[解 説]
1 本件は,被相続人Aが相続財産(不動産,現金,貯金債権)のうち不動産全部(主として農地。本件不動産)を相続人の1人乙に相続させる旨の遺言をしたが,不動産所在地に居住していない乙はその取得を望まず,法定相続分の割合に沿う他の相続財産の取得を望み,他の相続人甲,丙(他の都市に居住)...
[解 説]
1 本件は,宗教法人Xが,寺院等を運営する宗教法人又は個人であるYらに対し,宗教法人としての名称使用権(最二小判平18.1.20民集60巻1号137頁,判タ1205号108頁参照)に基づき,Yらの運営する寺院等の看板等からXの名称である「N宗」を削除すること,N宗の名称を含む名称...
[解 説]
1 本件は,公正取引委員会(Y)が,Xらを含む多摩地区において営業活動をするいわゆるゼネコン33社が受注価格の低落防止のため入札談合(受注調整)の基本合意(本件基本合意。平成12年9月27日に本件審査が開始されて消滅したとされ,始期は不明。なお,徳倉建設については,受注物件に係る...
[解 説]
1 本件は,Xが,商品取引員であるY1に委託して行った商品先物取引において損失を被ったことについて,その従業員であるY2による説明義務違反等の違法行為があると主張して,Yらに対し,不法行為に基づく損害賠償を求める事案である。
2 Xは,Y1との間で商品先物取引委託契約を締結し,...
[解 説]
1 XとYらはきょうだいであり,本件は,平成16年に死亡した母親の遺言がYらの遺留分を侵害しているとして,YらがXに対して遺留分減殺請求をしたところ,Xが,①Y1がXに対して遺留分減殺請求権を有しないことと,②Y2がXに対して有する遺留分減殺請求権は2770万3582円を超えて存...
[解 説]
1 本件は,プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造を業とするY社の工場で平成16年1月から封着工程に従事し,遅くとも平成17年8月からはY社に直接雇用されてリペア作業(端子に付着した異物を除去して不良PDPを再生利用可能にする作業)に従事していたXが,Y社から雇用契約が終了し...
[解 説]
1 本件は,理髪店チェーンにおいて「総店長」という地位にあったYが,当該チェーンを経営するXに対し,労働基準法所定の深夜割増賃金を含む時間外賃金の支払を求めた反訴に係る事案である。なお,本訴については,これを一部認容した原判決に対して双方から不服申立てがされていないため,上告審に...
[解 説]
1 本件は,X社(株式会社)の取締役であったYが,取締役退任に際して,退職慰労金として4745万6433円の支払を受けたことについて,X社が,Yに退職慰労金を支給する旨の株主総会の決議が存在しないことなどを理由に,Yに対し,不当利得の返還等を求める事案である。
2 X社は,昭和...
〔解 説〕
1 事案の概要
XとYとは元夫婦である。Yは婚姻後,不貞相手の子Zを出産したが,Xはこれを知らされないままZを自己の実子として養育し,20年近く経ってからZが実子ではないことを知った。XはYに対し離婚訴訟及びこれに伴う損害賠償請求訴訟を提起し(前訴),前訴では,XのYに対する慰...
[解 説]
1 本件の事案の概要は次のとおりである。
原告は,平成19年6月,被告との間で,期間を同日から同年12月31日までと定めて労働契約(本件契約)を締結し,この契約は,同日までに,平成20年1月から同年12月31日の期間で更新された。しかし,被告は,同月中,原告に対し,本件契約を更...
[解 説]
1 投資組合Xは,Yら(投資事業組合財産の運用及び管理等を目的とする株式会社Y1,投資顧問業者に投資紹介を行っていたY2)との間で,第三者割当てにより株式の有利発行を受けるための資金を預託して配当を受ける旨の出資金預託契約を締結した。Xは,この契約には,「元本保証のうえ,出資額に...
[解 説]
1 事案の概要
(1)本件は,X(名古屋市)が,その発注した2件のごみ焼却施設建設工事(猪子石工場工事及び五条川工場工事。以下併せて「本件各工事」という。)について,建設業者であるY1(猪子石工場工事の受注者),Y2(五条川工場工事の受注者),A,B及びC(以下併せて「本件5社...
[解 説]
1 Xは,訴外人が所有する複数の不動産(以下「本件不動産」という。)につき根抵当権の設定を受け,根抵当権設定仮登記(以下「本件設定仮登記」という。)を経ていたところ,その後,本件設定仮登記の移転仮登記(以下「本件移転仮登記」という。),本件移転仮登記の登記名義人と本件不動産の所有...
[解 説]
1 本件事案の概要
Aは,平成17年3月に,バイク(本件被害車両)を運転して愛知県内の高速道路を走行していたとき,後方から,前方の確認を怠って車線変更をしていたBが運転する自動車(本件加害車両)に衝突される事故(本件事故)に遭い,死亡した。Bは,刑事事件(本件刑事事件)で,禁錮...
[解 説]
1 Aは,生存中,宗教法人甲寺が管理する墓地に墓(本件墓)を建立した。その後,Aは,甲寺の僧侶であるYに対し,自分の葬儀及び一切の供養を依頼し,供養料300万円(本件交付金)を交付した(第1準委任契約)。また,Aは,さらにその後,Yに対し,自分の写真を本件墓に納め永代供養してほし...