〔解 説〕
1 事案の概要
A社は,「使い捨て温熱身体ラップ」とする本願発明につき,拒絶査定を受け,不服の審判において補正をしたが(本件補正発明),補正を却下し請求が成り立たないとした本件審決がされた。Xは,Aから特許を受ける権利を譲り受けた承継人であり,本件審決の取消しを求めた。本件審決...
[解 説]
1 本件は,窃盗の事案について,弁護人の未遂の主張が排斥され,既遂罪の成立が認められた事例であり,事案の概要は,次のとおりである。
すなわち,被告人は,大型店舗の3階家電売り場に陳列してあったテレビ(幅469㎜,高さ409㎜,奥行き167㎜,以下「本件テレビ」という。)を盗むた...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,被告が,名称を「呼吸装置」とする発明に係る原告の特許(請求項の数・全1項)について特許無効審判を請求したところ,特許庁が,訂正を認めた上,訂正後の本件発明が進歩性を欠くとして特許を無効とする審決をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。
本件...
[解 説]
1 本件は,防衛行政の中枢を担う要職等を歴任した後,防衛事務次官の地位にあった被告人に対する控訴審判決である。
1審判決で有罪と認定された事実の概要は,本判決が第1の1及び2(1)(2)において,被告人及び関係者の経歴等を含め認定するとおりである。すなわち,被告人が,①防衛装備...
[解 説]
1 事案の概要
判示事項に関係するのは本訴請求である。本訴請求は,X会社(本訴原告)が,弁護士であるY(本訴被告)に対し,①Yとの間で締結した準委任契約としての委嘱契約又は労働契約が平成21年3月末日をもって終了したとして,Yが,同年4月1日以降,X会社において上記契約上の権利...
[解 説]
1 本件事案の概要は,概ね次のとおりである(なお,以下では,本訴原告ら,反訴被告らをまとめて,「原告ら」といい,本訴被告証券会社ら,反訴原告証券会社らをまとめて「被告会社ら」という。)。
原告らは,仕事上等のつき合いのあったAから,弁護士である被告Bに,企業防衛のため,信用取引...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,公立小学校における組み立て体操の練習中に,当時,6年生の児童であった原告が,4段ピラミッドの最上位から落下して傷害を負った事故について,指導及び監督に当たった教員らに過失があったとして,同小学校を設置する被告に対し,国家賠償法に基づく損害賠償を請求した事...
[解 説]
1 本件は,「海外市場における商品先物取引の受託」等を業とするが,金融取引に関するいかなる許可・登録とも無縁であるという株式会社(Y1)との間で海外先物取引(委託取引)を行った顧客(X)が,当該取引の違法を主張して,Y1のほか,Y1の代表取締役(Y2),Y1の従業員(Y3),Y1...
[解 説]
1 本判決の概要
(1)本件は,平成21年8月に行われた衆議院選挙の小選挙区(本件選挙)の無効を求めた事案であり,本判決は,無効請求は棄却したが,いわゆる一票の較差が2倍を超える状態を違憲と判断し,主文で違法を宣言した。この問題には,複数の先例があるが,一票の較差が何倍であれば...
[解 説]
1 本件は,殺人被告事件の公判前整理手続において,弁護人から刑訴法316条の20第1項の主張関連証拠として故人である被害者の前科・前歴に関係する証拠につき証拠開示命令が請求され,その開示の当否が問題となった事例であり,本決定はその抗告審における決定である。
2 本件の事実関係及...
[解 説]
1 本件の起訴時における公訴事実の要旨は,「A社を経営する被告人が,B社を経営する共犯者と共謀の上,B社が発注しC社に請負建築させたC社所有の未登記建物(以下,「本件建物」という。)につき,C社担当者から,C社名義の建築工事完了引渡証明書等の交付を受けた上,共犯者において,C社担...
[解 説]
1 事案の概要(判示事項に関するものに限る。)
(1)本件は,原告を再生債務者とする再生手続において,被告が届け出た再生債権の額を被告の届出のとおり291万5000円と査定した決定に対し,原告が異議を請求した事案である。
(2)被告は,原告に対する再生債権(金融商品取引法21...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,左から順に直角三角形,円及び逆直角三角形を配置した図形部分とその下部に配置した「NANYO」の文字部分とから成り,指定役務を「建物の貸借の代理又は媒介」等とする本件商標に係る商標登録について,同商標の図形部分に左から順に緑色,赤色及び青系色を付し...
[解 説]
本件は,昭和56年8月14日,貸金業者であるYとの間で,金銭消費貸借契約を締結し,同日から平成17年4月12日までの間,Yから借入れをしたAの破産管財人であるXが,Yに対する弁済金について利息制限法に引き直して計算すると過払金が生じていると主張して,不当利得の返還を求め,さらに,...
[解 説]
1 原告は,東京大学大学院医学系研究科の病理学教授で日本病理学会副理事長である。被告は,病理専門の医学博士であり,Ai(オートプシー・イメージング。死後画像診断)の研究を行うとともに,「海堂尊」のペンネームで執筆活動を行っている。被告がインターネット上の2つのサイトに,原告が厚生...
[解 説]
1 本件は,兄弟であるXとYの共有に係る不動産(以下「Y管理不動産」という。)から生ずる賃料をYが単独で取得していたため,XがYに不当利得返還請求をしたのに対し,Yが,上記賃料収入をYの所得として税務申告した結果,所得税及び市県民税を余計に支払ったことなどが事務管理にあたるとして...
[解 説]
1 Xは外資系旅行代理会社,Yはファイナンシャル・コントローラーとして雇用された外国人である。XはYとの労働契約終了条項に基づき,3か月間の予告期間をもって,契約を終了させることを提案し,Yは,これに合意した。Xは,その後に,Yが業務執行中に種々の不都合な私的な経済活動をしていた...