《解 説》
1 本件事案の概要
AとXは,平成2年5月,Bから,Y1が施工,Y2が設計・工事監理をして,同年2月に新築した建物(本件建物,9階建ての賃貸マンション)を買い受けた(ただし,平成14年6月に,競売により,第三者に売却された。)。本件建物には,廊下,床,壁のひび割れ,はりの傾斜,鉄...
三菱長崎造船所じん肺事件第2 審判決 造船所やその下請会社などで稼働していた労働者がじん肺に罹患したことにつき,造船所経営会社の安全配慮義務違反が認められた事例
《解 説》
1 本件は,Y(一審被告)が経営していた三菱長崎造船所において稼働したXら(従業員及びその遺族。一審原告)が,Yの安全配慮義務違反によってじん肺に罹患したとして,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案である。
1審判決は,Xらのうち3名の請求をいずれも棄却し,その余の...
《解 説》
1 本件は,Yクリニックで近視矯正のためにレーシック手術を受けた後,遠視化(術後遠視)が生じたXが,医師らに説明義務違反があるなどとして,Yクリニックを開設する医療法人Yに対し,債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき損害賠償を請求した事案である。
レーシック手術とは,角...
アルゼンチンで発生した日本人運転者の交通事故により日本人同乗者が死亡した交通事故についてアルゼンチン法を準拠法とした上で,アルゼンチン民法を適用して損害賠償額を算定することは公序に反するとして,その適用を排除した事例
《解 説》
1 本件事案の概要
Yと一緒にアルゼンチンを旅行していたA(昭和56年8月生まれの大学卒の女性)は,平成17年9月,Yが運転する自動車に同乗していたとき,自動車が横転し,車外に投げ出される事故(本件事故)に遭い,死亡した。アルゼンチン民法では逸失利益,精神的損害も損害と定めて...
[解 説]
1 本件は,交通事故により,尿失禁を伴う高次脳機能障害等の後遺障害(自賠責後遺障害等級別表第一の第2級1号)が残存したXが,加害車両である原動機付自転車(以下「本件原付」という。)の運転者であるY1及びその三男であり自賠責保険等の名義人であるY2に対して損害賠償請求をするとともに...
第三者の不法行為によって生じた事故を原因として被害者に支給された労災保険の休業給付及び障害一時金を,第三者の被害者に対する損害賠償債務についての遅延損害金に充当することの可否
《解 説》
1 本件事案の概要は,以下のとおりである。
Xは,平成10年4月にYの現業職員として採用され,平成18年7月からY環境森林部の技術員として勤務していたが,平成19年9月6日午前4時30分ころ,酒気帯び運転で検挙され(本件酒気帯び運転),罰金20万円に処せられた。Yは,近時,飲酒運...
《解 説》
1 交通事故によって傷害を負ったXは,加害車両の運転者であるY1に対しては民法709条により,加害車両の保有者であるY2に対しては自動車損害賠償保障法3条に基づき,損害賠償を求めた。
ところで,本件においては,Xに対し,自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の保...
株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じた時は持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例
《解 説》
1 被告群馬県は,被告国が日本全国の道路上に設置,管理する自動車ナンバー自動読み取りシステム(以下「Nシステム」という。)に,原告が所有し,使用していた軽自動車(以下「本件車両」という。)が実際には盗難車両等の手配車両でないにもかかわらず,手配車両に該当する旨の誤った登録を行った。...
《解 説》
1 Y1社は,日刊新聞の発行を目的とする株式会社であって,定款により,株式の譲渡には取締役会の承認を要すると定めるとともに,日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律(以下「日刊新聞法」という。)1条に基づき,同社の株式譲受人は事業に関係のある者に限る...
[解 説]
本件は,原告らの二男A(17歳)が,D女(15歳)との交際をめぐって,先輩B(20歳)から,場所を移動しつつ行われた暴行により死亡したことについて,原告らが,Bの友人で,Bによる暴行の各現場に同行していた被告(Bと同学年)に対し,Bとの事前の共謀による共同不法行為又は信義則上Bの...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,「電話番号情報の自動作成装置」の発明に係る特許権(平成8年10月9日出願,平成19年8月17日設定登録。特許番号第3998284号。以下この特許を「本件特許」といい,この特許権を「本件特許権」という。)の特許権者である。被告は,被告装置(その構成について...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,和歌山県内の警察署において未決勾留中のAが死亡したのは,戒具の使用方法等に係る教養を受けていない留置担当官らによる違法な戒具使用があったためであるなどとして,Aの相続人等であるXらが,国及び和歌山県に対して損害賠償を求めた事案である。
Xらは,国家賠...
不動産の形式上の共有名義人から根抵当権設定登記を得た者が民法94 条2 項の類推適用を主張したが,当該不動産の不動産登記簿には抹消予告登記がされており,民法94 条2 項類推適用の前提となる虚偽の外観が存在しないと判断された事例