《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。A地方労働委員会は,X組合がY会社を被申立人として申し立てた不当労働行為救済申立事件について,Y会社N運輸区のK首席助役(以下「K首席助役」という)が,平成6年9月16日及び同月24日,主任運転士昇進試験の面接試験練習において,X組合の組合...
《解 説》
1 本件は,X1会社の従業員であったY1がX1会社を解雇され,解雇が有効であるとの判決が確定後(平成14年6月27日)も,加入している労働組合Y2及びその組合員Y3らとともに,X1会社本社前,当時のX1会社の代表取締役であったX2宅前等で,本件解雇は不当である等の街宣活動等を繰...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦中,旧日本軍の軍人や軍属,軍隊慰安婦(従軍慰安婦)であった韓国人又はその遺族であるXら(軍人軍属関係の本人又はその遺族が29名,軍隊慰安婦関係の本人が9名)が,Y(国)に対し,Yの行為により耐え難い苦痛を被ったとして損失補償又は損害賠償を請求し,また,...
《解 説》
1 抵当権者が破産財団から放棄された破産会社の所有する不動産に係る当該抵当権(別除権)を放棄して一般の破産債権者として配当手続に加わるについては,破産会社の清算人に対して放棄の意思表示をすべきところ,本件は,抵当権者が破産会社の破産手続開始(但し,本件は旧法事案であるため,破産...
《解 説》
1 本件は,被相続人Z1(妻,平成15年4月死亡)及び同Z2(夫,平成15年6月死亡)の相続財産に関し,Z1の兄X1とその子X2(Z1の姪)が,Z2の推定相続人(兄弟姉妹や甥姪)であるYらに対し,X2に対する遺贈又は贈与を理由に,Z2名義の不動産の所有権確認及び所有権移転登記手...
《解 説》
1 本件は,被相続人の妻と子らが妻(母)に遺産全部を相続させるとの合意をし,この合意に基づき被相続人の子らが相続放棄の申述をしたが,被相続人には生前被相続人と交流がほとんどなかった兄弟がいて,被相続人の子らの前記相続放棄により,同兄弟が相続人となることが分かったため,相続放棄し...
《解 説》
1 本件は,被告人が,共犯者2名と共謀の上,支払督促制度を悪用して叔父の財産を差し押さえるなどして多額の金員を得ようと企て,叔父を債務者とする内容虚偽の支払督促を申し立て,支払督促正本,仮執行宣言付支払督促正本を送達してきた郵便配達員に対して,共犯者において叔父を装い,郵便送達...
《解 説》
1 Xは,平成14年3月16日にY1,Y2から宝塚市所在の本件土地建物(Y1持分20分の3,Y2持分20分の17)を2280万円で買い受ける旨の売買契約を締結し,同年5月に代金を支払ってその所有権を取得したが,その直後に,本件建物はその西側隣人Aとのトラブルによって居住の用に耐...
《解 説》
1 本件は,地方公務員でありT地方自治体のN事務所係長であったX(当時33歳)が,平成10年8月1日,上司である同事務所長(以下「A所長」という。)から性的暴行を受けた(以下「本件性的暴行」という。)上,その後もA所長の下で公務に従事し続けたこと(以下,本件性的暴行とその後の公...
《解 説》
1 本件は,海運業を営む被控訴人が,パナマ共和国に子会社を設立して以来,子会社の資産,負債,損益はすべて内国法人である被控訴人に帰属するとして確定申告を行っていたところ,控訴人は,当該子会社は租税特別措置法66条の6第1項及び第2項に規定される特定外国子会社等に該当する会社であ...
《解 説》
1 本件は,福井県(以下「県」という。)の住民であるXら(原告,控訴人,上告人)が,県の旅費の支出について,公務出張の事実がないのに支出された違法なものがあるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して,当時,上記旅費...
《解 説》
1 本件は,平成15年11月9日に施行された衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区における比例代表選出議員の選挙について,同選挙区の選挙人であるXらが,同選挙に関する公職選挙法の規定が憲法に違反し無効であるから,これに依拠してされた同選挙は無効であると主張して,中央選挙管理会Yを被...
《解 説》
本件は,被告人が,無車検かつ無保険の普通乗用自動車に他車の自動車登録番号標(ナンバープレート)を取り付けた上で,これを無免許運転したという事案の控訴審判決である。
原審判決は,被告人に,無免許運転,無車検車運行供用及び無保険車運行供用とともに道路運送車両法98条3項違反(自動...
《解 説》
1 本件は,事後強盗における「窃盗の機会の継続性」が問題となった事案である。事案の概要は判示にも要約されているとおりであり,留守宅に侵入して財布等を盗んだ犯人が,だれからも発見,追跡されずに現場を離れ,自転車で1km離れた公園に行き,現金を数えると思ったより少なかったため,もう...
《解 説》
1 本件は,被告人らが,民事執行法上の競売手続により宅地・建物を買い受け,これを転売して利益を得ようと企て,宅地建物取引業の免許を受けないで,業として,多数回にわたり,同法上の競売手続により宅地・建物を買い受けるなどしたという,宅地建物取引業法79条2号,12条1項の無免許宅地...
《解 説》
1 本件は,火災保険契約の約款に基づき火災保険金の支払を請求する者が,火災発生が偶然のものであることについて,主張立証責任を負うか否かが問題となった事件である。
2 ①Xは,Y保険会社との間で,自己所有の店舗兼住宅用ビル等を保険の目的として店舗総合保険契約を締結した。②同保険...