《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,平成18年度新司法試験の受験者である原告が,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。)13条に基づき,法務大臣に対し,上記試験における自己の労働法の答案及び当該答案を採点した考査委員が付した素点が記載された文書の開示を請...
《解 説》
1 訴外Aは,平成11年4月4日ころ,訴外Bに対し,自己の死亡を原因として,その所有に係る本件不動産を贈与した。 Bは,平成15年3月29日に死亡し,その相続人であるXがその地位を承継したが,Aは,平成19年4月7日に死亡したため,Xは,Aの相続人であるYに対し,本件不動産につ...
《解 説》
1 本件事案の概要
(1) 原告は,発明の名称を「安定な低抵抗コンタクト」とする特許(本件特許。請求項の数は55である。)の特許権者である。A社は,原告に対し,本件特許のうち請求項40,43に係る特許について無効審判請求をしたのに対し,原告は本件特許のうち請求項36,40及び...
《解 説》
1 Xは,自宅においてくも膜下出血を発症し,Y病院において,前交通動脈に存在する破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術を受けた(第1手術)。術後,脳血管撮影によって,上記動脈瘤が残存しており,右前大脳動脈が閉塞していることが判明したことから,Xに対し,再手術が実施されたところ(第2...
《解 説》
1 本件は,音楽著作権を管理し,音楽の利用者から音楽著作物使用料を徴収してこれを著作権者に分配することを主たる目的とする社団法人であるXが,雑誌社Y1が発行・販売する週刊誌(以下「本件雑誌」という。)に「日本音楽著作権協会(ジャスラック) 使用料1000億円の巨大利権 音楽を食...
《解 説》
1 事案の概要
Xらの子である亡Aは,Y1に雇用され,Y2の工場内において,高さ90cm足場面積40cm四方の作業台の上に立ってライン上を流れる缶の蓋を検査する作業(検蓋作業)に従事していた。ところが,亡Aは検蓋作業に従事している際に,作業していた作業台から転落し工場床面に頭...
《解 説》
1 本件患者は,交通事故後に痙性斜頚(頚筋の不随意な収縮による頭部の偏位を特徴とする神経疾患)の症状を呈し,先端的な医療を実施するY病院(総合病院)の脳神経外科において,平成5年に副神経に対するアドリアシン注入術(神経の末梢線維に抗悪性腫瘍剤のアドリアシンを注入し,神経核に輸送...
《解 説》
Xらは,平成15年12月にその共有に係る土地及び建物を譲渡し,平成16年2月に代金授受を行い,平成16年分所得税として確定申告した上で,当該譲渡したことに伴い譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を所得税法69条1項の規定に従い他の各種所得の金額から控除すべきであるとして更正の...
造船工場における造船作業中の若年労働者が壁板と定盤に挟まれて圧死し た事故につき,雇用会社と元請会社の安全配慮義務違反による損害賠償責任が認められた事例
《解 説》
1 Xは,平成6年4月,金型の製造を業とするA会社に入社し,岐阜市内の工場で放電加工の作業に従事していたところ,平成14年1月2日,非番であったが,夜勤を命じられた弟Bとともに出社したところ,Bの夜食が手配されていなかったため,Bの依頼により自転車で近くのコンビニエンスストアに...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大阪府公安委員会がぱちんこ店を営業する訴外株式会社に対し,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)9条1項に基づいて営業所拡張の承認等をしたことから,近隣住民である原告らが,上記承認等は,風営法4条2項2号に違反すると主...
《解 説》
1 本件は,東京都の石原知事らのガラパゴス諸島への海外出張及びアメリカ合衆国への海外出張に係る各支出は,人事委員会との協議を経ずに旅費の増額が行われており,職員の旅費に関する条例の規定に違反して違法であるなどとして,東京都の住民である原告が,被告東京都に対し,地方自治法242条...
証券取引法(平成16年法律第97号による改正前のもの)17条に定める損害賠償責任の責任主体は,同法による発行者等に限定されないとした例
[解 説]
1 本件は,不実の目論見書等の使用者の損害賠償責任について定めた証券取引法17条(平成16年法律第97号による改正前のもの。以下「法」という。)の責任主体の範囲が問題となった事案であり,事実関係の概要は次のとおりである。
(1) Xは,コール資金の貸借又はその媒介等を営む株式会...
《解 説》
本件は,高校2年生の女子Xが母Aの交際相手であるYから乗用車内でわいせつ行為を受けたか否かが主たる争点となった事案である。Xの主張は,Yが乗用車内で左手をXのスカート内に入れた上,その指をX着用のスパッツの内側にこじ入れ,さらにパンティーの中に指を入れて直接Xの陰部を触るなどの...
《解 説》
X(大正14年3月生)は,昭和63年6月と平成2年2月に交通事故に遭い,同3年7月,頸髄症による下肢筋力の低下,痙性,歩行困難を理由に身体障害者福祉法別表第2級該当との診断を受けた。Xは,同5年9月,Y病院を受診し,A医師の診察を受け,同年10月14日,Y病院に入院し,同月27...
《解 説》
1 原告は,ビルの清掃業務等を営む株式会社であるが,原告の従業員(経理部長)であったAが,平成9年から同16年までの間,正規の外注費の金額に架空外注費の金額を上乗せして原告の決裁を受け,架空外注費分の金員を原告から詐取していたのに,原告はこれに気付かず,平成16年4月の税務調査...