[解 説]
1 訴外A(昭和44年生)は,平成15年3月当時,医師であり鳥取大学の大学院生であったが,3月8日,緊急入院した患者の手術に参加した後,アルバイト先の鳥取県倉吉市の病院に向かうため,自動車を運転して走行中,大型貨物自動車と正面衝突し,脳挫傷により死亡した。
そこで,Aの両親であ...
[解 説]
1 本件は,使用人賞与について,各使用人に対する支給金額を決定し,未払金として経理処理したにとどまる法人が上記金額を損金の額に算入して法人税の確定申告をしたところ,課税庁が上記金額の損金の額への算入を否認して同額を所得金額に加算するとともに,法人が確定申告において損金の額に算入し...
[解 説]
1 訴外A(昭和29年生)は,Yの企画・主催する「流氷ダイビングツアー」に参加し,平成18年3月4日,北海道斜里町ウトロでダイビングをしていたが,海岸から約20メートルの地点で溺水により窒息死した。
そこで,Aの遺族であるXらは,Yに対し,Aに対する監視義務違反,救護義務違反等...
《解 説》
1 外国国家に対する民事裁判権の免除に関しては,最二小判平18.7.21民集60巻6号2542頁,判タ1228号119頁(以下「平成18年判決」)がそれまでの判例を変更し,主権的行為と私法的ないし業務管理的な行為を区別して,「外国国家は,主権的行為以外の私法的ないし業務管理的な行為...
《解 説》
1 本件は,不法在留中のペルー国籍の被告人が,下校中の7歳の女子小学生に対し強制わいせつ行為をして殺害し,その死体を遺棄した強制わいせつ致死,殺人,死体遺棄等の事件で,広島女児殺害事件として広く報道されたものである。
2 訴訟の経過は,次のとおりである。
起訴状公訴事実では,本件...
《解 説》
1 本件は,暴力団幹部の被告人が,共犯者と共謀の上,Aホテルロビーにおいて,適合実包と共にけん銃を携帯所持したという,銃砲刀剣類所持等取締法違反の事案である。すなわち,被告人は,B市内の暴力団組織総本部で開かれる幹部会に出席すべく,配下組員らと共にAホテルに宿泊していたところ,その...
[解 説]
1 本件は,個人経営の店舗で従業員等を使用して行われたゲーム機(パチスロ機)賭博について,①組織的犯罪処罰法の加重処罰規定(同法3条1項)の適用要件である「団体の活動」として行われたものといえるかどうか(判示事項1),②没収・追徴の対象となる「犯罪行為により得た財産」(犯罪収益。...
喪主として葬儀社と葬儀に関する契約をした抗告人が、葬儀社に支払った費用につき、死者又はその相続人に対し葬式費用の先取特権を有しているということはできないとされた事例
[解 説]
1 Xは,浄土宗に属する宗教法人であり,Yは,Xとの間の墓地使用契約(本件契約)に基づき,Xが経営する墓地(本件墓地)の一区画(本件区画)に墳墓を所有し,本件区画を占有する者である。
Xは,別の場所にあった本堂,客殿と庫裡を本件墓地のある土地に移転するため,本件墓地の区画整理を...
《解 説》
1 本件は,上告審において公訴時効が問題とされた事案である。犯罪事実は,不動産仲介業者である被告人が,被害者から土地購入造成費用名目で金員をだまし取ったという詐欺であり,その犯行終了日は平成11年9月であったが,公訴が提起されたのは平成19年7月で,詐欺の公訴時効期間である7年を超...
[解 説]
1 本件事案の概要
訪問看護ステーションの管理者を務める看護師であり,株式取引の経験があるだけで,先物取引の経験はなかったX(昭和34年生まれの女性)は,担当従業員であるY2から勧誘を受けて,平成17年9月から平成18年2月まで,商品取引員であるY1会社に委託して,金,白金の先...
[解 説]
1 本件は,貸金業等の業務を営む被告人A社の代表取締役である被告人B並びに同社の業務に従事していた被告人C,同D,同E,同F及び同Gが,同社の関係者らや不動産売買等の業務を営むH社の代表取締役であるIと共謀の上,弁護士等(弁護士及び弁護士法人をいう。)でないのに,報酬を得る目的で...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Y(控訴人・附帯被控訴人,1審被告)及びW社との間で,営業譲渡契約を締結したX(被控訴人・附帯控訴人,1審原告)が,同契約に基づき,Yに対し,同契約の対象財産である特許権,意匠権及び商標権(本件各権利)の移転登録手続を求めるとともに,Xが,特許を受ける権...
[解 説]
1 本件は,中学校の教員として勤務していた被告人が,前後20回にわたり,当時14から15歳であった被害児童が満18歳に満たないことを知りながら,同児童をして,被告人を相手に性交させ,又は性交類似行為をさせ,もって淫行をさせる行為をするとともに,20回のうち13回において,同児童を...
[解 説]
1 本件は,神戸空港建設工事に伴うポートアイランド沖海上運搬及び埋立工事(以下「本件埋立工事」という。)の請負等を目的として結成された特定建設工事共同企業体(以下「本件JV」という。)の代表者である原告が,第三次下請業者として本件埋立工事における揚土作業(土砂運搬船により運ばれて...
[解 説]
1 本件は,原告らが,自動車の輸入・販売等を業とする被告に対し,製造物責任法に基づく損害賠償を求めた事案である。
CDやDVDのレンタル・販売等を業とする株式会社ゲオの創業者であったAは,平成16年5月24日,ダイムラー・クライスラー株式会社が製造し,被告が輸入した本件車両(メ...
[解 説]
1 本件は,弁護士が保険会社との間で締結した弁護士賠償責任保険契約に基づき,弁護士から保険金請求権を譲り受けた原告(社会福祉法人)が,弁護士賠償責任保険金の支払を求めた事案である。保険会社は,保険約款の免責条項の適用(被保険者の他人に損害を与えるべきことを予見しながら行った行為に...