《解 説》
1 事案の概要
(1) 反訴被告は,インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置についての特許権(本件特許権。その特許発明を「本件発明」という。)を有している。なお,本件特許権については,特許異議の申立てがあり,一旦は進歩性(特...
《解 説》
1 控訴人(被告)は,本件不動産について被担保債権を共通にする第1順位と第3順位の根抵当権を有する地方銀行であり,被控訴人(原告)は,同不動産について第2順位の根抵当権を有する信用保証協会である。
控訴人は本件不動産について担保権の実行による競売(本件競売事件)を申し立てると...
《解 説》
調査会社である被告Y1(代表取締役Y2)は,A(X1の母)の依頼に基づき,Xら(X1~X6。なお,原告X1とX2は婚姻関係にあり,X3はX2の父,X4はX2の母,X5及びX6はX2の叔父であり,いずれもX3を筆頭者とする戸籍謄本等に戸籍等が記載されている。)の出身等を調査する目...
《解 説》
1 事案の概要
薬局を経営するXが,Xの元従業員であったY1が,X経営の薬局(X薬局)の従業員を引き抜き,同薬局で使用していた薬品リスト(本件薬品リスト)を使用して,X薬局の近隣に薬局(Y薬局)を開設したと主張して,Y1及びY薬局の薬局開設許可申請書上の開設者であるY2に対し...
《解 説》
1 Yは,健康保険法に基づく健康保険組合であり,同法45条(平成14年法律第102号による改正前。現行法の99条に相当する。)所定の傷病手当金の給付に関する権限を有する者であり,Xは,Yの組合員であった者である。
X(事故当時47歳)は,タクシー運転手としての業務に従事中,事...
《解 説》
本件は,外資系金融機関に勤務して包括的長期為替予約(いわゆるフラット為替)を内容とする金融商品を販売している原告が,被告(日本公認会計士協会)に対し,包括的長期為替予約に対するヘッジ会計の適用について,被告が企業会計審議会意見に基づき関係者に対する意見聴取手続を経て作成した実務...
《解 説》
1 Xは,平成7年6月1日,Y保険会社との間で,定期保険特約付終身保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結しているところ,平成10年9月28日,自動車運転中に交通事故に会い,同年10月23日より同年12月15日まで合計54日間,外傷性頸椎症性神経根症の病名で,A病院に入院...
《解 説》
1 Xは,Z鉄道会社の組合員らで組織されている労働組合であるが,Z(参加人)に対し,平成2年3月19日午前零時から千葉運転区等において,48時間ないし72時間のストライキを予告していたが(以下,このストライキを「本件予定スト」という。),その予告を繰り上げて同月18日正午からス...
《解 説》
1 本件の事案の概要は次のとおりである。
深谷市は,平成13年1月9日に実施された深谷市の一区域(西区域)の一般廃棄物収集運搬業務の委託に関する指名競争入札(以下「本件入札」という)において,低額落札による弊害が生じないようにするため,最低制限価格としての基準価格を2億280...
《解 説》
1 本件は,日本信販株式会社(以下「補助参加人」という。)の株主である原告が,補助参加人の取締役又は元取締役であった被告らに対し,補助参加人がインターリース株式会社(以下「関連会社」という。)に対して整理支援金610億円を支出した点(以下「本件支援」という。)について,善管注意...
《解 説》
1 本件は,被告が,①原告が所有して賃貸していた土地について,賃貸借契約が合意解約される際に,賃借人から原告に無償で提供された本件建物利益が不動産所得に当たるとして,所得税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を行い,さらに,②原告所有の集合賃貸住宅の敷地内に設けられた本件駐車...
《解 説》
1 本件は,傷病を負った原告らが広島県知事に対して国民年金法上の障害基礎年金支給の裁定を求めたところ,原告らがいずれも任意加入をしていない20歳以上の大学生であって,20歳以上の学生を強制適用から除外した当時の国民年金法の規定により,障害基礎年金を支給しない旨の決定をしたため,...
《解 説》
1 漫画家のXと出版社のX社(小学館)は,平成14年4月に売り出された書籍「ファンブック」所収の対談記事について,著作権を共有している。Yが運営するインターネット上の電子掲示板「2ちゃんねる」に本件対談記事が無断で転載されたことにより,Xらの送信可能化権,公衆送信権が侵害された...
《解 説》
Aは,昭和60年11月1日,Yとの間で災害割増特約及び傷害特約(以下「本件特約」という。)の付された生命保険契約に加入していた者であるが,平成12年9月11日,胸痛及び呼吸苦を訴え,翌12日,B大学付属病院(以下「B病院」という。)で診察を受けた。Aは,急性心筋梗塞及び急性心不...
《解 説》
1 本件は,中国残留邦人であるA(日本人)の実子及びその配偶者又は孫として本邦の上陸許可を得たXら(在留資格はX3,6が実子として「日本人の配偶者等」,X1,2,4,5,7が実子の配偶者又は孫として「定住者」)が,後にX3,6がAの実子でないことが判明してXらの上陸許可を取り消...
《解 説》
1 本件は,新聞社が発行した新聞の朝刊コラムに関する週刊誌の記事及び新聞紙上の広告等について,名誉・信用毀損の成否が争われた事案である。
X(1審原告,控訴人・被控訴人)は,平成13年8月8日に発行した朝日新聞の朝刊天声人語欄に「知人と先日話しをしていて,妙なことで意見が一致...