《解 説》
1 事案の概要
本件は,大韓民国籍の外国人であり,日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定める特別永住者として我が国に在住するX(控訴人,被上告人)が,昭和63年4月,Y(被控訴人,上告人)に保健婦(その後,保健婦助産婦看護婦法の一部...
不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保しそのうちの 1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときの上記売却代金からの弁済受領額
《解 説》
1 本件は,原告所有の別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について,半田市長が平成15年度固定資産税の課税標準となる価格を42億4795万1657円と決定し,同価格を固定資産課税台帳に登録したことから,同価格が過大に過ぎると主張する原告が,被告に対して審査の申出を...
《解 説》
1 A(平成8年6月17日死亡)は禁治産者で,被控訴人(弁護士)は,Aの後見人職務代行者で,後にAの後見人にそれぞれ選任された。Aは本件不動産を所有ないし夫Bと共有していたところ,当時Aの後見人であったBは本件不動産を第三者に低廉な価格で売却した。Aの二男C(Aの相続人のうちの...
《解 説》
1 訴外A(昭和35年生)は,平成9年12月1日,Y(生命保険会社)との間において,死亡保険金受取人をAとする配当付終身保険契約を締結していたところ,平成10年2月25日,肺血症性ショックにより死亡したため,Xは,Yに対し,死亡保険金2000万円の支払を求めた。
これに対し,...
《解 説》
1 事案の概要
国民年金法36条の2第1項1号は,30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前障害に係る障害基礎年金)と労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付との間で併給の調整を行う旨を規定している。
原告は,平成5年4月から20歳前障害に係る障害基礎年金を受給してい...
《解 説》
1 XはY(大工)との間で,平成5年11月10日,自己所有の土地(海岸近くの丘陵地の開発地)に2階建居宅(本件建物)を請負代金2090万円で建築する請負契約を締結し,平成6年3月20日ころ本件建物の引渡を受けた。ところが,平成10年ころ,本件建物の基礎にひび割れが生じ,建物が不...
《解 説》
1 本件は,愛知県の住民である原告が,愛知県職員に対して給料の月額等に100分の10を乗じた額の調整手当を一律に支給することは,地方公務員法24条第3項又は地方自治法204条2項に反して違法であると主張して,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,被告に対し,同手当を名古屋市...
《解 説》
本件は,平成15年法第136号による貸金業規制法の改正法施行前において,無登録で貸金業を営んでいた被控訴人が,控訴人との間で締結した,月利1割の利息を約した金銭消費貸借契約,あるいは同様の利息を約した貸金債務についての連帯保証契約に基づいて,残元金のみの支払を求めたのに対し,控...
《解 説》
1 本件は,不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し,そのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において,当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときには,債権者が保証人に優先して上記売...
《解 説》
1 事案の概要
いわゆるエホバの証人である患者Aは,平成13年5月,着替え中に動悸,眼前暗黒感があったため,救命医療センターを受診したところ,心電図上に異常が認められたため,Yの設置・運営する被告病院を紹介された。Aは,被告病院において,入院の上,精密検査を受けたところ,洞機...
《解 説》
1 原告は,香港において勤務するものとして,平成9年12月9日,転出先を香港とする転出届を世田谷区長に提出し,同日,日本を出国して香港に入国し,同月18日,香港において,原告の妻の祖父Aとの間で,原告の妻の父でAの子であるBをAの代理人として,Aが,原告に対し,Aが出資してシン...
《解 説》
1 訴外A(明治41年生)は,高血圧,脳梗塞,痴呆,両下肢静脈血栓症等の既往症を有していたが,急性心不全及び肺炎を発症したため,平成11年6月4日,Y1の経営するB病院に入院した。
そして,Aは,内科医であるY2の下で介護治療を受けていたが,その後,褥瘡を発症したほか,MRS...
《解 説》
1 原告は,滋賀県情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき,その実施機関である被告(滋賀県警察本部長)に対し,平成10年度ないし平成15年度に滋賀県警察本部で支出した捜査費,捜査報償費の個人名義の領収書(以下「領収書」という。)のうち,当該捜査費又は捜査報償費を受領した...
《解 説》
1 申立人(基本事件の被告)は,大阪府に本店を有する株式会社であり,相手方(基本事件の原告)は,神奈川県に本店を有する有限会社である。基本事件は,商標権者である相手方が,申立人に対し,申立人の標章使用が相手方の商標権を侵害すると主張して,同標章使用の差止めを求める事案である。
...
《解 説》
1 本件は,抵当証券(モーゲージ証書)の所持人(原告ら)が,鑑定評価の違法を主張して不動産鑑定士(被告ら)の不法行為責任を問う事案である。
抵当権者が登記所から抵当証券を発行してもらうには,申請書に,抵当権が債権の全部の弁済を担保するに足りることを証する書面を添付する必要があ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,従業員約6000名を擁するコンピューター関連の会社Yの金融営業本部長として取締役(6名),執行役員(20名)に次ぐ地位にあったものであるが,Yから,平成15年7月17日に,部下の女性従業員に対しセクシュアル・ハラスメント行為(以下「セ...
《解 説》
1 X1は,平成11年5月に破綻した朝鮮民主主義人民共和国系の信用組合であり,Y1は,同国の海外公民団体として日本に設立された法人格なき社団である。X1の破綻に伴う調査の中で,平成6年12月29日から平成10年4月22日まで合計13回にわたり,当時のX1理事長A(弁論分離前の相...