[解 説]
本件は,所有者であるAから自動車の貸与を受けていたY2(Aの従業員)から転借して運転中のY1(Y2の友人)が起こした交通事故について,同事故で死亡したBの内縁の夫と主張するX1(甲事件原告)及びBの両親であるX2ら(乙事件原告ら)が,Y1に対しては不法行為に基づき,Y2に対しては...
《解 説》
1 本件は,平成12年6月30日に死亡した被相続人Aに関する遺産分割事件である。Aの相続人は,妻,嫡出子4名,非嫡出子4名の合計9名であり,法定相続分は妻が2分の1,嫡出子らが各12分の1,非嫡出子らが各24分の1である。
1審及び原審は,いずれも,法定相続分に従って遺産を分割し...
《解 説》
1 Xは,Y(市)の職員からXの長女Aの身体障害者手帳の交付を受けた際に,Aの鉄道運賃・バス運賃については5割引との説明を受けたものの,介護者であるXについての運賃の割引制度に関しては何らの説明を受けなかった。そのため,XはAの介護者として鉄道・バスに乗車した際に正規料金を支払い,...
《解 説》
1 本件は,平成19年7月29日施行の参議院議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について,東京都選挙区の選挙人である原告らが,公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定が憲法14条1項等に違反すると主張して,同選挙区における選挙を無効とする旨の裁判を...
[解 説]
1 訴外A(平成6年生)は,平成13年4月,Yの設置・管理するB小学校に入学し,平成17年4月,5年3組に進級したが,平成18年3月16日,担任教諭から体罰を受け,帰宅直後,自室で自殺した。
そこで,Aの両親であるXらは,Aは,担任教諭の違法な体罰が原因で自殺したと主張し,Yに...
[解 説]
1 本件は,国(旧郵政省)との間で簡易生命保険契約を締結していたX(被保険者)が,流産後に子宮内容除去術を受けたことについて,Y(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構)に対し,上記保険契約に基づき3万円の手術保険金の支払を求める事案である(日本郵政公社は,簡易生命保険契約上...
[解 説]
1 事案の概要
抗告人が,その所有する土地及び建物の上に相手方が有する条件付所有権移転の仮登記上の権利(以下「本件仮登記上の権利」という。なお,判文においては,この権利について「条件付所有権」と略称しているところ,後述するとおりこの権利は「所有権」そのものではないのであり,所有...
[解 説]
1 本件は,覚せい剤取締法違反等の罪により北九州医療刑務所(本件刑務所)に服役中であったAが,本件刑務所の第二種独居房に設置された私物棚のタオル掛けに半タオル及び布巾を結びつけたものを輪状にして掛けて縊首自殺したことにつき,Aの母である原告が,①本件刑務所の医師や職員がAの自殺防...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,いわゆる引きこもりの状態にあった被告人が,経済的援助を求めようとして実母が居住するマンションを訪れたところ,同マンションの出入口前において被告人を追い返そうとした実母の再婚相手の男性(被害者)と小競り合いになり,未必の殺意をもって被害者の左前胸部を果物ナ...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,名称を「太陽電池用半導体ウェハの製造方法及び太陽電池用半導体ウェハ」とする本願発明につき特許出願をしたところ,拒絶査定を受けたことから,拒絶査定不服審判を請求したが,本願発明は,引用例に記載された発明であって,特許法29条1項3号に掲げる発明に該...
建物所有者に対する底地所有者の建物収去土地明渡請求が第1審で認容され、当該訴訟が控訴審に係属中である場合に、これを踏まえたものとして、当該建物の強制競売事件における物件明細書の記載や売却基準価額決定の基礎となった評価額の算定に誤りはないとして、売却許可決定に対する執行抗告が棄却された事例
[解 説]
1 本件は,被告人が共犯者2名と共謀の上で万引きをしたが,追跡してきた店長に取り押さえられて共犯者の1名に助けを求め,これに呼応した同共犯者と共謀の上,主として同共犯者が店長に対して暴行を加えて負傷させたという事案である(1審判示第1の事実。ほかに,万引き4件〔同第2〕及び不法残...
[解 説]
1 X(本訴原告,反訴被告:国立大学)とY(本訴被告,反訴原告:ベンチャー企業)は,抗体開発に係る共同研究を行っていたところ,その過程で得られた有望な抗体について,Yが,単独で,特許出願及びこれを優先権の基礎とする特許出願を行った(Y出願1~3)。一方,Xも,同一の発明について,...
[解 説]
1 被告は,原告が商標権者である指定商品を第14類の時計等とする「DEEP SEA」との欧文字を横書きにした構成の本件商標の不使用による商標登録を取り消すことについて審判を請求したところ,特許庁は同請求を認め,同登録を取り消す旨の本件審決をした。本件は,原告が,本件商標の使用の事...
[解 説]
1 本件は,建物に対する強制競売事件において,売却許可決定を受けた抗告人が,同決定を取り消し,抗告人に対する売却を不許可とする旨の決定を求めて,執行抗告を申し立てた事案である。
事案の概要は,次のとおりである。
(1)申立債権者は,執行力ある判決正本に基づいて本件建物について...
《解 説》
1 本件は,チャップリンが監督等を務め,昭和45年法律第48号により改正された著作権法(以下「新法」という。)の施行日である昭和46年(1971年)1月1日より前(1919年~1952年)に公開された「サニーサイド」等9本の劇場用映画(以下「本件各映画」という。)について,本件各映...
[解 説]
1 事案の概要
(1)控訴人は,身飾品等を指定商品とする登録商標「AGATHA」(本件商標)の商標権者である。被控訴人は,ウェブサイトに「Agatha Naomi」及びその装飾文字(被控訴人標章1~3)の表示をしてアクセサリー等の通信販売を行っている。
(2)本件は,控訴人が...
[解 説]
1 訴外A(平成9年生)は,平成18年2月20日,心窩部痛を訴え,数回嘔吐したため,救急車で,Yの開設するB病院に入り,急性胃腸炎と診断され,入院したが,翌21日,絞扼性イレウスで死亡した。
そこで,Aの遺族であるXらは,B病院の医師には必要な検査を怠った過失があったとし,Yら...