《解 説》
1 一審被告たる被控訴人Aと被控訴人Bは,特許第2835325号(本件特許)の特許権者であるところ,一審被告である被控訴人Cに対し,本件特許につき専用実施権を設定する旨の専用実施権設定契約を締結したが,特許原簿に専用実施権の設定登録はなされなかった。その後,Cは,一審原告たる控...
1 学校設置条例(昭和39 年大阪市条例第57 号)の一部を改正する条例(平成20 年大阪市条例第86 号)の制定によって養護学校が廃止されたことが,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例 2 相手方がした養護学校の廃止が,その裁量権の範囲を超え,又はこれを濫用したものということはできず,違法であるとはいえないとして,行政事件訴訟法25 条4 項の「本案について理由がないとみえるとき」に該当するとされた事例
[解 説]
1 本件は,Yらが,貸金業者の登録のないいわゆるヤミ金融の組織として,Aに対して2回にわたり合計3万2160円を交付し,債権回収を口実に過酷な脅迫を行った結果,Aに2か月足らずの間に合計34万3195円を支払わせ,A及びその夫B並びにAの兄Cを,自殺以外にYらの取立てから逃れる方...
[解 説]
1 本件は,佐賀県(以下「県」という。)の住民であるXらが,県の平成5年度から平成9年度の複写機リース会社に対する複写機使用料に係る支出の一部6億4433万6000円が複写機使用料名下に水増しされた違法な支出であるとして,①地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告人が,インターネット上のホームページ内において,直営店のほか多数のフランチャイズ店を有し飲食業等の事業を展開する被害会社がカルト集団である旨記載した文章や,同社が会社説明会の広告に虚偽の記載をしている旨の文章を掲載して不特定多数の者に閲覧させたとして,...
《解 説》
1 本件は,土地区画整理法に基づく仮換地の指定後に定期借地権及び事業用借地権の設定を受け仮換地においてテーマパーク事業等を営んでいたXに対し,当該土地区画整理事業の施行者であるYが,当該仮換地を借地権の目的となるべき宅地とした上,当該借地権(定期借地権及び事業用借地権)の価額につい...
《解 説》
1 Aは,Yが開設・運営する病院に勤務する形成外科医であり,平成14年及び平成15年に職場内において実施された定期健康診断を受診し,胸部X線検査を受けたが,異常を指摘されなかった。Aは,平成16年にも定期健康診断の一環として胸部X線検査を受けたところ,異常陰影を指摘され,後日肺がん...
《解 説》
1 本件は,相手方が,学校設置条例により設置する特別支援学校(以下「本件学校」という。)を平成21年3月31日限り廃止することなどを内容とする上記学校設置条例を改正する条例(以下「本件条例」という。)を制定したため,本件学校の児童生徒及びその保護者らが,相手方が本件条例を制定し...
《解 説》
1 法人税法(以下「法」という。)は,使用人に対する賞与に関し,平成10年法律第24号による改正前は賞与引当金の規定を置いていたが(54条1項),同改正により同法から上記規定が除かれ,他方で,平成10年政令第105号により,法人税法施行令中に使用人賞与の損金算入時期についての規...
《解 説》
1 本判決は,村上ファンド・インサイダー取引事件の控訴審判決である。
原判決が認定した事実は本判決において引用されているとおりであるが,原判決は,被告人がライブドアからニッポン放送株の大量買集めに関するインサイダー情報を聞きながらニッポン放送株を買い付けた,との事実を認定し,...
《解 説》
1 本件は,元横綱で貴乃花部屋を運営するX1,妻であるX2が,週刊誌「週刊新潮」を発行するY1,その代表取締役であるY2,週刊新潮編集長であるY3に対し,週刊新潮にXらの名誉を毀損する内容の計5本の記事(本件記事)が掲載されたことにより損害を被ったと主張して,Y1,Y3に対し民...
《解 説》
1 Xは,Yから代金3150万円で宅地として買い受けた土地(面積41.81m2)を代金3700万円でAに売却した。ところが,Aが上記土地の地中調査を行ったところ,地表から1.5mの深さの位置に鉄筋コンクリート製の井戸蓋が敷設されており,その下に,直径1.35m,深さ約6.6mの井戸...
《解 説》
1 本件事案の概要
AとXは,平成2年5月,Bから,Y1が施工,Y2が設計・工事監理をして,同年2月に新築した建物(本件建物,9階建ての賃貸マンション)を買い受けた(ただし,平成14年6月に,競売により,第三者に売却された。)。本件建物には,廊下,床,壁のひび割れ,はりの傾斜,鉄...
三菱長崎造船所じん肺事件第2 審判決 造船所やその下請会社などで稼働していた労働者がじん肺に罹患したことにつき,造船所経営会社の安全配慮義務違反が認められた事例
《解 説》
1 本件は,Y(一審被告)が経営していた三菱長崎造船所において稼働したXら(従業員及びその遺族。一審原告)が,Yの安全配慮義務違反によってじん肺に罹患したとして,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案である。
1審判決は,Xらのうち3名の請求をいずれも棄却し,その余の...
《解 説》
1 本件は,Yクリニックで近視矯正のためにレーシック手術を受けた後,遠視化(術後遠視)が生じたXが,医師らに説明義務違反があるなどとして,Yクリニックを開設する医療法人Yに対し,債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき損害賠償を請求した事案である。
レーシック手術とは,角...
アルゼンチンで発生した日本人運転者の交通事故により日本人同乗者が死亡した交通事故についてアルゼンチン法を準拠法とした上で,アルゼンチン民法を適用して損害賠償額を算定することは公序に反するとして,その適用を排除した事例
《解 説》
1 本件事案の概要
Yと一緒にアルゼンチンを旅行していたA(昭和56年8月生まれの大学卒の女性)は,平成17年9月,Yが運転する自動車に同乗していたとき,自動車が横転し,車外に投げ出される事故(本件事故)に遭い,死亡した。アルゼンチン民法では逸失利益,精神的損害も損害と定めて...