《解 説》
1 本件は,「留学」の在留資格により本邦に在留し,大学に通学していた中国人女性である原告(1984年生)が,クラブ・ホステスとして就労中のところを出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)違反の容疑で摘発され,同法24条4号イの定める退去強制事由(同法19条1項による活動の...
《解 説》
1 本件は,中国人である被告人が,本邦に不法在留したという,出入国管理及び難民認定法違反1件と,窃盗2件の事案の検察官上告事件である。本決定の理由部分1に摘記されているとおり,被告人は,窃盗2件につき,いずれも勾留のまま起訴ないし追起訴された後,勾留されずに不法在留で追起訴され...
《解 説》
1 本件は,被告人が,約4か月の間に前後7回にわたり,同居中の内妻が自宅内の同女の金庫に保管していた現金合計725万円を,同女が不在の間に,かぎの専門業者を呼んで金庫のかぎを開けさせるなどして窃取したという事案である。
被告人は,事実関係は認めた上で,1審以来,刑法244条1...
《解 説》
1 本件は,区分所有建物であるAマンション(以下「本件マンション」という。)の区分所有者全員で構成する管理組合の管理者である原告が,本件マンションの管理組合規約(以下「管理規約」という。)又は建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)57条1項ないし昭和58年法律第51...
《解 説》
1 本件は,保険医療機関である原告が,国民健康保険法(以下「法」という。)45条5項により保険者から保険者の被保険者に対する診療報酬の審査,支払の委託を受けた国民健康保険団体連合会である被告は,原告からの診療報酬請求書(いわゆるレセプトのこと。以下「レセプト」という。)による診...
《解 説》
1 Y1は,性同一性障害者に対する医療分野における先駆的立場にある医科大学教授である医師Xに対し,診察の際のセクシャル・ハラスメント(以下「セクハラ」という。)及びこれに関して取材を受けた際の週刊誌記者に対する発言による名誉毀損,プライバシー侵害を理由とする謝罪広告掲載等請求訴...
《解 説》
X(日本人)は,平成12年分の所得税について,同年にXが所有していた韓国法人A社の株式8000株(本件株式)を同社に代金3541万3997円で売り渡したが,譲渡益については韓国で納付済みであるとして,総所得金額2221万7097円,納付すべき税額99万2100円として確定申告し...
《解 説》
地方税法73条の14第8項は,公共事業の用に供するため不動産を譲渡した者は不動産を譲渡した日から2年以内に譲渡した不動産に代わる不動産を取得した場合,不動産取得税の課税標準の算定については,譲渡した不動産の固定資産課税台帳に登録された価格に相当する額を価格から控除する旨定めてい...
《解 説》
1 本件は,平成9年11月に都銀初の経営破たんとなった北海道拓殖銀行(以下「拓銀」という。)の頭取であった被告人甲野及びその後任の被告人乙野が,頭取在職中,被告人丙野が実質的な経営者であり,かつ,実質破たん状態にある3社(以下「Aグループ」ないし「A」という。)に,十分な担保を...
《解 説》
1 本件は,損保会社であるYとの間で自動車総合保険(車両保険)契約を締結していた会社であるXが,Xの役員(X役員)が使用していたX所有の自動車(トヨタ・セルシオ,本件車両)が盗難事故(本件盗難)にあったとして,Yに対して保険金を請求した事案である。
本件車両には,盗難防止装置...
《解 説》
1 Xは,京都弁護士会所属の弁護士であるが,その外5名の弁護士とともに,A外1名(以下「Aら」という。)から,訴訟委任を受けて,貸金業等を目的とする株式会社のYを相手方として,Aらがその夫又は父である亡BからBの財産を相続により取得したことを前提に,BとYの間の金銭消費貸借契約...
《解 説》
1 本件は,被告人が,前車を後方から高速度で追い上げ,前車の運転者に,追突の恐怖を抱かせて前方の安全確認不十分なまま高速度で進行させ,交差点で,対向車線から右折進行してきた車両と衝突させ,更に自車も前車に衝突させて,対向右折車の運転者を死亡させ,前車の運転者と同乗者に傷害を負わ...
《解 説》
1 本件は,わいせつ略取又はわいせつ誘拐略取・強盗強姦4件,わいせつ略取・強盗強姦未遂3件,強姦未遂1件,窃盗3件,道路運送車両法違反1件の事案の検察官上告事件である。本決定の理由部分1に摘記されているとおり,被告人は,1審判示第8の事実と公訴事実の同一性が認められる,わいせつ...
《解 説》
1 Aは,B型肝炎から肝硬変に罹患し,C病院でY2医師の診察を受けた。同医師は,日本肝臓学会で指導的な地位にある医師であるところ,肝硬変の治療に必要な薬剤が肝硬変に対しては保険適応がなく慢性肝炎には適応があるとされていたことから,Aの経済的負担を軽減するため敢えて保険病名を慢性...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。A(被災時21歳)は,平成4年9月に保育士資格を取得し,同5年1月1日付けで,K市内において4か所の無認可保育所を設置し運営していたB幼児園に保母として採用され,同月6日から,B幼児園が運営する無認可保育所のうちの1つであるC園で保母として...
《解 説》
1 本件は,冷凍保存していた夫Bの精子をBの死亡後に用いてされた体外受精により懐胎した妻Aが出産したXが,民法787条,人事訴訟法42条1項(なお,訴え提起当時は,平成15年法律第109号により廃止される前の人事訴訟手続法32条2項,2条3項)に基づいて,Y(検察官)に対し,X...
《解 説》
1 本件は,地方自治法260条の2による認可を受けた団体である町内会(本件町内会)の会員のうちXを含む119名が,本件町内会の規約に基づき,本件町内会の総代(代表者)であるYに対し,総代等の任務満了による後任の総代等の選任の決議を目的とする臨時総会を招集することを求めて提起した...