]
1 事案の概要
判示事項に関係するのは本訴請求である。本訴請求は,X会社(本訴原告)が,弁護士であるY(本訴被告)に対し,①Yとの間で締結した準委任契約としての委嘱契約又は労働契約が平成21年3月末日をもって終了したとして,Yが,同年4月1日以降,X会社において上記契約上の権利...
[解 説]
1 本件事案の概要は,概ね次のとおりである(なお,以下では,本訴原告ら,反訴被告らをまとめて,「原告ら」といい,本訴被告証券会社ら,反訴原告証券会社らをまとめて「被告会社ら」という。)。
原告らは,仕事上等のつき合いのあったAから,弁護士である被告Bに,企業防衛のため,信用取引...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,公立小学校における組み立て体操の練習中に,当時,6年生の児童であった原告が,4段ピラミッドの最上位から落下して傷害を負った事故について,指導及び監督に当たった教員らに過失があったとして,同小学校を設置する被告に対し,国家賠償法に基づく損害賠償を請求した事...
[解 説]
1 本件は,「海外市場における商品先物取引の受託」等を業とするが,金融取引に関するいかなる許可・登録とも無縁であるという株式会社(Y1)との間で海外先物取引(委託取引)を行った顧客(X)が,当該取引の違法を主張して,Y1のほか,Y1の代表取締役(Y2),Y1の従業員(Y3),Y1...
[解 説]
1 本判決の概要
(1)本件は,平成21年8月に行われた衆議院選挙の小選挙区(本件選挙)の無効を求めた事案であり,本判決は,無効請求は棄却したが,いわゆる一票の較差が2倍を超える状態を違憲と判断し,主文で違法を宣言した。この問題には,複数の先例があるが,一票の較差が何倍であれば...
[解 説]
1 本件は,殺人被告事件の公判前整理手続において,弁護人から刑訴法316条の20第1項の主張関連証拠として故人である被害者の前科・前歴に関係する証拠につき証拠開示命令が請求され,その開示の当否が問題となった事例であり,本決定はその抗告審における決定である。
2 本件の事実関係及...