《解 説》
1 X(昭和33年生)は,平成2年4月に三重県立高校の教諭として採用され,平成15年4月からは県立A高校の教諭として勤務していたものであるが,平成15年9月5日午前2時ころ,飲酒の上で自動車を運転し,信号待ちのために停車していた自動車に追突して運転者に傷害を負わせる事故を起こし...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,商標法(以下「法」という。)8条2項に規定する協議や,同5項に規定するくじの実施がなされずに登録に至った場合に関する無効不成立審決の取消訴訟である。すなわち,被告が有する「ガンバレ!受験生」との商標(以下「Y商標」という。)は,訴外Z 社が有する「がん...
《解 説》
1 本件事案の概要
Xはクリーニング業者であり,通常のもののほかに追加料金で「オゾン&アクアドライ」という方法のドライクリーニングをしていた。Y1が発行する甲週刊誌(本件雑誌)の担当記者は,Xの元従業員Y2からの情報提供をきっかけに,取材を行い,①「オゾン&アクアドライ」の注...
《解 説》
1 本件①,②事件は,いずれも中国人を原告とする戦後補償事件である。①事件は,全国各地に訴訟が係属した中国人強制連行事件の1つ(広島訴訟)であり,第二次世界大戦中に中国から日本国内に強制連行され被告(西松建設)の下で強制労働に従事させられたと主張する原告らが,被告に対し,安全配...
《解 説》
Xの夫A(昭和26年10月生)は,B社において食品関連設備の設計に従事していたが,平成11年8月2日,関連企業であるC社への出向を命じられ,単身赴任した。AのC社における職務は,設備係として機械のメンテナンス及び修理が中心であったところ,Aは同年12月15日,自殺した。Xは,労...
《解 説》
1 本件は,村田町(Y)が実施する指名競争入札の参加資格を有する建設業者ら(Xら)が,平成15年4月から平成17年1月までの間,恣意的に,Yが発注する建設工事の指名を回避されたとして,Yに対し,国家賠償法1条1項に基づき,指名を受けていたならば得べかりし利益相当額の損害賠償等を...
《解 説》
1 本件事案の概要等
被告人は,知人女性から,交際している男性とトラブルになっているという相談をたびたび受けていた。本件当日も,被告人は,同女から相談を受け,普通乗用自動車を運転して同女宅の様子を見に出かけた。その際,被告人は,同女の交際相手が乗車している普通乗用自動車を発見...
《解 説》
本件は,7歳(小学1年)の女児Aが,歩道上を子供用自転車(18インチ)に乗って走行中,Y1方の生け垣が歩道上に張り出して生い茂っている付近で車道上に転倒し,走行して来たY2運転の貨物自動車(2トントラック)に轢過されて死亡した事故につき,Aの両親であるXらが,Y1,Y2,貨物自...
《解 説》
1 本判決は,覚せい剤等の規制薬物の密売を業としたことに係る麻薬特例法違反幇助の事案において,「幇助犯が得ていない薬物犯罪収益を幇助犯から没収・追徴することはできない」と判示して,幇助犯から没収・追徴可能な薬物犯罪収益の範囲について,これまでの高裁判例とは異なる判断を示したもの...
《解 説》
1 本件は,いわゆる1億円ヤミ献金事件に関する控訴審判決である。
2 本件事案の概要は,次のとおりである。被告人は,C党の一派閥の会長代理の地位にあったものであるが,政治団体であるその派閥の会計責任者と共謀の上,派閥が別の政治団体から1億円の寄附を受けたにもかかわらず,それを...
《解 説》
1 Yの前身である動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)が建設し,運転していた高速増殖炉もんじゅ(以下「もんじゅ」という。)において,平成7年12月8日,ナトリウム漏れ事故が発生した(以下「本件事故」という。)。動燃の職員であったAは,本件事故に関するビデオ隠し問題に...
《解 説》
本判決は,未成熟の子がある有責配偶者の離婚請求を原判決を取り消して認容するに当たり,慰謝料と養育費に関する一部和解をしたほか,控訴審において子の監護についての離婚した場合の影響の有無につき,家庭裁判所調査官による事実の調査をした事例である。判断の内容のみならず,人事訴訟の手続の...
《解 説》
1 本件は,退去命令を受けたX(パキスタン国籍)が,Y(国)に対し,その法務大臣がしたXの異議の申出に理由がない旨の裁決ないし退去強制令書発付処分の取消しを求めた事案である。
Xが退去命令を受けたのは,本件以前に退去を強制されたことがあるためであったところ,Xの主張によれば,...
《解 説》
Xはオペラ歌手として,平成11年以降,新国立劇場を経営するY財団法人との間で期間1年の契約メンバー出演基本契約を締結し,これに基づき,個別公演出演契約を締結していたが,Yから平成15年7月末日をもって契約関係を終了し,次シーズンの契約メンバー出演基本契約を締結しないと通知された...
《解 説》
1 本件は,Xらが,その所有する土地につき,A市長によって都市計画法56条1項の規定に基づく買取りがされたとして,租税特別措置法33条の4第1項(平成12年法律第13号による改正前のもの。)所定の「収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除」の適用があることを前提に,所得税の確定申...
《解 説》
1 本件は,幼少時,被害者から性的暴行を受けたことを理由に,同人を深く恨み,それから10年以上が経過した後に,研磨した模造刀を携えて被害者方に侵入し,被害者及びその実父を殺害した上,実母をも殺害しようとしたものの,全治4ヶ月間の傷害を負わせたに止まり,未遂に終わったという殺人,...
《解 説》
1 本件は,Y町の住民であるX(原告)が,A県市町村振興協会(被告補助参加人)においてA県から交付されたサマージャンボ宝くじの収益金を県内の市町村に配分することなく内部に留保していることが違法であるなどと主張して,Y町長(被告)に対し,地方自治法242条の2第1項3号,4号に基...
《解 説》
1 Aは,建築コンサルタント業社Bの土木技師であり,数多くの海外赴任経験を有していたが,平成11年4月からは,ODA事業の施工監理のため,セントヴィンセントに単身赴任し(ホテル暮らし),現地で施工管理業務に従事していた。現地には,会社関係者はA以外にはおらず,現地に滞在する邦人...
《解 説》
1 本件は,隣家同士のトラブルが険悪化する中,隣家の夫が隣家の主婦を猟銃(散弾銃)で狙撃して,同女を殺害した上,その義妹にも重傷を負わせた事件(本件事件)につき,亡主婦の夫らである原告らが,栃木県公安委員会が発砲加害者に銃所持を許可した(本件許可処分)のは違法であった等と主張し...