《解 説》
1 本訴請求は,建物建築工事の注文者であるXが,請負人Aの相続人であるYらに対し,完成した建物に瑕疵があるなどと主張して瑕疵修補に代わる損害賠償請求をした事案であり,反訴請求は,Yらが,Xに対し,相続により請負契約に基づく報酬残債権(各2分の1)を取得したと主張してその支払を求...
《解 説》
1 本件は,A社が,親会社の倒産により営業の継続が困難となり,弁護士に債務整理事務を委任したところ,A社の債権者が,A社に対する求償金債権についての確定判決を債務名義として,同弁護士との間の委任契約に基づきA社が同弁護士に対して有する預り金返還請求権(本件債権)について,差押命...
《解 説》
1 本件は,原告らが,被告の発行する雑誌「Forbes日本版」(以下「フォーブス」という。)に掲載された株式会社エンジェルファンドネットワークコーポレーション(以下「AFN」という。)とのフランチャイズ契約(AFNが顧客に対し,高金利での融資先を斡旋して融資等の手続を代行し,そ...
《解 説》
1 本件は,三菱自動車車輪脱落事故として報道された事件であり,走行中の大型トラクタ(以下「本件事故車両」という。)から脱落した車輪が衝突して死亡した被害者の母である原告が,本件事故車両を製造した被告会社に対しては,本件事故車両に装用されていた被告会社製造のD型ハブ(車軸と車輪を...
《解 説》
1 X1は,本件商標(「YODEL/ヨーデル」,指定商品「薬剤」,商品の区分第1類「薬剤」(平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令別表))に係る商標権の元商標権者であり,同商標権は,その後グループ企業であるX2,X3に順次移転され,X1は本件商標の独占的使用許諾を受け...
《解 説》
1 本件は,生コンクリートの製造販売業者であるYにおいて運転手等として就業していたXらが,時限ストライキ(以下「本件ストライキ」という。)等の争議行為に対してYが行ったロックアウト(以下「本件ロックアウト」という。)の期間中の賃金を請求した事案であり,ロックアウトの正当性が争点...
《解 説》
1 本件は,冠状動脈バイパス手術を受けた患者が,術後に腸管え死となって死亡したことから,患者の相続人らが,担当医師には腸管え死を疑って直ちに開腹手術を実施すべき注意義務を怠った過失があるなどと主張して,病院の開設者の相続人らに対し,債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める...
《解 説》
本件は,被相続人A(平成13年死亡)の祭祀に関する権利の承継者を長男Y1と長女X1のいずれにすべきかが争われた事案である。原審判及び本件抗告審決定とも,双方の希望に沿い,過去帳及び仏壇についてはX1を,位牌(XらがAの死後作成したものを除く)についてはY1を権利の承継者と定めた...
《解 説》
1 平成12年法律第73号都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)による改正前の都市計画法(以下「旧都市計画法」という。)においては,市街化調整区域に関する都市計画が決定され,又は当該都市計画を変更してその区域が拡張された際,既に宅地であった土地(...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,平成7年秋にオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA。運動失調を主症状とする原因不明の神経変性疾患である脊椎小脳変性症の一つ)を発症し,平成12年8月4日永久気管ろうが造設され,平成13年4月には嚥下困難と食思不振が認められたため,胃ろうが造設された。そして,Xは...
《解 説》
1 事案
本件は,納税者Xの所得税につき,税務署で示された800万円程度の税額が550万円で済むなどと言ってXから申告の委任を受けたA税理士が,税務署に対しては,居住用資産の譲渡に係る譲渡所得が生じず,税額は0円である旨の内容虚偽の確定申告書を提出して過少申告をし,Xから受領...
《解 説》
1 本件は,土地改良区の組合員がその地区内の農地を転用目的で譲渡するに当たり土地改良法42条2項に基づき支払った決済金や土地改良施設の目的外使用に関する土地改良区の規程に基づき支払った使用負担金が,当該農地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除されるべき所得税法33条3項にいう...