《解 説》
1 本件事案の概要
Xは,平成3年12月に相続が開始したAの相続人であり,平成4年6月,所轄のB税務署長に対し,ほかの共同相続人とともに,相続財産である東京都渋谷区内にある土地の一部(本件土地・本件物納申請財産。この土地の一部には分譲マンションが建てられており,Aの共同相続人...
《解 説》
1 本件は,被控訴人・控訴人(被告)が運営していた私的年金制度である酒販年金制度(本件年金制度)に関し,控訴人・被控訴人(原告)が,その亡夫と被告との間で締結され,原告が亡夫の年金受給権を相続した契約(第1契約)と,原告自身が被告との間で締結された契約(第2契約)について,一時...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは,広告代理店を業とする会社である。Xは,1984年4月,Yに入社し,2002年1月以降,業務部次長として同部の業務に従事していた。ところで,Yにおいては,2001年9月,旧賃金規程に代えて,いわゆる成果主義賃金体系を基礎とする新賃金制度...
《解 説》
1 災害補償給付の要件である公務起因性(業務起因性)があると認められるためには,公務(業務)と疾病との間に事実的因果関係(条件関係)のみならず相当因果関係のあることが必要であるところ,基礎疾患,素因等の他の要因と公務が競合して疾病の発症に至った場合における相当因果関係の有無の判...
《解 説》
1 本件は,被告(大阪府知事)が,建築基準法43条1項ただし書に基づき,訴外Aに対し,A所有の敷地(以下「本件敷地」という。)上の建築物についてした,いわゆる接道義務を免除する旨の許可(以下「本件許可」という。)につき,その敷地に隣接する土地を所有し,かつ,本件敷地の近隣に居住...
《解 説》
1 本件は,家裁により,叔母A(成年被後見人)の成年後見人に選任されて,その財産管理等の業務に従事していた被告人が,保管中のA所有の現金を着服横領したという業務上横領の事案である。
2 本件の争点は,親族相盗例の適用の有無である。すなわち,刑法255 条,244条2項によれば...
《解 説》
1 本件は,遺言者とされる亡Aの妻Xと,亡AとXとの間の長男Yとの争いで,家庭裁判所において検認された自筆証書によるAに係る遺言(本件遺言)の無効確認を求めた事案である。本件遺言に係る自筆証書は,カレンダーの裏面に書かれた書面と封筒から成り,(1)書面には,遺言者の署名及び押印...
《解 説》
1 本件は,原告X2が,処分行政庁に対し,喉頭軟化症等のために気管切開手術を受けてカニューレ(のどに開けた穴に常時装着して気管への空気の通り道を確保する器具)を装着している長女の原告X1(平成12年生まれ。本件処分当時4歳6か月。)につき,保育園入園申込みをしたところ,処分行政...
《解 説》
第1 本件事案の概要
1 本件は,Y1が経営する認可外保育施設(以下「本件保育施設」という。)に通園していたX1及びX2らの子A(当時2歳)が,平成12年2月18日,Y1から同園内で暴行を受けた結果死亡したことについて,Xらが,Y1及びY2(神奈川県)に対し損害賠償を求めた事案...
《解 説》
1 本件は,住吉税務署長が,原告が破産管財人個人に対して支払った破産管財人の報酬及び原告が破産者の元従業員らに対して配当した退職金等について,破産者に対して源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分をしたのに対し,原告が本件各処分に係る納税義務が存在しないこ...
《解 説》
被告人は同室の被害者(結果的には被害者ではなかったのであるが,便宜上このようにいう。)から現金とビール券を盗んだとして起訴され,被告人は一貫して身に覚えがないと主張していたが,原審は,被害者が虚偽の被害申告をしたとは考えられず,供述内容に不自然なところはなく,関係者の供述とも符...
《解 説》
1 事案の概要
控訴人らの母であるC子は,乙男と1941年に婚姻の届出をし,その旨韓国の戸籍に記載された。その後,乙男は1948年に済州島4・3事件に巻き込まれ行方不明となった。そこで,C子は,1949年に甲男と知り合って,乙男と正式の離婚手続を経ないまま,甲男と事実上の結婚...
《解 説》
1 本件は,被告が三味線用バチに付していた標章(「金色の六角形の中に『一枚甲』という文字を縦書きした」シール)が,「バチ」を指定商品とする「一枚甲」なる原告の商標権を侵害しているとして,原告が被告に対し損害賠償を求めた事案である。被告は,(1)原告の商標と被告の標章が類似しない...