《解 説》
社会保険労務士である被告(反訴原告)は,平成18年9月27日,リース業者である原告(反訴被告)との間で,電話機のリース契約(本件リース契約)を締結した。このリース契約は,原告と提携リース契約を締結している電話機販売会社のA社の従業員が原告のリース契約関係書類を持参して被告宅を訪...
黒澤映画DVD事件 旧著作権法の下で製作・公表された映画について,その著作者である映画監督の実名を表示して興行された著作物であり,同法6 条にいう団体名義の著作物には当たらないとして,著作権の存続期間の満了が否定された事例
《解 説》
1 事案の概要
黒澤明監督の作品である「静かなる決闘」及び「羅生門」(本件映画)の著作権者である一審原告が,本件映画のDVDを輸入販売している一審被告に対し,著作権法112条に基づき差止め及び廃棄を求めたのに対し,一審被告が本件映画の著作権は存続期間の満了により消滅したとして...
《解 説》
1 日本商品先物取引協会(日商協)の会員(商品取引所法〔以下「法」という。〕2条18号の商品取引員)であるA社は,平成19年9月7日,破産手続開始決定を受け,原告がその破産管財人に就任した。原告は,被告(銀行)に対して,A社が被告に開設していた普通預金口座(以下「本件口座」とい...
《解 説》
第1 事案の概要
新築分譲用マンション(一棟の建物)の全区分所有建物23室(以下「本件各建物」という。)について担保不動産競売の申立てをした差押債権者が,本件各建物をその所有者から一括して賃借したとして,第三者への転貸を開始した抗告人に対し,民執法55条1項2号の保全処分(公示...
別居中の妻が夫に対して婚姻費用の分担を申し立てた場合において妻と同居している未成年者の子に対する実質的な監護費用に相当する部分を除いた妻自身の生活費に相当する部分の申立てが権利の濫用として許されないとされた事例
《解 説》
1 本件の事案は,おおむね次のとおりである。
原告は,平成14年12月当時,Y1の設置管理している中学校1年2組の生徒であったが,同月20日午前7時42分ころ,1年2組の教室内で,同じクラスの生徒であったY2から,自在箒を投げつけられ,その結果,右眼を損傷し,視力低下,視野欠損,...
《解 説》
1 事案の概要
被告信越放送株式会社(Y1)の記者であったAは,平成16年3月7日,長野県木曽郡南木曽町の国道19号線で発生した交通事故を取材するため,被告中日本航空株式会社(Y2)所属のヘリコプター(以下「本件ヘリコプター」という。)に搭乗して事故現場に赴く途中,本件ヘリコ...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,Yに対し,金銭を貸し付けたとして,貸金の返還を請求して本件訴訟を提起した。Yは,これに対し,自分は保証人にすぎず,真実の借主は契約書上保証人とされているZであると主張した。これに対し,Xが,Yに対し,保証債務の履行を求める訴えを選択的に追加したところ,Y...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,開発区域周辺に居住する原告らが都市計画法(以下「法」という。)29条1項に基づく開発許可の取消し等を求めた事案である。本件の争点は,開発許可処分についてのいわゆる第三者の原告適格の有無であり,原告らは,開発許可処分について,①法33条1項7号(崖崩れ),②...
《解 説》
1 大東市は,平成19年3月31日付けで退職する非常勤職員に対し,総務部長Aの専決による支出負担行為,人事課長Bの専決による支出命令に基づき,退職慰労金238万1650円を支払い,また,同年7月31日付けで退職する非常勤職員に対し,人事課長Cの専決による支出負担行為及び支出命令...
《解 説》
1 本件は,地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟である。大阪府茨木市は,公営住宅法に基づき建設された市営住宅を所有,管理している。茨木市は,市営住宅条例において駐車場に関する特別な規定を設けていなかったものの,車社会の進展や社会状況の変化を踏まえ,30年以上前から,...
《解 説》
1 本件事案の概要
平成17年3月23日:破産会社X(以下「X」という。)は,有限会社Y(以下「Y」という。)と本件建物について,期間を10年間,賃料月額2100万円(前月末日支払)とする定期建物賃貸借契約を締結し,保証金として2億円を支払った。同契約には,保証金について賃借...
《解 説》
1 本件は,Y(都)において,その区域内で発見されたダイオキシン類による土壌の汚染の除去に関する公害防止事業につき,Xが公害防止事業費事業者負担法(以下「負担法」という。)3条の規定する「当該公害防止事業に係る公害の原因となる事業活動」を行った事業者に当たると認定して,Xに対し,平...
《解 説》
1 Aは,平成9年12月,脳出血のため入院して右片麻痺及び失語症と診断され,平成10年7月にいったん退院した。Aは,平成15年8月,肺がんのため再入院していたところ,同年9月,入院先の病院内において口のきけない者が秘密証書によって行う遺言の方式により,その所有する財産一切を妻で...
《解 説》
1 本件は,平成15年(基準年度)1月1日現在の本件土地所有者(前所有者)が,同年度の固定資産課税台帳登録価格が不当に高額であるとして,Y(委員会)に対し審査の申出をしたところ,Xが,同年6月23日に前所有者から本件土地を買い受けて,地方税法(法)433条11項・行政不服審査法...
《解 説》
本判決は,「音素索引多要素行列構造の英語と他言語の対訳辞書」との名称の発明につき,請求不成立とした拒絶査定不服審判の審決を取り消したものである。
本願発明は,綴りが分からなくても発音から単語を検索できる英語辞書を引く方法の発明である。すなわち,英語は綴りと発音のズレが大きく,...