[解 説]
本件は,原告らの二男A(17歳)が,D女(15歳)との交際をめぐって,先輩B(20歳)から,場所を移動しつつ行われた暴行により死亡したことについて,原告らが,Bの友人で,Bによる暴行の各現場に同行していた被告(Bと同学年)に対し,Bとの事前の共謀による共同不法行為又は信義則上Bの...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,「電話番号情報の自動作成装置」の発明に係る特許権(平成8年10月9日出願,平成19年8月17日設定登録。特許番号第3998284号。以下この特許を「本件特許」といい,この特許権を「本件特許権」という。)の特許権者である。被告は,被告装置(その構成について...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,和歌山県内の警察署において未決勾留中のAが死亡したのは,戒具の使用方法等に係る教養を受けていない留置担当官らによる違法な戒具使用があったためであるなどとして,Aの相続人等であるXらが,国及び和歌山県に対して損害賠償を求めた事案である。
Xらは,国家賠...
不動産の形式上の共有名義人から根抵当権設定登記を得た者が民法94 条2 項の類推適用を主張したが,当該不動産の不動産登記簿には抹消予告登記がされており,民法94 条2 項類推適用の前提となる虚偽の外観が存在しないと判断された事例
《解 説》
1 愛知県青少年保護育成条例(以下「本件条例」という。)は,図書類を販売する自動販売機についての届出義務を課すとともに,有害図書類の自動販売機への収納を禁じ,自動販売機に収納された有害図書類についての撤去義務を課している。
2 Xは,愛知県内に多数設置した無人小屋の内部に通信制御販...
《解 説》
1 本件は,係争地の真の所有者であるXが,係争地の登記上の所有(共有)名義人であったAB夫婦から根抵当権設定登記を得ていたYに対し,根抵当権設定登記の抹消登記手続を求めた事案である。
X・B両名の亡父の遺言執行者が係争地の共有名義人であったABに対し,真正な登記名義の回復を原因と...
《解 説》
1 本件は,東京都(Z)の住民であるXが,公営住宅である都営住宅A団地の入居者で組織するA自治会及び自主管理委員会が,事業主体であるZの許可を受けることなくA団地の敷地内に駐車場所を設け,これを入居者に割り当てて自家用車を駐車させ,会費という名目で1台当たり年額2万5000円を...
《解 説》
1 本件は,いわゆる耐震強度偽装事件において,建築主であるXが,建築されたビジネスホテル(本件建築物)につき,構造設計を担当した一級建築士Aによる耐震強度の偽装のため,法令で定められた基準の耐震強度が不足し,本件建築物を建て替えざるを得なくなったとして,①県(Y1)に対し,本件...
《解 説》
1 本件(控訴審の審判対象)は,A市の住民(X)が,A市長(Y)に対し,平成11年4月から平成15年12月までの間にA市の恩賞随意契約制度(本件恩賞制度。優良工事等選定委員会において選定された優良工事を施工した請負業者を表彰して,随意契約の締結権を付与し,指名競争入札によらずに...
《解 説》
Y1は,日刊新聞を発行する株式会社であり,日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律(以下「日刊新聞法」という。)に基づき,定款で「事業関係者」以外への株式譲渡を禁止している。X1は,Y1を退職後,社友として,Y1の株式5590株を保有していたが,友人...
《解 説》
1 本件は,別件の覚せい剤取締法違反で起訴されて,大阪拘置所に勾留されていた被告人(当時30歳の男性)が,同房の被害者(当時56歳の男性)に対し,居室内の折り畳み机を投げ付けて,その顔面を手けんで数回殴打するなどの暴行を加え,同人に加療約3週間を要する傷害を負わせたものとして,...
借地人が借地上に建てた建物とその借地の隣接地上にある建物がその障壁を除去する等の工事により一棟の建物となった場合には,民法244 条の類推適用により,工事前にあった二棟の建物は附合し,各建物の所有者が共有する建物となった場合において,借地人が,当該工事を認識し認容していたことをもって,隣接地上にある建物の所有者に対し,借地権の一部を譲渡し,又は当該借地の一部を転貸したものといえ,民法612 条による土地賃貸借契約の解除が認められた事例
《解 説》
1 本件は,Y社の有する商標(指定商品は被服等)の無効不成立審決に対する審決取消訴訟であり,Y商標の商標法4条1項15号,7号該当性が争点となった事案である。
すなわち,Y社は,Indianの文字とインディアンの絵を組み合わせた商標を登録出願したが,X社は,Y社のこのような行為が...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,一部高架式の道路の設置を内容とする都市計画事業(以下「本件道路事業」という。)の事業地の周辺住民である原告らが,愛知県知事が都市計画法63条1項に基づいて施行者である名古屋市に対してした本件道路事業に係る事業計画の変更認可が違法であるとして,その取消しを...
《解 説》
1 X(一審原告,被控訴人兼控訴人)は,昭和43年に名古屋大学理学部物理学科を卒業してY(一審被告,控訴人兼被控訴人)に入社し,平成14年8月31日までYに在職した。
本件訴訟は,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条(以下「旧35条」という。)3,4項に基づき,XがY...
《解 説》
1 本件事案の概要
X(1968年4月生まれの外国人男性)とY(昭和49年7月生まれの日本人女性)は,平成6年9月に結婚し,2男1女をもうけたが,平成17年8月に協議離婚した。Yは,平成17年3月ころから,2人の男性と交際をしたり,肉体関係を持ち,このことを知ったXに対し,同年8...
《解 説》
1 本件は,愛知県瀬戸市の住民である原告らが,瀬戸市発注に係る9件の公共工事につき,各工事を落札した建設業者ら(以下「本件落札業者ら」という。)が他の入札参加業者らと談合して受注調整をしたことにより,本件落札業者らが不当に高い価格で各工事を落札し,これによって瀬戸市に損害が生じたに...
《解 説》
1 事実経過
本判決は,磁気活水器(浄水器とは異なる。水道水を「活性化」させると宣伝されている器具である)を巡っての名誉毀損事件に関するものである。本判決によれば,事実経過は,概ね,次のとおりとなる。
① かつて「ダイポール」という商品名の1個29万円もの磁気活水器が,マルチ商...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告らが,①a被告靖國神社及び被告国に対し,被告靖國神社による原告らの近親者である本件戦没者の合祀行為等により,原告らの人格権が侵害され精神的苦痛を受けたとして,また,①b被告国による被告靖國神社に対する情報提供行為が被告靖國神社の合祀という違法行為の...