《解 説》
1 本件は,建築中のマンション(以下「本件建築物」という。)の敷地周辺に居住する等の原告らが,本件建築物に係る開発行為非該当確認及び同確認についての京都市開発審査会の裁決,並びに,建築確認及び建築確認についての京都市建築審査会の裁決が違法であるとしてその取消しを求めて(以下「本...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,神奈川県に在住するがん患者である原告が,被告(国)に対し,インターフェロン療法(保険診療)に活性化自己リンパ球移入療法(自由診療)を併用する療養を受けた場合であっても,インターフェロン療法については健康保険法(以下「法」という。)に基づく療養の給付を受...
《解 説》
1 本件は,インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許権を有するXが,Yの輸入販売するインクジェットプリンタ用インクタンク(Y製品)について,Xの特許の特許発明の技術的範囲に属するとして,Yに対し,その輸入,販売等の差止め及び廃棄を求めた事案である。Y製品は,Xが我が国で...
《解 説》
1 本件は,裁定取引を主とする株式売買のトレーダーとして自宅において稼働していた原告(フランス人男性)が,処分行政庁に対し,原告の子であるAにつき,保育所への入所申込みをしたところ,処分行政庁から,保育所入所を承諾しない旨の処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,被告に対...
《解 説》
1 X(控訴人)は,貸金業者Y(被控訴人)に対し,利息制限法所定の上限の利率を超過して支払った利息(以下「超過利息」という。)を元本に充当する引き直し計算をすると過払金が発生していると主張し,主位的に不当利得(過払金)の返還を求めるとともに,予備的に,Yの違法行為(受領権限のな...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,被告人が,共犯者と共謀の上,覚せい剤等を輸入又は譲渡することを業としたという国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反,関税法違反等の事案である。
弁護人の主張は多岐に...
《解 説》
本件は,被告から温泉井戸の掘削工事を請け負った原告が,被告に対し,工事残代金の支払いを請求し(本訴),被告は,原告が掘削した井戸は,湧水の温度及び成分に問題があるため,瑕疵があるとして契約を解除する意思表示をし,請負代金の既払部分の返還(予備的には,債務不履行に基づく損害賠償)...
《解 説》
1 本件は,暴行罪で起訴された被告人が,その一審公判で証言した証人の女性に対し,公判係属中,不安,困惑の念を生じさせる文言を記載した文書を郵送して閲読させたという行為について,証人威迫罪の構成要件該当性が争われた事案である。刑法105条の2は「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若...
マンションの区分所有者が管理費及び修繕積立金を滞納し続けた行為が,建物の区分所有等に関する法律6 条1 項の定める共同利益背反行為に当たり,かつ,他の方法によっては当該行為による区分所有者の共同生活上の著しい障害を除去してその共同生活の維持を図ることが困難な場合であるとして,同法59 条1 項に基づく競売請求が認められた事例
《解 説》
本件は,マンションの管理組合の管理者が管理費等を滞納した区分所有者の区分所有権について建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)59条1項に基づく競売請求をした事案である。
本件マンションの区分所有者である被告は,かねてから管理費及び修繕積立金を滞納していたことから,...
《解 説》
1 相続した無利息債務の評価について
最三小判昭49.9.20民集28巻6号1178頁,判タ313号252頁(昭和49年判決)は,相続債務の評価に関し,それが確定金銭債務の場合であっても,額面金額が当然に当該債務の相続開始時における課税価格算出の基礎となるものではなく,その利...
《解 説》
1 本件決定は,被告人が,隣に居住する被害者とトラブルになり,所携の果物ナイフで同人を多数回突き刺すなどしたが,殺害の目的を遂げなかったという殺人未遂被告事件において,被告人の捜査段階における供述の任意性が争われ,検察官による取調べ状況を一部撮影したDVD(以下「本件DVD」と...
《解 説》
1 本件は,X(昭和5年7月生)がY(奈良県)が設置するA病院に入院中にベッドから転落して後遺障害を負った事故について,A病院医師及び看護師に転落防止措置等に関する注意義務違反があったとして,XがYに対し損害賠償を請求した事案である(他に,傷害保険契約に基づいて保険会社に対する...
《解 説》
1 本件は,港湾運送事業や倉庫業等を営む被告会社の代表取締役等であった被告人5名において,被告会社が,千葉市内の借地において保管中の,いわゆる硫酸ピッチ入りのドラム缶約6000本(以下「本件ドラム缶」という。)の処理を,下請会社の代表者であるWに委託したところ,そのうち361本...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,Yの執行役員を平成12年6月から4年間務めたXが,Yに対し,その内規である執行役員退職慰労金規則(同15年1月1日施行のもの。以下「旧規則」という。)所定の金額の退職慰労金の支払が明示的又は黙示的に執行役員就任契約における合意の内容となっていた...
《解 説》
Xは個人で印刷画工を業として行っていた者であるが,平成15年12月8日と同16年6月1日の2回にわたり,通信機器の販売会社Aの社員Bを通じてリース会社Yとの間で通信機器(「タイコーソルボーネ」という事務所用電話の主装置及び電話機)のリース契約を締結した(ただし,各契約の内容及び...
《解 説》
本件は,集合債権譲渡担保契約の権利者Xを国税徴収法24条の第二次納税義務者として国Yにより債権差押えがされたが,XとYとの間においてXの譲渡担保契約の第三者対抗要件が及ぶ範囲とYによる充当の適否が争われた事案である。その事実関係は,およそ次のとおりである。
Xは平成15年4月...