《解 説》
1 本件は,名古屋市(以下「市」という。)の住民であるXらが,世界デザイン博覧会(以下「デザイン博」という。)で使用された施設及び物品を市が財団法人世界デザイン博覧会協会(以下「Y4協会」という。)から買い受けた契約が違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号(平14法...
《解 説》
1(1) Xは,農地(畑)である本件土地の所有者であり,これを耕作して占有するYに対し,その明渡しを求めた。Yは,占有権原として,賃借権の存在を主張した。具体的には,①Yの先代がXの先代と賃貸借契約を締結して本件土地の引渡しを受け,Yはこれを相続した,②仮に,この賃貸借が農地法...
《解 説》
1 被告人は小型船舶(プレジャーボート)を取得したが,暴力団幹部であるため,その名義では港の停泊許可が下りない等の理由により,所有名義を偽って,親族が所有権を取得したことにして,その旨小型船舶の「船籍簿」に記載させた。検察官は,この行為が公正証書原本不実記載,同行使に当たるとし...
《解 説》
1 本件は,Xらが,Y1に対し,Xらが共有持分を有する土地(Y1名義)について,Y1の債務を担保する抵当権の実行による競売によって売却されたとして,法定代位に基づき,売却代金相当額の求償金の支払を求め,Yらに対し,同法定代位に基づく請求権を保全するため,詐害行為に基づき,Y1か...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,芸能人であるXら16名が,雑誌「ブブカスペシャル7」の出版社及びその発行人等であるYら4名に対し,Xらの写真等の掲載された同雑誌を出版したYらの行為は,プライバシー権,肖像権及びパブリシティ権を侵害すると主張して,不法行為に基づく損害賠償金の...
《解 説》
1 Y大学構内にある白翁稲荷神社は,京都伏見稲荷神社の分社で,戦前は旧帝国陸軍の守護神であったが,戦後,連合軍の指示で構外に移転したものの,昭和31年ころ,再び構内に戻され,現在に至っている。
Xは,松本市に居住する帝京大教授であるが,大学の構内に神社を設置することは,明らか...
《解 説》
1 本件の事実関係の概要は,次のとおりである。
Xは,群馬県立の工業高等学校の工業(染色化学,染色デザイン実習)の教科を担当する教諭であった。
Xは,平成8年3月31日に,同校を定年で退職したが,退職前に同校の生徒会誌(以下「本件生徒会誌」という。)に,回想文(以下「本件回...
《解 説》
第1 事案の概要
1 Xは,大学講師でいわゆる従軍慰安婦問題等の研究者であり,著書,講演,インターネットのホームページ,雑誌への寄稿やテレビジョン番組への出演等によってその意見を表明している。Xは,従軍慰安婦問題について,我が国に責任があり,従軍慰安婦であった者等に対し謝罪等...
《解 説》
1 本件の事実関係の概要は,次のとおりである。(1)原告は,被告の経営するコンビニエンスストア(本件コンビニ)において買物をした際,その姿を同店の防犯カメラによって撮影された。(2)被告は,防犯カメラに撮影した1日分の画像をビデオテープ1本に録画し,1週間保存していた。(3)愛...
《解 説》
1 ①,②事件は,いずれも,いわゆる停止条件付集合債権譲渡担保契約につき,破産法上の否認の可否が争われた事案であり,それぞれ第二小法廷と第三小法廷で相次いで判決されたものであるが,ほぼ同趣旨の判断を示し,破産法72条2号に基づく危機否認の成立を認めた。
2 停止条件付集合債権...
《解 説》
1 Aの夫であった亡Bは,生前,骨髄移植を受ける際,無精子症となった場合に備えて,精子を冷凍保存したが,その後,死亡した。Aは,B死亡後,冷凍保存精子を用いて体外受精し,Xを出産した。本件は,Xが,検察官Yを相手方として,Bの子であることを認知するように求めた事案である。
原...
《解 説》
1 本件は,抗告人が調停申立てに際しちょう付すべき印紙(民事訴訟費用等に関する法律(以下「民訴費用法」という。)3条1項・別表第1の14項)をちょう付せず,印紙の予納を命じる補正命令にも応じなかったため,原審裁判官が民事調停法22条,非訟事件手続法17条,民訴費用法6条に基づき...
《解 説》
1 Aは,平成8年半ばころ,Yの開設するY病院を受診し,不安定狭心症のうち,いわゆる二枝病変(冠動脈のうち,左前下行枝近位部及び左回旋枝にそれぞれ狭窄がある。)と診断された。そして,結果的に,Y病院医師らにおいて,Aに経皮的冠動脈形成手術(PTCA)の適応があると判断され,平成...
《解 説》
1 Xは,法人税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)2条10号に規定する同族会社に当たる有限会社の代表者で,その98%の出資持分を有する社員であるが,同会社に無利息,無期限,無担保で3455億2177万5000円を貸し付けた(以下「本件貸付け」という。本件貸付けがされた...
《解 説》
1 本件は,消費者金融業を営むXが,平成14年6月6日,Yの連帯保証の下に,訴外Aに対し事業者ローンとして150万円を貸し付けたところ,Aが初回の返済を遅滞したため,Yに対し,連帯保証契約に基づく保証債務の履行を求めたものである。
Y(契約当時28歳)は,生まれつき知的障害が...