[解 説]
1 本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,営利の目的で,マレーシアから覚せい剤約3㎏を密輸入したという覚せい剤取締法違反及び関税法違反の事案である。被告人は,「運び屋」とされる共犯者と同じ航空機に搭乗して入国し,空港の到着ロビーで同人と接触しているものの,本件への関与を否定してい...
[解 説]
本件は,被告人が他の共犯者と共謀の上,ミャンマー人4名の集団密航者を空路本邦に入国させたという事案であって,出入国管理及び難民認定法74条2項,1項の営利目的による集団密航助長罪の成立を認めた原判決に対して弁護人が法令適用の誤り及び事実誤認を主張して控訴した事件である。所論は,主...
[解 説]
1 本件は,原告が,防衛省との間で防衛装備品(輸送機,輸送機用エンジンシステム,ミサイル警報装置等)の売買契約を締結したと主張して,売買契約に基づき,被告に対し,売買残代金合計10億円余と約定遅延損害金の支払を求めた事案である。
これに対し,被告は,原告が防衛省との間で防衛装備...
[解 説]
1 本件事案の概要
福岡県収用委員会は,国土交通省が施行する国道209号改築工事(本件事業)のため,平成14年2月,福岡県山門郡瀬高町内にあり,筆界が確定していない7筆の土地(本件土地)について,収用する土地(本件収用地)に対する補償の額を1025万円余,収用により本件収用地に...
[解 説]
1 本件は,タックス・ヘイブンとして有名なガーンジー(The Bailiwick of Guernsey)において会社が納付した税金が法人税法(以下「法」)69条1項,法人税法施行令(以下「令」)141条1項にいう「外国法人税」に該当するか否かが争点となった事件である。
2 ガ...
《解 説》
訴訟救助により費用納付の猶予を受けた者について敗訴判決が確定した場合に,費用取立決定がされるが,この決定及びこれに対する即時抗告の根拠法条について2説がある。
A説は,この場合の費用取立決定を民訴法84条に基づく決定であるとする(横田忠『訴訟上の救助に関する研究』157頁,外村...
[解 説]
1 X1及びX2並びに同人らの子であるA1及びA2は,平成16年8月1日,訴外Bが運転していた大型貨物自動車による交通事故に遭い,X1らは重傷を負い,A1らは死亡した。X1らは,X1が勤務する会社の代表取締役Cの紹介で,弁護士Yに,B及びその使用者を相手方とする損害賠償請求事件の...
[解 説]
1 本件は,貸金業者であるYとの間で長期間にわたり金銭消費貸借取引を継続してきたXらが,Yに対し,過払金の返還等を求めた事案である。
2 東京地裁は,平成12年6月30日,Yに対する更生手続を開始する旨の決定をし,平成13年1月31日,更生計画認可の決定がされた(同年2月28日...
[解 説]
1 事案の概要
被告が開設した証券取引市場において取引を行っていた原告が,被告の証券取引市場に新規上場した株式(本件銘柄)につき「61万円で1株」の売り注文を出そうとしたが誤って「1円で61万株」の注文(本件売り注文)を発し,被告の市場システムにおいて受け付けられた後,本件売り...
[解 説]
1 本件は,A(平成15年5月24日死亡)の養子であると主張するXが,Aの実子であるYに対し,Aがその遺産の多くをYに相続させること等を内容とする公正証書遺言をしたことにより,Xの遺留分が侵害されたと主張して,民法1041条1項に基づく価額の弁償及び遅延損害金の支払を求める事案で...
[解 説]
1 本件は,Xが,シンガポールにおいて設立されXがその発行済株式総数の6割を有するS社の未処分所得につき,A税務署長から,いわゆるタックス・ヘイブン対策税制である租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの。以下「措置法」という。)40条の4第1項を適用され,所得税に...
[解 説]
1 本件は,旧日本債券信用銀行の首脳陣である被告人らが,バブル経済崩壊後に抱えた巨額の不良債権を隠ぺいするため,その額を過少に積算した内容虚偽の有価証券報告書を作成提出したという証券取引法違反(虚偽記載有価証券報告書提出罪)で起訴された事案である。
被告人らは,1審以来,有価証...
[解 説]
1 本件は,気管支喘息の重積発作で病院に運び込まれ昏睡状態が続いていた患者が,主治医である被告人によって,気道確保のために挿入されていた気管内チューブを抜管された上,筋弛緩剤を静脈注射されて窒息死させられた殺人の事案である。医師により行われた延命治療中止の事件として,尊厳死や終末...
[解 説]
1 本件は,平成13年12月30日,兵庫県明石市所在の人工の砂浜である大蔵海岸東地区砂浜において,当時4歳の被害者が,突堤付近の砂層内に形成されていた大規模な空洞の上部が突如崩壊して発生した陥没孔に落ち込んで生き埋めとなり,約5か月後に死亡した事故について,平成16年4月になって...
[解 説]
1 本件は,精神的疾患のある被告人が,平成16年6月2日午前4時10分ころ,隣に住む男性方において,同人の頭部を金属バットで強打し,更に2階に逃げた同人を追いかけてサバイバルナイフでその胸部等を突き刺すなどして,殺害し,さらに,殺意をもって,同人の二男の右頸部等を上記サバイバルナ...
[解 説]
1 本件は,保釈されていた被告人(被請求人)が,実刑判決が確定した後に逃走したことから,検察官が刑訴法96条3項に基づいて保釈保証金の没取を請求した事案について,保釈保証金没取決定の時期的限界が問題となった事案である。
被請求人は,平成20年3月17日に窃盗罪により簡易裁判所に...
[解 説]
1 本件は,原告らが,被告との間で農林漁業団体職員共済組合(共済組合)が所有する通称名「虎ノ門パストラル」(本件不動産)の売買につき媒介契約を締結し(本件媒介契約),原告ら・被告間に媒介手数料の協議が整わない限り,規定手数料上限額を媒介手数料とする旨の合意が成立し(原告ら主張報酬...
〔解 説〕
1 事案の概要
被告は,「INDIAN ARROW」の文字を横書きしてなり,指定商品を第18類「かばん類,袋物」等とする本件商標について設定登録を受け,「トートバッグ」に本件商標を図案化した使用商標A及びBを使用している。
原告は,「Indian/Motocycle商標」及び...