《解 説》
1 事案の概要
(1) 川崎市は,かわさき港コンテナターミナル株式会社(以下「訴外会社」という。)が第三セクター方式で設立されるに際して,複数の金融機関との間で,各金融機関の訴外会社に対する融資について,各金融機関が損失を被った場合には,その損失を補償する旨の協定(以下「本件...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被害者と交際していた被告人が,被害者から別れ話を持ち出されていたところ,被害者に考え直すように迫ったものの拒絶されたため,殺意をもって,その頚部を強く絞め付けて失神させることを数回にわたって繰り返し,被害者が急激に失神した様子を見て死亡したものと誤信し...
《解 説》
1 A(男性)は,国鉄に勤務し,国鉄退職後は厚生年金保険適用事業所に勤務したことから,国鉄共済組合組合員及び厚生年金保険被保険者の地位を有していた者であり,同人は死亡直前に,通算老齢年金,老齢厚生年金及び退職年金の支給を受けていた。Aの死亡に伴い,Aの重婚的内縁関係にあった原告...
《解 説》
1 本件は,原告が,北海道の北広島市情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき,本件条例所定の実施機関である北広島市教育委員会に対し,被告が過去に実施した北広島市芸術文化ホールの管理業務委託(以下「本件業務委託」という。)に係る指名競争入札の予定価格調書(以下「本件各文書...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,米国法人インテル・コーポレーションから,日本の子会社であるインテル株式会社の取締役Xに付与されたストックオプションの権利行使益に関し,平成11年分の所得税に係る更正及び過少申告加算税賦課決定(本件賦課決定)の適否が争われた事件である。原審は,この権利行...
《解 説》
1 Xは,昭和41年9月*日生まれのミャンマー人の男性であるが,平成3年3月31日,新東京国際空港に到着し,他人名義の偽造旅券を用いて本邦に不法に上陸し,その後,引き続き本邦に不法に在留していたが,同15年11月17日,平成16年法律第73号による改正前の出入国管理及び難民認定...
1 アセチレンガス切断機を用いた作業に起因する火災について、作業員に重過失があったとして、類焼家屋の所有者ないし居住者からの不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
2 家財道具の焼失による損害額の算定につき、民事訴訟法248条が適用された事例
(東京地裁平18.11.17判決)
《解 説》
1 事案の概要
原告は,新潟県情報公開条例(以下「本件条例」という。)5条に基づき,新潟県警察本部長に対して,「凶悪重大犯罪等に係る出所情報の活用について」(以下「本件文書」という。)と題する文書の公開請求を行ったが,同本部長は,本件文書のうち,①決裁欄中の「係長」の印影は,...
《解 説》
1本件は,誤って併合罪関係にある事実を追加する内容の訴因変更請求をした場合に,その訴因変更請求を刑訴法254条1項の「公訴の提起」と同視できるかが問題となった事案である。
被告人は,詐欺,恐喝未遂,出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成11年法律第155号に...
《解 説》
1 本件は,弁護士2名(Y1,Y2)に対し,元の依頼者である2社(X1,X2)が,弁護士に預託した金員が費消・領得された旨主張し,不法行為や債務不履行に基づき損害賠償を請求したところ,その一部が認容されたという事案である。
2 事実関係は次のとおりである。Y1は,X1会社から...
《解 説》
1 本件の職権判示に係る事案の概要は,次のようなものである。
すなわち,被告人は,格闘技イベントの企画及び興行等を目的とする株式会社Kの経営者で,同社の法人税を逋脱する行為をしていたところ,国税犯則調査を受けるに至り,これによる逮捕や処罰を免れるため,知人のAに対応を相談した...
《解 説》
1 事案の概要
本件の事案の概要は以下のとおりである。
患者は,平成13年5月22日,被告病院において,大腸癌の摘出手術(低位前方切除術)を受けた。患者の大腸癌の進行度は,ステージⅣ(脳転移あり)であり,切除術による根治は到底望めなかったが,差し当たり大腸の閉塞により摂食不...
《解 説》
1 本件は,日本航空株式会社の客室乗務員として勤務していたXが,日本・香港間の国際線に乗務するため滞在していた香港のホテルにおいて,脳動脈瘤の破裂に起因するくも膜下出血(以下「本件疾病」という。)を発症し(以下「本件発症」という。),療養及び休養したことから,Yに対し,労働者災...
《解 説》
1 本件は,A(東京都八王子市)から工事の施工等につき委託を受けたB(財団法人東京都新都市建設公社)が発注した土木工事の入札に際して,Y1Y12(いわゆるゼネコン各社,被告ら)が談合した結果,受注予定者があらかじめ合意され,入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたで...
《解 説》
1 本件は,Yら3名が,Y3の自宅で共に飲酒をした後,Y1の運転する自動車で近所の飲食店に向かう途中でAをはねて死亡させたが,そのまま逃走したという交通事故に関し,Aの両親(相続人)であるX1及びX2が,Y1に対しては不法行為又は自賠法3条に基づき,同乗者であるY2及びY3に対...