株式会社の代表取締役がした重要業務執行について取締役会決議を欠くことを理由とする無効主張は,会社以外の者は原則としてできない
株式会社の取締役又は監査役の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けても,上記訴訟についての訴えの利益は当然には消滅しないとされた事例
《解 説》
1 本件は,原告が,特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(以下「特別障害給付金法」という。)に基づき,特別障害給付金の支給の申請をしたところ,処分行政庁が,傷病の初診日が確定できないとして,不支給の処分をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。
2 わが国の...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,X3(以下「X父」という。)が世田谷区長(以下「区長」という。)に対し,X父とX2(以下「X母」といい,X父と併せて「X父母」という。)との間の子であるX1(以下「X子」という。)につき住民票の記載を求める申出をしたところ,これをしない旨の応答を受け,その...
《解 説》
1 本件は,X1が,株式会社であるAから,AのYに対する過払金返還請求権(以下「本件過払金返還請求権」という。)を債権譲渡により取得したとして,同請求権に基づき,その支払を求めた事案である。本件では,X2が,その所有し運営する墓地の使用権がYに帰属しないことの確認を求めた請求に...
《解 説》
1 本件は,債務者らに対する請求債権を有する債権者が,いわゆる定額給付金を差押債権として,債権差押命令を申し立てた事案である。
2 本決定は,定額給付金給付事業の目的からすれば,定額給付金の給付を受ける権利は,一度は債務者の手元に給付されなければその目的を達し得ない債権という...
《解 説》
1 本件は,Xらが,XらをY株式会社の取締役から解任し,Y補助参加人Aほか2名を取締役又は監査役に選任することなどを内容とするY株式会社の臨時株主総会決議及びAを代表取締役に選任することを内容とする取締役会決議の不存在確認を求めた事案である。第1審係属中に,Y株式会社につき破産...
《解 説》
1 事案の概要
(1)本件は,日本法人であるX1が,同じく日本法人であるX2から,X2と韓国法人であるYとの間の商品売買契約(東京地方裁判所を管轄裁判所とする旨の管轄裁判所条項を含む。)の買主たる地位の移転を受けたところ,Yから納品された商品(ダイアリー及びタオル)に瑕疵があった...
《解 説》
1 本件は,平成10年7月,和歌山市内で,自治会主催の夏祭りに際して提供されたカレーに猛毒の亜砒酸を大量に混入し,同カレーを食した住民ら67名を急性砒素中毒にり患させ,うち4名(自治会の会長及び副会長〔各男性〕と,女子高校生及び小学生の男児)を殺害したが,その余の63名について...
個人業務委託契約を締結しているカスタマーエンジニアは,会社の事業組織の中に組み入れられており,その労働力の処分につき会社から支配監督を受け,これに対して対価を受けていると評価できるから,労組法上の労働者にあたるとされた例
[解 説]
本件は,住宅設備機器の修理事業を全国的に展開する株式会社(X社)が,同事業に従事するカスタマーエンジニア(以下「CE」という。)を組合員とするZ1,Z2組合からの団体交渉申入れに対するX社の対応が不当労働行為に当たるとした中央労働委員会の不当労働行為救済命令の取消しを求めた事案で...
[解 説]
1 本件は,いわゆる建物のサブリースにおいて,建物所有者とサブリース業者との間のサブリース契約が期間満了により終了する際に,建物所有者が行った更新拒絶の適否が問題となった事案である。
X社は,平成3年10月3日,A社及びB社との間で,本件建物のうちX社使用部分を除く部分(本件賃...
住民訴訟弁護士報酬請求訴訟最高裁判決 1 地方自治法(平成14 年法律第4 号による改正前のもの)242 条の2 第7 項にいう「相当と認められる額」の意義及び算定基準 2 地方自治法(平成14 年法律第4 号による改正前のもの)242 条の2 第7 項にいう「相当と認められる額」についての原審の認定判断に違法があるとされた事例
《解 説》
1 事案の概要
本件は,適格消費者団体(消費者契約法〔以下「法」という。〕13条参照。)である原告が,貸金業を営む事業者である被告に対し,被告が,借主である消費者との間で金銭消費貸借契約を締結する際に使用し,又は使用するおそれがある契約条項が法10条に該当し無効であると主張して,...
《解 説》
1 本件は,最高裁において,建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)70条の憲法29条適合性が判断された事案である。
2 区分所有法70条は,一定の要件を満たした場合,いわゆる団地管理組合の集会において,団地内の全建物を一括して取り壊し,新たな建物を建築するという決議ができ...
《解 説》
1 平成14年の改正前の地方自治法242条の2第7項(以下「旧7項」)は,当時の同条1項4号の住民訴訟(以下「旧4号住民訴訟」),すなわち住民が普通地方公共団体に代位して損害賠償を請求する訴訟等を提起し勝訴した場合において,弁護士に報酬を支払うべきときは,当該普通地方公共団体に...
間接強制金の不当利得返還請求事件 保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において,当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,不当利得返還請求をすることの可否