《解 説》
1 本件は,福井県(以下「県」という。)の住民であるXら(原告,控訴人,上告人)が,県の旅費の支出について,公務出張の事実がないのに支出された違法なものがあるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して,当時,上記旅費...
《解 説》
1 本件は,平成15年11月9日に施行された衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区における比例代表選出議員の選挙について,同選挙区の選挙人であるXらが,同選挙に関する公職選挙法の規定が憲法に違反し無効であるから,これに依拠してされた同選挙は無効であると主張して,中央選挙管理会Yを被...
《解 説》
本件は,被告人が,無車検かつ無保険の普通乗用自動車に他車の自動車登録番号標(ナンバープレート)を取り付けた上で,これを無免許運転したという事案の控訴審判決である。
原審判決は,被告人に,無免許運転,無車検車運行供用及び無保険車運行供用とともに道路運送車両法98条3項違反(自動...
《解 説》
1 本件は,事後強盗における「窃盗の機会の継続性」が問題となった事案である。事案の概要は判示にも要約されているとおりであり,留守宅に侵入して財布等を盗んだ犯人が,だれからも発見,追跡されずに現場を離れ,自転車で1km離れた公園に行き,現金を数えると思ったより少なかったため,もう...
《解 説》
1 本件は,被告人らが,民事執行法上の競売手続により宅地・建物を買い受け,これを転売して利益を得ようと企て,宅地建物取引業の免許を受けないで,業として,多数回にわたり,同法上の競売手続により宅地・建物を買い受けるなどしたという,宅地建物取引業法79条2号,12条1項の無免許宅地...
《解 説》
1 本件は,火災保険契約の約款に基づき火災保険金の支払を請求する者が,火災発生が偶然のものであることについて,主張立証責任を負うか否かが問題となった事件である。
2 ①Xは,Y保険会社との間で,自己所有の店舗兼住宅用ビル等を保険の目的として店舗総合保険契約を締結した。②同保険...
《解 説》
1 本件は,Xが不正競争防止法及び著作権に基づき,Yに対し,Y標章を包装紙に付した饅頭等(Y商品)の販売の差止め等を求めた事案であるが,その概要は次のようなものである。Yは,包装紙に「撃」と「GEKI」の文字からなる標章(本件標章)を付した饅頭(本件饅頭)をXから仕入れて販売し...
《解 説》
1 運送会社の運転手Aは,30歳ころから重症の高血圧症を患い,45歳ころには急性心筋梗塞との診断を受け,昭和58年12月以降は労作性狭心症等により入通院をしており,3本の主要冠動脈枝のうち2本の末梢部分が閉塞するなどの病歴を有する者である。Aは,平成元年7月29日,約3時間にわ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,新築された建物(9階建ての高層賃貸マンション)を買い受けた原告らが,当該建物には多数の瑕疵があって補修が必要であるなどと主張して,施工を担当した建設会社である被告に対しては,瑕疵担保責任又は不法行為に基づき,設計監理を担当した建築士事務所(法人)である...
《解 説》
1(1)本件は,被告人らが,自衛隊のイラク派遣に反対する趣旨のビラを防衛庁立川宿舎各室玄関ドア新聞受けに投函する目的で,管理者及び居住者の承諾を得ないで,同宿舎の敷地に立ち入った上,同宿舎の建物の階段1階出入口から4階の各室玄関前まで立ち入ったことが住居侵入罪に問われたものであ...
《解 説》
1 事案の概要
X(控訴人,上告人)は,大工工事業を営む個人事業者であるが,平成2年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の消費税について確定申告をしなかった。また,Xは,昭和63年分,平成元年分及び同2年分の所得税についてそれぞれ確定申告...
《解 説》
1 A社は,乳酸菌飲料等の製造販売を主たる業とする株式会社であるが,資金運用業務の担当取締役であるY1の指示のもと,投機性の高いデリバティブ取引を行い,平成5年5月から同10年3月までの間に行われたデリバティブ取引(以下「本件取引」という。)によって,A社は約533億2046万...
《解 説》
1 本件は,被審人を過料に処する略式裁判を非訟事件手続法(以下「法」という。)19条1項により取り消した原々決定に対し,検察官が抗告の申立てをしたところ,原審が即時抗告期間経過後の抗告であるとして同抗告を却下したことから,検察官が抗告の許可を申し立て,原審によりこれが許可された...
《解 説》
1 Aは,X1及びX2(Aの姉の子ら)並びにY1及びY2(Aの兄であるBの子ら)の叔母にあたる。Aは,本件土地及びその上に存する本件建物に,昭和42年から居住していた。本件土地は,昭和28年11月,売買を原因としてBの所有名義となっていたが,平成13年7月,B死亡(昭和57年8...
《解 説》
1 Aは,Y1が管理する一般県道の蓋付側溝部分を歩行していた。同県道はその先に橋が設置されているが,橋の幅員は狭くなっていて,Aが歩行していた側溝部分は河川に飛び出す形になっており,先端部分には蓋がなかった。また橋の手前付近の道路にはY2の駐車スペースがあり,同スペース部分と河...