[解 説]
1 本件は,診療所を開設している原告(医療法人)が,約700メートル離れた場所に被告(医師)の開設した診療所の名称(被告表示:「かわの皮ふ科」)が,周知表示である原告診療所の名称(原告表示:「かわの皮フ科・形成外科」)に類似するとして,被告表示の使用差止め及び抹消を求めた事案であ...
[解 説]
1 本件の事案の概要等は,次のとおりである。
(1)原告は,平成18年4月,貸主である被告との間でマンションの賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)を賃料1か月5万8000円,保証金35万円,解約引き金30万円(以下「本件敷引金」という。),賃貸借期間2年,更新料賃料2か...
[解 説]
第1の判示事項については,建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)8条は,区分所有法7条1項に規定する管理費等の債権(①区分所有者が,共用部分等につき,又は規約若しくは集会の決議に基づき,他の区分所有者に対して有する債権,②管理者又は管理組合法人がその職務又は業...
[解 説]
1 東京弁護士会は,原告から別件訴訟の判決に基づく強制執行の申立てを受任した同弁護士会所属のA弁護士の申出を受け,弁護士法23条の2第2項に基づき,郵便事業等を行う被告に対し,債務者の郵便物の転送届の有無,転送届の転送先等を照会した(以下「本件照会」という。)が,被告は,郵便法8...
[解 説]
1 本件の事案の概要は,次のとおりである(ただし,判示事項に関連する部分に限る。)
Xは,Y1に対し,圧縮天然ガス自動車の燃料供給施設(天然ガスエコ・ステーション,以下同じ。)の高圧ガス設備工事を発注した。ところで,経済産業省は,財団法人エコ・ステーション推進協会を通じ,天然ガ...
《解 説》
1 本件は,株式会社プリンスホテル(Y1)において,そのホテルの会場(宴会場等)の使用予約などを一方的に取り消したため,平成20年2月に予定されていた日本教職員組合(X1)主催の「日教組第57次教育研究全国集会」(本件集会)の全体集会等が開催されなかったことについて,X1らが提起し...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,東京女子医科大学病院で平成13年3月2日に心臓手術を受けた女児がその3日後に死亡するという事故が起きたことに関して,手術の際に人工心肺装置を担当した医師である一審原告が,①平成14年7月2日に一審被告共同通信社がインターネット上のニュースサイトに掲載した記...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,仲裁判断により相手方に対する26億8800万NT$(新台湾ドル。日本円にして約100億円)の損害賠償及び弁護士費用等の支払を命じられた申立人が,①本件仲裁判断は申立人の防御不可能な事由に基づくものであるとして仲裁法44条1項4号の取消事由を,また,②本件仲...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告(NHK)が,被告(放送受信契約の相手方)らとの間の各放送受信契約に基づき,被告らに対し,それぞれ放送受信料8万3400円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案である。
2 本判決
(1)判示事項1について
本判決は,放送法32条及び日本放送...
[解 説]
1 本件は,発明の名称を「スロットマシン」とするXの本件特許についてYが請求した無効審判請求事件において,審決が,Xのした本件訂正を認めずに,「特許第3560605号の請求項1~19に係る発明についての特許を無効とする。」との審決をしたことから,Xがその無効審決の取消訴訟を提起し...
[解 説]
1 本件の概要は次のとおりである。(1)Bは,訴外信用金庫(合併によりXが地位を承継。以下あわせて「貸付金融機関」という。)との間で信用金庫取引約定を締結した上で,Yの信用保証を受けて金銭を借り入れた。(2)Bは,その後廃業し,同事業を,C(Bの子)が代表者を務めるA社が承継した...
《解 説》
1 本件の概要
Yは,弁護士XがA社を代理して,債権額が一部又は全部架空の債務弁済契約公正証書の作成に関与し,この債権者の名において,公正証書を債務名義とする債権差押・転付命令を得させて,A社の売掛金を回収させ,回収金をXの口座に送金させるなどの公正証書不実記載等の非違行為を行っ...
《解 説》
1 本件は,弁護士事務所の経営者弁護士Xと勤務外国人弁護士Y(Yは外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法2条3号の外国法事務弁護士ではなく同条2号の外国弁護士であり,Xが依頼者Aから受任したインドにおける国際仲裁事件を担当していた。)との報酬分配合意を巡る紛争である。従...
旧軍人として戦病死した亡夫が無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていた妻の旧恩給法72 条1 項の「遺族」としての恩給(公務扶助料)の受給権は,離婚無効の判決が確定して戸籍の訂正がされるまでの間,その権利の行使について法律上の障害があり,時効消滅しないとされた事例
《解 説》
1 昭和19年に戦病死した旧軍人Aの妻であるXは,昭和28年4月分以降の公務扶助料(恩給)の受給権を有していたが,昭和18年に亡夫AがXに無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていたため,長年にわたり公務扶助料の支給を受けられず,平成17年に至り,亡夫との協議離婚無効...