《解 説》
1 本件は,新潟市(旧新潟県豊栄市)の住民である原告が,地方公共団体の一部事務組合である豊栄郷清掃施設処理組合が被告日立造船株式会社との間で締結したごみ処理施設増設工事請負契約は,被告日立造船株式会社(以下「被告日立造船」という。)を含む入札参加業者らが談合した結果,被告日立造...
《解 説》
1 本件は,小型貨物自動車(本件車両)を運転して高速道路である関越自動車道を走行中に関越トンネル入口の壁面(本件トンネル壁面)に衝突(本件事故)して脳挫砕により死亡(即死)したAの相続人であるXら(Aの妻及び子2名)が,Aが損害保険会社であるYと締結していたAを被保険者とする事...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被控訴人(被告)Y(東京都)が東京都内に設置していたA産院(以下「本件産院」という。)において,昭和33年4月10日に新生児を分娩した控訴人(原告)X1,同人の夫である控訴人(原告)X2及び戸籍上両名の子として出生届がされている控訴人(原告)X3の3名...
《解 説》
1 本件は,暴行被告事件について,被告人が,自閉症により非常に多岐にわたるコミュニケーション障害を有する上,中等度精神遅滞があるため,知的能力によってコミュニケーション障害を補うことができず,刑事裁判の構成員の役割や黙秘権について理解しているとは認めがたいこと等に照らすと,被告...
《解 説》
Yは,冷凍食品の受注,会員宅への配送及び集金を主な業務とする有限会社である。Xは,平成6年7月20日にYから雇用され,配送員として,自己の担当するコース内に居住する会員宅に冷凍食品を配送し,代金を集金する業務を行っていたが,平成15年12月27日,Yから解雇の意思表示(本件解雇...
《解 説》
1 本件は,刑訴法411条2号(刑の量定の甚だしい不当)による原判決破棄の事案である。事件は,祖父母が次女の下から当時3歳の孫を自宅に連れ戻した未成年者誘拐であり,1審判決で祖父母両名がいずれも実刑に処せられ,両名からの控訴を棄却した控訴審判決が職権で破棄されて執行猶予が付され...
《解 説》
1 事案の概要と争点
本件は,類型証拠開示(刑訴法316条の15)に関する裁定請求棄却決定に対する抗告審決定である。本案は,被告人が自宅で3歳の被害児童に対しその母親と共に虐待を加えて死亡させたという傷害致死の事案である。原審では22回の公判が開かれた後に期日間整理手続に付さ...
《解 説》
1 特許法(平成16年法律第79号による改正前のもの。以下同じ。)35条3項は,同条1項所定の職務発明について,特許を受ける権利を使用者に承継させた従業者は,相当の対価の支払を受けることができる旨を定めている。
Xは,Yの従業員であった当時,職務発明として,レーザー光を利用し...
《解 説》
本件は,交差点で91歳の女性歩行者Xと25歳の女性歩行者Yが衝突し,Xが負傷した事故について,第1審判決(東京地判平18.6.15判タ1241号143頁)がYの注意義務違反を認めて779万円余(3割過失相殺後)の損害賠償を命じたのに対し,本件控訴審判決がYの注意義務違反を否定し...
《解 説》
1 本件は,インクジェット記録装置用インクタンクに関する特許権(本件特許権)を有する原告が,原告製造販売に係るインクタンクが一度使用された後にインクを再充填されるなどして製品化されたものを被告が輸入し,販売している行為が,上記特許権を侵害するとして,被告に対し,上記行為の差止め...
《解 説》
1 本件は,医療法人である原告が,県知事である被告に対し,病院開設の許可を申請したところ,被告が,医療法30条の7に基づき,病院開設中止の勧告(本件勧告)をしたことにつき,原告が,その手続に重大かつ明白な違法があるなどとして,本件勧告の無効確認を求めた事案である。
本件請求は...
《解 説》
本件は,統合失調症に罹っていた20歳の男性Aが29歳の女性Bを殺害した事件について,Bの夫X1,父母X2,X3がAの父Yに対し,民法714条1項の監督義務者の責任又は民法709 条の不法行為責任に基づき,損害賠償を求めた事案である。
原審・長崎地佐世保支判平18. 3. 29...
《解 説》
1 本件は,保険金請求権について,その相続人から譲り受けた者が,保険会社に対して,支払いを求めたところ,保険会社が,その相続人で譲渡した者が被保険者を殺害した者であることを根拠に,その支払いを拒絶する事案である。
Aは,自らを被保険者として,Yとの間で,クレジットカード付帯の...
《解 説》
1 本件は,青森県弘前市の住民である原告らが,同市議会議員11名が同市から交付を受けた政務調査費の全部又は一部の支出が違法である旨主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,被告市長に対し,違法支出額と同額の不当利得返還及び遅延損害金支払を市議会議員ら11名に対してそれ...
《解 説》
1 Xは,AのXに対する貸金債権を担保するため,自己の所有する本件不動産に譲渡担保を設定し,譲渡担保を原因としてAに対する所有権移転登記をした。被担保債権の弁済期が経過した後,Aの債権者Yが本件不動産につき強制競売を申し立て,同競売に基づく差押登記がされた。Xは,同差押登記後に...