《解 説》
1 事案の概要
原告は,「半導体記憶装置」という名称の本件特許権を有している。従来技術においては,ページ読み出し機能を有する半導体メモリにおいて,次ページの読み出しは先頭アドレスからスタートするものであり,連続的に読み出すときに読み出し開始アドレスを何度も入力しなければならな...
《解 説》
本件は,大学共同利用機関のA研究所に,1年任期の非常勤職員(時間雇用職員,事務補佐員)として,13年11か月にわたり勤務していたXが,次年度の任用更新を拒絶されたため,既に13回にわたり任用更新を繰り返されてきたXにとって,突然の拒絶は不当であって,解雇に関する法理の類推あるい...
《解 説》
1 本件は,家電用品,日用雑貨品等の販売を主たる業とする原告が,被告Y2発行の月刊誌において,被告Y1が執筆した,原告の店舗(以下「本件店舗」という。)で発生した放火事件(以下「本件火災」という。)につき,本件店舗の営業に関して危険な商品陳列方法を採用していた上,従業員への防災...
《解 説》
1 本件は,被告人が,共犯者と共謀の上,被害者を普通乗用自動車の後部トランクに押し込め,トランクカバーを閉めて脱出不能にして走行し,その後,仲間と落ち合うため,夜間,市街地の片側一車線の路上に停車していた際,後方から走行してきた普通乗用自動車がその運転者の前方不注視(脇見運転)...
《解 説》
1 本件は,Yが,平成16年12月17日,定期航空運送事業を営むA社に対して,航空法107条の3第1項に基づき,平成17年2月1日以降の使用に係る羽田空港についての混雑飛行場運航許可(本件許可)をしたところ,同事業を営むXが,国土交通省が新規航空会社の市場参入を促進させる目的で...
《解 説》
1 Xは,中国国籍を有する外国人であり,下記各処分を受けた時,17歳の高校1年生であった。Xは,9歳の時,Xの父(中国残留邦人の夫の実兄の子である。)が中国残留邦人の子であると偽って日本に入国した際に,妹と共に父母に連れられて来日し,被告入国審査官から上陸許可を受けて,日本に入...
《解 説》
1 Xらの子である訴外A(昭和57年生)は,平成10年7月当時,神奈川県立B高校の1年生であったが,同月25日,自宅で首吊り自殺を図り,救急車で病院に搬送されたが,同月27日,死亡するに至った。
そこで,Xらは,Aの自殺は同級生らからのいじめに起因するとした上,クラス担任のC...
《解 説》
自動車の販売業者であるXは,Y1(会社)に対し,いわゆる所有権留保特約を付して,自動車2台(本件各自動車)を売り(本件売買契約),Y2(会社の代表者)は,本件売買契約に基づくY1のXに対する債務を連帯して保証した。
ところが,Y1について,代金完済前に再生手続開始の決定がされ...
《解 説》
1 Xは,全国で衣料品店を展開する会社で,自社店舗の床材に中国産花崗岩(本件資材)を輸入して使用している。新築した建物には,不動産取得税が課されることになるが,その課税標準は,不動産を取得した時における不動産の価格であり(地方税法73条の13第1項),その価格とは,「適正な時価...
《解 説》
1 事案の要旨
本件は,Yの設置する保育園の業務に従事していた保母であるXが解雇の無効を主張して,賃金等の支払を求めた事案である。原審は,上記解雇を無効とした上,解雇により雇用契約の終了すべき日の翌日である平成11年5月19日から平成14年12月31日までの期間(本件期間)の...
《解 説》
1 本件は,民事再生手続における担保権消滅許可決定(原決定)について,消滅の対象とされた根抵当権者である抗告人が,目的財産は再生債務者である相手方の所有ではない,少なくとも相手方が登記を備えていない以上抗告人に対して所有権を対抗することができない,目的財産は相手方の事業の継続に...
《解 説》
1 本件は,Xが,Y(平鹿農業共済組合)から平成9年度~同11年度の農作物共済(水稲)に係る共済掛金及び賦課金並びにこれらに対する延滞金等について農業災害補償法87条の2第4項の規定に基づく滞納処分を受けたことを不服として,その取消しを求めた事案である。
1,2審ともXの請求...
《解 説》
1 介護保険の保険者であるY1(旭川市)は,平成14年7月12日,旭川市介護保険条例(平成12年旭川市条例第27号。平成15年旭川市条例第20号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき,第1号被保険者(市町村又は特別区の区域内に住所を有する65歳以上の者)であるX...
《解 説》
1 本件は,交通事故発生時に胎児であった者が,その事故によって,出生後に傷害を生じ,重い後遺障害が残ったとして,その者及びその者の両親が,自家用自動車総合保険契約の無保険車傷害条項に基づく保険金の請求をする事案である。
2 本件の事実関係は,次のとおりである。
(1) X2...
《解 説》
1 本件は,A社によるPCB(ポリ塩化ビフェニル)等の分解施設及びその処理物の洗浄施設の設置予定地周辺に居住するXらが,本件施設の設置により,生命,健康等に重大な悪影響を受けるおそれがあるなどとして,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)の規定に基づき,本件施設の設置許可処...
《解 説》
1 原告は,戸籍上及び生物学上の性が男性であり,内心及び身体の外形においては女性である性同一性障害者(ただし,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の審判は受けていない。)であるが,横領事件の被疑者として逮捕され,警察署付属の留置場に留置された者である。
本件...
《解 説》
X1はX2を教祖とする権利能力なき社団であるが,XらはYの発行する週刊誌平成15年5月15日号及び同年6月19日号の記事,見出し及びその新聞広告によりいずれも名誉を毀損されたとして損害賠償及び謝罪広告の掲載を求めて訴えた。第1審東京地判平17. 5. 13判タ1228号232頁...
《解 説》
本件は,インターネット上のホームページに掲載された写真(本件各写真)を,Yらが無断で自らのホームページに掲載したことが,著作権侵害(複製権侵害)であるとして,XがYらに対し損害賠償(民法709条)を求めた事案である。原審である横浜地方裁判所は,Xの請求をすべて棄却する判決をした...