《解 説》
1 本件は,当時,国会議員等に国民年金保険料の未納期間があったことが相次いで発覚し,官房長官や党代表が辞任するなど,国民年金未納問題が社会的に大きな問題となっていたところ,内閣総理大臣の秘書官であるXが,Yが発行・販売する週刊誌に掲載された,「首相秘書官の『謀略リーク』に破れた...
《解 説》
1 本件の事案は,次のとおりである。
(1) 請求の内容(一部略)
Y(会社)は,A県X市において,昭和40年代後半から50年代中盤にかけて3回にわたり,都市計画法29条所定のA県知事の同意を受けて,宅地開発を行い,道路及び公園を設置した。X市は,その敷地がY名義で登記され...
《解 説》
1 本件は,根抵当権者であり,かつ,譲渡担保権者でもあるXが,Xの根抵当権の実行としての不動産競売申立て(以下「本件申立て」という。)を却下した原原決定に対する執行抗告を棄却した原決定について,許可抗告の申立てをし,これが許可された事件である。
Xは,Xを根抵当権者とする根抵...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,Xを特許権者とする「偏光フィルムの製造法」の特許につき,平成15年法律第47号の施行(平成16年1月1日)前にされた特許異議申立てについて,特許出願の願書に添付した明細書(平成14年法律第24号による改正前の,「特許請求の範囲」を含む出願書類としての「...
《解 説》
1 本件は,Xが,弁護士であるYに対し,Xがその後吸収合併したそのグループ企業Aの元取締役ら(以下「Zら」といい,代表取締役であった中心人物を「Z」という)に対して,Yにおいて,①株主権行使妨害禁止仮処分を潜脱する違法行為(Zらによって違法に発行され,Zらの妻らに引き受けられて...
《解 説》
1 本件は,篠山市の助役が,「海軍友の会」と称する民間団体の開催する総会及び懇親会に出席した際に,市が市長交際費として1万円を支出したことが違法であると主張して,篠山市の住民である原告が,市長の職にある被告に対し,損害賠償を求めた事案である。
1審は,原告の請求を棄却したが,...
《解 説》
1 本件は,埼玉医科大学総合医療センターの耳鼻咽喉科の医師が,悪性腫瘍摘出手術後の抗がん剤治療を実施するに当たり,文献を誤読し,週一度投与すべき抗がん剤を連日投与する誤った投与計画を立て,7日間にわたり連日投与したため,当時16歳の女性患者を抗がん剤の過剰投与による副作用により...
《解 説》
1 本件は,非上場会社の相模イケダの一人株主である被告人Aが,会社の債務等の担保として,債権者(三光産業)に全株式を譲渡担保に供したが,その後,議決権等の株主共益権については自己に留保されているとして,債権者に断りなく臨時株主総会を開催して取締役等の解任,選任を行った旨の議事録...
《解 説》
1 Yは,医薬品,栄養製品,飲料等の製造,販売等を業とする株式会社であり,Xは,Yの研究員,研究所長,研究部長等を経て平成15年2月にYを退職したYの元従業員である。
Xは,Yの有していた2件の医薬品に関する特許権に係る発明について,Y在職中にした職務発明であり,Yに特許を受...
《解 説》
1 特許権の存続期間は,特許出願の日から20年をもって終了するが(特許法〔以下単に「法」という〕67条1項),特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であって当該処分の目的,手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとし...
《解 説》
1 本件は,ドレン滞留ポイントを簡便に見出すために使用する図表及び説明文について,被告の使用する図表及び説明文(被告チャート)が原告チャート(1)ないし(5)に類似すると主張して,原告が被告に対し,原告チャート(1)ないし(5)について原告が著作権を有することの確認,同著作権が...
《解 説》
1 本件は,暴力団を背景としたヤミ金融組織の主宰者や幹部による出資法違反(業として行う高金利の受領),組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等の隠匿)等の事案であり,同法10条1項前段の犯罪収益等隠匿罪にかかる犯罪収益等である隠匿財産の没収・追徴について,同法13条2項,16条1項ただ...
《解 説》
第1 判決要旨
1 保険契約者は,保険会社の同意を得て,保険契約上の一切の権利・義務を第三者に承継させることができる旨の約款は,上記同意をするか否かの判断を,原則として保険会社の裁量に委ねていると解される。そして,本件の事実関係においては,保険者の承諾を義務づけるような法令の...
《解 説》
1 本件は,山形県の小国町(以下「町」という。)の住民であるXら(原告,控訴人,上告人)が,Y(被告,被控訴人,被上告人)が町長在職中に町の財産である砂利を低廉な価格で第三者に譲渡したことにより,町が損害を被ったとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242...
《解 説》
1 本件は,地方裁判所がした過料不処罰決定に対し,抗告人が特別抗告をした事件である。抗告人は,被審人を代表者とする会社と抗告人との間の民事訴訟事件において,被審人が宣誓の上虚偽の陳述をしたとして,広島地方裁判所に対し,民訴法209条1項の規定により被審人を過料に処する旨の裁判を...
《解 説》
1 工場跡地に15階建て分譲マンションの建築計画がされたところ,景観権・環境権が侵害され,日照,通風その他の被害を受けると主張する近隣住民が,建築主,建築工事を請け負った建設会社及び本件マンションの建築確認を行った指定確認検査機関を被告として,建築差止,5階を超える部分の撤去及...