《解 説》
Xはホストクラブ等を経営する会社であり,平成14年7月期(本件事業年度)の法人税についてY税理士を代理人として確定申告をしたところ,平成17年3月に至り,税務署長より平成13年8月以降の青色申告の承認を取り消す旨通知され,修正申告をして増加した税額を納付したほか,重加算税を賦課...
《解 説》
1 本件は,銀行が作成するいわゆる自己査定資料について文書提出命令の申立てがされ,同文書が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」(いわゆる自己利用文書)に当たるかどうかが問題となった事案である。
本件の基本事件は,原告らが,その取引先のメインバ...
《解 説》
1 本件は,被告人が,その運営するインターネットのアダルトサイトにアクセスしてきた被害者らに対し,利用料金が発生したなどと偽って被告人の管理する預金口座に現金を振り込ませて騙し取った振込め詐欺の事案と,その際,振込み先の預金口座について第三者名義のものを使用し,詐取金員の取得に...
《解 説》
1 Y1の従業員であるY2の運転するタクシーは,転回禁止区域において転回したことにより,後方から進行してきたY3の運転する車両と衝突した(本件事故)。上記タクシーに乗車していたXは,本件事故後,外傷性頸部症候群,頭部打撲,左胸部打撲等と診断されて,長期にわたって治療を受けたが,...
《解 説》
1 本件は,相続財産の全部を換価してその費用等を控除した全額を第三者に遺贈する旨の清算型包括遺贈(雨宮則夫=石田敏明編著『遺産相続訴訟の実務』335頁参照)がなされた場合に,遺言執行者は遺留分を有しない法定相続人に対して相続財産目録の交付義務や執行状況等の報告義務を負うか否か,...
(①事件)最高裁第三小法廷平成19年12月4日決定(平18(許)45)(②事件)最高裁第三小法廷平成19年12月4日決定(平19(許)3)
《解 説》
1 本件は,原告は,強姦致傷事件の被害に遭ったとして,米軍基地憲兵隊事務所を通じて,警察署に被害を申告したが,初動捜査に従事した警察官らは,被害者である原告の尊厳を確保して捜査を実行しなければならない義務を負っているにもかかわらず,その義務を履行せず,原告に精神的苦痛を与えたと...
《解 説》
1 Xは,平成9年9月,自動車運送事業等を業とするY社に入社し,トラック運転の業務に従事していたところ,平成11年7月19日,荷物の荷卸し作業中に腰に激痛を感じたため,7月22日から,N病院等に入通院して治療を受けたが,腰椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄の後遺障害が残り,労災等級...
《解 説》
1 ①事件の事案の概要は,次のとおりである。
Aは,Y所有の土地(本件土地)とこれに隣接するZ所有の土地(本件隣接土地)をそれぞれ賃借し,両土地にまたがって建築されている建物(本件建物)を所有していたが,本件建物は競売に付され,Xが,本件建物を競売により買い受けた。
Xは,...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,訴訟上の救助の決定(以下「救助決定」という。)を受けた者(以下「受救助者」という。)の全部敗訴が確定し,かつ,受救助者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合において,裁判所が,受救助者の資力回復等を要件とする民訴法84条に基づく救助決...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告は,T社の執行役員であり,被告は,もと同社の社員であったところ,被告は,原告からセクハラ行為を受けたとして,原告及びその使用者であるT社を被告として,連帯して1000万円の損害賠償を求める訴えを提起した(別件訴訟)。
(2) 補助参加人(新聞社)...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 事実関係
XとAは,共有の土地(持分各2分の1)を有料駐車場として賃貸している者であるが,平成15年10月29日,Bに対し,Bとのオートローン契約(以下「本件オートローン契約」という。)に基づきYに所有権が留保されている自動車(以下「本件車両」という...
《解 説》
1 本件は,会社の大株主である原告と会社経営陣が,それぞれ取締役及び監査役の選任議案を提出し,経営権を争ういわゆるプロキシーファイトを行ったところ,株主総会では会社側提案が可決されたのに対し,株主側が,株主総会における決議の方法の違法を主張して,決議の取消しを求めた事案である。...
現況調査報告書及び評価書に目的不動産がシロアリ被害を受けている旨の記載がない場合において、当該損傷が軽微であるといえるかどうかを判断するために、売却許可決定取消申立てを却下した原決定を取り消して、事件を原審に差し戻した事例
《解 説》
1 本件は,競売手続で買い受けた建物にシロアリ被害が生じていたとして,その買受人であるXが,民事執行法188条の準用する同法75条所定の「損傷」を理由に,売却許可決定の取消しを申し立てた事案である。
2 本決定の前提となる事実関係として,Xが買い受けた本件建物に,その被害程度はとも...
《解 説》
1 本件は,日本道路公団(平成17年10月1日に分割民営化される前のもの。以下「JH」という。)の理事である被告人が,①JHの理事兼技師長や副総裁を務めていたA,JHのOBで甲社の顧問であるB及び甲社など鋼橋工事会社47社(以下「本件47社」という。)の担当者らと共謀の上,JH...
《解 説》
1 事案の概要
X(被上告人)は,採石業等を目的とする株式会社である。Xは,鹿児島県出水郡東町獅子島所在の採石場において岩石の採取を行うことを計画し,鹿児島県知事に対し,岩石の採取計画の認可の申請をしたが,知事は,汚濁水の流出による漁業被害が懸念されるとして,採取計画の認可を...
《解 説》
1 本件は,Yが発行した新聞紙上に,警視庁はX1が「テロ資金」を海外へ送金するための地下銀行を営んでいた疑いがあるとみて捜査しているなどの記事(以下「本件記事」という。)が掲載されたことについて,X1及びX1が代表取締役を務める株式会社X2が,本件記事により名誉を毀損されたと主張し...