《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X1ないしX6の6名(以下「Xら6名」という)は,Y会社O支店に勤務しているものである。Xら6名はS労働組合O支部(以下「本件組合」という)に所属し,活動している組合員である。本件組合は少数派組合であるところ,本件組合及びXら6名は,平成元...
《解 説》
本件は,Yが開設する甲病院(総合病院)において麻酔科の医師として勤務していた女性A(当時28歳)が自殺したことにつき,Aの両親であるXらが,Yに対し,自殺の原因は,甲病院における過重な業務によってAがうつ病を発症し,これを増悪させ,さらにうつ病発症後もYが適切な処置を執らなかっ...
1 被告らが主張する,一般人の感覚からは公表を好まない事実も含めて 積極的に公表していた人物と婚姻し,さらに当該人物が原告との婚姻の経 緯や婚姻生活などのプライバシーを詳細に公表していたなどという事実を 前提としても,名誉毀損の被害者と主張する者において,不貞行為を行っ たという摘示事実についてまで公開を容認したことにはならないとされた事例
2 ある人物の社会的評価を低下させる記事について,被告らが主張する 取材経緯に照らして,その内容が真実であるとか,真実であると信じるに つき相当の理由があったとはいえないとされた事例
《解 説》
1 本件は,YがHDD事業部門について商法(平成17年7月26日法律第87号による改正前のもの。以下「旧商法」という。)上の会社分割(新設分割)を行った際,旧商法373条により設立する会社(設立会社)へ承継される営業(承継営業)に含まれるとして分割計画書に記載された労働契約の労...
《解 説》
1 本件は,当時82歳の小柄な女性であるAが,Yの経営する病院で,右大腿骨頚部骨接合術(患部を切開し,骨折部位をエンダー釘で固定するもの,本件手術)を受けた際に,急性循環不全に陥って死亡した事故について,Aの遺族であるXが,Yに対して,損害賠償訴訟を提起したものである。
事実...
《解 説》
本件は,未決勾留日数の裁定算入に関する問題であり,一般論としていうと,勾留されている甲事実で起訴され,勾留されていない乙事実で追起訴があった後,両事実を併合して審理する決定があり,審理の結果,甲事実を無罪,乙事実を有罪とする判決を言い渡すに当たり,無罪となった甲事実による未決勾...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告世界基督教統一神霊協会(以下「被告統一協会」という。),被告統一協会の支配下にあって被告統一協会による組織的な違法資金獲得活動に従事していた会社であって,被告玉置祥子(以下「被告玉置」という。)が代表取締役を務める被告株式会社グローバルビューティー(以下...
《解 説》
1 本件は,夜間高速道路において自動車を運転中に自損事故を起こし,避難のため車外に出た運転者が,後続車によりれき過されて死亡したことにつき,自家用自動車保険契約普通保険約款の搭乗者傷害条項における死亡保険金の支払事由に該当するか否かが問題となった事案である。
2 Aは,夜間高...
《解 説》
本件は,旅客列車が,停車すべき駅に停車せず通過したことに関し,その列車に車掌として乗務していた被告人が,運転士に連絡し,あるいは非常スイッチを用いて非常停止させるなどして,同列車を同駅に停車させるべき職務上の義務を怠り,同列車が高速度のまま同駅を通過するのを放置した過失により,...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,滋賀県警察本部(以下「滋賀県警」という。)が平成10年度ないし平成15年度に支出した捜査費等に係る個人名義の領収書のうち実名ではない名義で作成されたもの(以下「本件領収書」という。)について,滋賀県情報公開条例の定める非開示事由の存否が争われた事案で...
《解 説》
1 本件は,国が日米安保条約に基づき米軍の使用する施設及び区域としてアメリカ合衆国に提供している横田飛行場の周辺住民である原告らが,米軍機による騒音等により受忍限度を超える被害を被っていると主張して,国に対し,米軍の航空機の飛行差止め等と過去及び将来の損害賠償を請求したいわゆる...
《解 説》
1 Xは,平成15年当時,Z医科大学の講師であり,解剖学教室に所属していたが,同年5月22日の月例教室会議において,主任教授であるYから,Xの研究の価値及び教育活動を一切否定するような発言をされ,また,同年6月19日の教室会議において,Xを討論会から排除する旨の発言をされた。
...
《解 説》
1 訴外A(昭和39年生)は,平成17年2月2日に自殺したが,同年1月31日付遺言状を作成し,「私の財産と生命保険等によって受け取る金員の全ては3人の子供の養育の為のみに使用して下さい。右金員の管理は,北川家に(広島)よって行なわれるものとして下さい。」との遺言(以下「本件遺言...
《解 説》
1 事案の概要
フリーランスの写真家であるXは,Yからの依頼に基づき,Yが発行する雑誌の特集記事のテーマに従って,同記事掲載用に撮影を行い,その写真をポジフィルムの形で,Yに納品した。Xは,Yにおいて,雑誌掲載後に,保管していたX撮影の写真の一部をデジタルデータ化して,当該デ...