[解 説]
1 Xは,平成16年1月25日,Yとの間で,痴呆対応型共同生活介護利用契約(以下「本件契約」という。)を締結し,同日から平成19年2月14日まで,Yの運営する本件施設に入居していた。
Xは,平成18年7月20日,本件施設のXの居室内にて転倒し,右大腿骨転子部骨折の傷害を負い(以...
[解 説]
1 事案の概要等
(1)本件は,平成21年5月21日施行になった裁判員制度下の全国第1号事件の控訴審判決である。事案は,被告人が,日頃から仲違いをしていた近隣の住人に対し,口論の末,サバイバルナイフで胸部等を突き刺して殺害したというものである。新聞報道によると,本件は,裁判員制...
[解 説]
1 事案の概要
本件の発端は,訴外会社が一般建設業の許可申請に当たり,建設業法7条2号所定の専任技術者をおいていないにもかかわらず,専任技術者が20日前から勤務している旨記載した虚偽の出勤簿を申請書に添付して県知事に提出し,県知事が同出勤簿が虚偽のものであることを看過して訴外会...
[解 説]
1 本件は建築確認について周辺住民が取消しを求めた抗告訴訟であり,行政訴訟をめぐってしばしば取り上げられる論点である違法性の承継が問題となった。違法性の承継を最高裁が正面から肯定した初めての事例ともいえ,実務的にも理論的にも大きな意味を有する。
2 東京都建築安全条例4条1項は...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,宮津市(以下「市」という。)が,丹後地区土地開発公社(以下「本件公社」という。)との間で,土地の先行取得の委託契約を締結し,これに基づいて本件公社が取得した同土地の買取りのための売買契約を締結したところ,市の住民であるXが,同土地は取得する必要のな...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,品川区議会(以下「区議会」という。)における会派である品川区議会公明党(以下「本件会派」という。)が交付を受けて視察旅行等の経費に充てた政務調査費の使途制限違反を問題とする住民監査請求に係る監査に際し,品川区(以下「区」という。)の監査委員が同会派...
《解 説》
1 本件は,自動車事故の被害者が,加害車両の保有者が不明であるため,自賠法72条1項前段に基づき,国に対し,政府の自動車損害賠償保障事業による損害のてん補を求める事案である。
政府の自動車損害賠償保障事業は,加害車両の保有者が不明であったり,無保険であるなどして,被害者が自賠法に...
[解 説]
1 本件は,被相続人Aが相続財産(不動産,現金,貯金債権)のうち不動産全部(主として農地。本件不動産)を相続人の1人乙に相続させる旨の遺言をしたが,不動産所在地に居住していない乙はその取得を望まず,法定相続分の割合に沿う他の相続財産の取得を望み,他の相続人甲,丙(他の都市に居住)...
[解 説]
1 本件は,宗教法人Xが,寺院等を運営する宗教法人又は個人であるYらに対し,宗教法人としての名称使用権(最二小判平18.1.20民集60巻1号137頁,判タ1205号108頁参照)に基づき,Yらの運営する寺院等の看板等からXの名称である「N宗」を削除すること,N宗の名称を含む名称...
[解 説]
1 本件は,公正取引委員会(Y)が,Xらを含む多摩地区において営業活動をするいわゆるゼネコン33社が受注価格の低落防止のため入札談合(受注調整)の基本合意(本件基本合意。平成12年9月27日に本件審査が開始されて消滅したとされ,始期は不明。なお,徳倉建設については,受注物件に係る...
[解 説]
1 本件は,Xが,商品取引員であるY1に委託して行った商品先物取引において損失を被ったことについて,その従業員であるY2による説明義務違反等の違法行為があると主張して,Yらに対し,不法行為に基づく損害賠償を求める事案である。
2 Xは,Y1との間で商品先物取引委託契約を締結し,...
[解 説]
1 XとYらはきょうだいであり,本件は,平成16年に死亡した母親の遺言がYらの遺留分を侵害しているとして,YらがXに対して遺留分減殺請求をしたところ,Xが,①Y1がXに対して遺留分減殺請求権を有しないことと,②Y2がXに対して有する遺留分減殺請求権は2770万3582円を超えて存...
[解 説]
1 本件は,プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造を業とするY社の工場で平成16年1月から封着工程に従事し,遅くとも平成17年8月からはY社に直接雇用されてリペア作業(端子に付着した異物を除去して不良PDPを再生利用可能にする作業)に従事していたXが,Y社から雇用契約が終了し...
[解 説]
1 本件は,理髪店チェーンにおいて「総店長」という地位にあったYが,当該チェーンを経営するXに対し,労働基準法所定の深夜割増賃金を含む時間外賃金の支払を求めた反訴に係る事案である。なお,本訴については,これを一部認容した原判決に対して双方から不服申立てがされていないため,上告審に...
[解 説]
1 本件は,X社(株式会社)の取締役であったYが,取締役退任に際して,退職慰労金として4745万6433円の支払を受けたことについて,X社が,Yに退職慰労金を支給する旨の株主総会の決議が存在しないことなどを理由に,Yに対し,不当利得の返還等を求める事案である。
2 X社は,昭和...