[解 説]
1 本件は,共有物分割前の土地をYと共有(持分はXが10分の2,Yが10分の8)していたXが,Yの持分について根抵当権を有していたAのYに対する貸付債権及びこれに附随する担保権等を同根抵当権の確定後に当時債権者であった者から譲り受け,これにより,上記譲受債権に係る金銭消費貸借契約...
《解 説》
1 本件は,Yの社長秘書であったAが,Yの注文と称し,Xから新幹線回数券等を大量に買い受ける本件取引をしたことから,Xが,Yに対し,有権代理又は民法110条に基づく表見代理を主張して,主位的に売掛残代金8億2940万円余の支払を求め,予備的に民法715条に基づく使用者責任として同額...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,昭和25年に公開された映画「暁の脱走」(A監督・平成19年死亡)及び「また逢う日まで」(B監督・平成3年死亡),昭和27年に公開された映画「おかあさん」(C監督・昭和44年死亡)につき,本件各映画の著作者である各監督から,その著作権の譲渡を受けたと主張する...
[解 説]
1 本件の事案の概要は,以下のとおりである。
(1)韓国人であるXら7名は,昭和20年8月6日広島市に投下された原子爆弾に被爆した。Xらは,現在居住する韓国から,代理人を通じて,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号。以下「被爆者援護法」という。なお,平...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xらは,東京証券取引所のマザーズ市場に上場されていた被告株式会社LDH(以下「被告ライブドア」という。)発行の株式(以下「ライブドア株式」という。)又は被告ライブドアの子会社であった株式会社ライブドアオート発行の株式(以下「LDA株式」という。...
[解 説]
1 本件は,一級建築士が不正な構造計算を行っていたいわゆる耐震強度偽装問題の一事例である。原告は,建築基準法上の指定確認検査機関である被告の建築確認を受けてビジネスホテル(本件ホテル)を建築したところ,本件ホテルの設計監理業者から提出された構造計算書は建築士が耐震強度を偽装したも...
《解 説》
1 本件は,マスコミ等で大きく報道されたいわゆる足利事件の再審開始決定である。
申立人は,わいせつ誘拐,殺人,死体遺棄の各罪により,宇都宮地裁で無期懲役に処せられ(宇都宮地判平5.7.7判タ820号177頁),東京高裁で控訴棄却の判決(東京高判平8.5.9判タ922号296頁),...
[解 説]
1 事案の概要
(1) 本件は,被告の開設する病院において出生したX1に脳性麻痺による後遺障害が残ったことについて,原告らが,分娩監視義務違反及びその結果としての分娩措置の義務違反を主張し,不法行為または債務不履行に基づき,損害賠償を求めた事案である。
(2)診療経過
X1...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(原告)から店舗を借り受けていたA社が民事再生法に基づく再生手続中に店舗の賃貸借契約を中途解約した後に再生手続から破産手続に移行したため,A社の破産管財人Y(被告)に対し,中途解約違約金,店舗明渡しまでの賃料相当損害金及び原状回復工事代金のいずれも破産...
1 単位労働組合の下部組織である組合支部についても,当該支部限りの交渉事項に当たるものについては,組合本部の統制に服するものの独自に団体交渉を行う権限があり,当該支部による団体交渉申入れの交渉議題は,当該支部限りの交渉事項であり,組合本部が当該支部の団体交渉権限に制約を加えていない場合には,当該支部と使用者との間の義務的団体交渉事項であるとされた事例 2 使用者には,組合支部限りの団体交渉事項について,当該支部との間で個別の団体交渉に応じる義務があり,当該支部が組合本部及び組合各支部が提示した団体交渉の議題を一括して取り上げる方式(連名方式)による団体交渉を拒否しているのに,使用者が前記方式による団体交渉に固執して実質的な交渉に入れなかった場合には,使用者が当該支部との間の団体交渉を実質的に拒否したものと評価できるとされた事例
《解 説》
1 事案の概要
本件は,「Laser Eye」の欧文字を標準文字で表し,指定商品を第9類「レーザー光照射型混入異物検査装置」とする本願商標について,指定商品に「牛乳殺菌機」を含む「レーザーアイ/LASER EYE」なる登録商標(引用商標)と類似するという理由で,商標法4条1項11...
《解 説》
1 中央労働委員会は,原告が,被告補助参加人からの平成15年1月6日付け団体交渉申入れにおける団体交渉議題のうち,原告の東京支店に係る組織再編に関する事項について,同申入れから平成16年1月26日までの間,原告の提案する団体交渉の方式に固執して,被告補助参加人との団体交渉に実質的に...
《解 説》
1 事案の概要
被告が,原告の商標「忠臣蔵」(本件商標)に係る商標登録のうち,指定商品「米,脱穀済み大麦,食用粉類,強化米」についての「不使用」を理由とする当該登録の取消しを求めて審判請求をしたところ,特許庁は,使用の事実が認められないとして,当該登録を取り消す旨の審決をした。
...
《解 説》
1 本件は,いわゆるコンビニ強盗の事案である。2名が負傷したところ,各傷害につき,強盗致傷罪の「致傷」に当たるかが争われた。
2 本判決が認定した各傷害の成傷機序は次のとおりである。
まず,店員Aの傷害は,レジカウンター内で被告人ともみ合っていた経営者Bが,被告人から取り上げたカ...
〔解 説〕
1 事実経過の概要
原告は,発明の名称を「基板処理装置及び基板処理方法及び基板の製造方法」とする特許(以下「本件特許」という。)の特許権者として登録された者(本訴の被告)を被請求人として,冒認出願を理由とする無効審判を請求した。審決は,冒認出願であることの主張立証責任を無効審判...
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の発令において、被担保債権及び請求債権から所得税等の税金や社会保険料を控除する必要はないとされた事例
[解 説]
1 本件は,結婚相手を紹介するサービスを提供する会社に会員登録した日本人である被告と同社の紹介によって知り合った中国籍を有し上海に居住する原告が,被告と婚姻予約をするに至ったが,被告が婚姻予約を履行せず,又は,不当破棄したと主張して,被告に対し,不法行為又は債務不履行に基づく損害...
[解 説]
1 本件は,被告人が,共犯者と共に,パチスロ店内で,回胴式遊技機(パチスロ機)から,いわゆるゴト行為によってメダルを窃取したという事案である。原判決の認定によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。すなわち,共犯者が,パチスロ機に針金を差し込んで誤動作させるなどの方法によって,...
《解 説》
1 本件事案の概要
Xらは,高校,短大を卒業後,昭和41年から昭和49年にかけて,A会社に事務職として採用された女性であり,昭和60年にA会社とB会社が合併し,Y会社になってからも事務職業務に従事している(ただし,訴訟提起後に退職,死亡した者もいる。)。Y会社では,合併当初から職...