《解 説》
1 本件は,被告(大阪府知事)が,建築基準法43条1項ただし書に基づき,訴外Aに対し,A所有の敷地(以下「本件敷地」という。)上の建築物についてした,いわゆる接道義務を免除する旨の許可(以下「本件許可」という。)につき,その敷地に隣接する土地を所有し,かつ,本件敷地の近隣に居住...
《解 説》
1 本件は,家裁により,叔母A(成年被後見人)の成年後見人に選任されて,その財産管理等の業務に従事していた被告人が,保管中のA所有の現金を着服横領したという業務上横領の事案である。
2 本件の争点は,親族相盗例の適用の有無である。すなわち,刑法255 条,244条2項によれば...
《解 説》
1 本件は,遺言者とされる亡Aの妻Xと,亡AとXとの間の長男Yとの争いで,家庭裁判所において検認された自筆証書によるAに係る遺言(本件遺言)の無効確認を求めた事案である。本件遺言に係る自筆証書は,カレンダーの裏面に書かれた書面と封筒から成り,(1)書面には,遺言者の署名及び押印...
《解 説》
1 本件は,原告X2が,処分行政庁に対し,喉頭軟化症等のために気管切開手術を受けてカニューレ(のどに開けた穴に常時装着して気管への空気の通り道を確保する器具)を装着している長女の原告X1(平成12年生まれ。本件処分当時4歳6か月。)につき,保育園入園申込みをしたところ,処分行政...
《解 説》
第1 本件事案の概要
1 本件は,Y1が経営する認可外保育施設(以下「本件保育施設」という。)に通園していたX1及びX2らの子A(当時2歳)が,平成12年2月18日,Y1から同園内で暴行を受けた結果死亡したことについて,Xらが,Y1及びY2(神奈川県)に対し損害賠償を求めた事案...
《解 説》
1 本件は,住吉税務署長が,原告が破産管財人個人に対して支払った破産管財人の報酬及び原告が破産者の元従業員らに対して配当した退職金等について,破産者に対して源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分をしたのに対し,原告が本件各処分に係る納税義務が存在しないこ...
《解 説》
被告人は同室の被害者(結果的には被害者ではなかったのであるが,便宜上このようにいう。)から現金とビール券を盗んだとして起訴され,被告人は一貫して身に覚えがないと主張していたが,原審は,被害者が虚偽の被害申告をしたとは考えられず,供述内容に不自然なところはなく,関係者の供述とも符...
《解 説》
1 事案の概要
控訴人らの母であるC子は,乙男と1941年に婚姻の届出をし,その旨韓国の戸籍に記載された。その後,乙男は1948年に済州島4・3事件に巻き込まれ行方不明となった。そこで,C子は,1949年に甲男と知り合って,乙男と正式の離婚手続を経ないまま,甲男と事実上の結婚...
《解 説》
1 本件は,被告が三味線用バチに付していた標章(「金色の六角形の中に『一枚甲』という文字を縦書きした」シール)が,「バチ」を指定商品とする「一枚甲」なる原告の商標権を侵害しているとして,原告が被告に対し損害賠償を求めた事案である。被告は,(1)原告の商標と被告の標章が類似しない...
《解 説》
1 本件は,Y の開設する病院において,髄膜腫の摘出術を受けた際に生じた急性硬膜下血腫のために死亡したA(本件事故当時69歳。主婦)の遺族であるXらが,Yに対し不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。
Xらが主張した担当医師Bの過失は,①髄膜腫摘出術の必要性,危険性等につ...
《解 説》
1 本件は,検察官から最高裁判所に刑訴法8条2項の審判併合が請求され,これが認容された事例であり,この種事件の最高裁判所の決定例としては,最一小決昭55.7.17刑集34巻4号229頁,判タ421号73頁(富山・長野連続誘拐殺人事件に関する審判併合決定。以下「昭和55年決定」と...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,ぱちんこ店を営業するAに対し,大阪府公安委員会が,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)及び大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和34年大阪府条例第6号。以下「本件条例」という。)に違反して...
《解 説》
1 本件は,徳島県の旧木屋平村の発注する公共工事の指名競争入札に昭和60年ころから平成10年度まで継続的に参加していた建設業者(X)が,同11年度から同16年度までの間,村長から違法に指名を回避されたと主張して,国家賠償法1条1項に基づき,合併により木屋平村の地位を承継した美馬...
登録自動車を目的とする民法上の留置権による競売において民事執行法 181条 1項 1号所定の「担保権の存在を証する確定判決」に該当するための要件
《解 説》
1 Xは,強制執行妨害被告事件の被告人であるAの弁護人に選任された弁護士であるが,Aと接見するため名古屋拘置所を訪れたところ,当日,Aが関税法違反被疑事件により逮捕される予定であり,そのため名古屋地検に押送されていることを知り,両事件の捜査主任検察官であったB検事に対し,名古屋...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,鉱泉浴場等(以下「本件各施設」という。)を経営する株式会社(町が発行済株式総数の9割を所有するいわゆる第三セクターである。)であるところ,平成12年4月1日から同13年3月31日までの間,同年4月1日から同14年3月31日までの間及び同年4月1日から同...