《解 説》
一 本件は、Y(被上告人)の設置する早稲田大学(以下「大学」という。)が、その主催に係る江沢民中華人民共和国国家主席の講演会への参加申込者の氏名等が記載された名簿の写しを警視庁に提出したことについて、これは、大学の学生で同講演会への参加申込者であったX(上告人)らのプライバシー...
《解 説》
本件は,精神分裂病(統合失調症)に罹患していた被告人が,自宅で同居していた父母に対し,殺意をもって,包丁で突き刺すなどし,その結果,母親を殺害し,父親に重傷を負わせたという殺人及び殺人未遂被告事件であり,被告人の責任能力が主たる争点となった事案である。
本件事案の詳細は,判決...
《解 説》
本件は,個人によって管理されている電子掲示板である「2ちゃんねる」に投稿した氏名不詳者の個人情報に関し,その経由プロバイダに対する開示請求が認められた事例である。
1 事案の概要
(1) 原告は,弁護士であり,B株式会社の顧問弁護士を務めている。
(2) 被告は,「PRI...
《解 説》
1 本件は,相続財産中に含まれていたある企業組合(本件組合)に対する出資持分(本件持分)について,相続人らが,払込済出資額により評価して,相続税の申告をしたところ,Y税務署長が,相続人らの一部であるXらに対し,本件持分について,国税庁長官発出の財産評価基本通達(以下「評価通達」...
《解 説》
1 原告は,被告大学の運営する病院(被告病院)に入院し,脳動静脈奇形(AVM)であるとの診断を受け,大腿動脈から内頚動脈(首筋血管)まで基幹となるカテーテル(親カテーテル)を挿入し,内頚動脈から患部までは,この親カテーテル内を通った超極細の子カテーテル(マイクロカテーテル)(本...
《解 説》
1 本件は,Yが設置運営するK医科大学との間で在学契約を締結し,入学金100万円,初年度前期教育充実費250万円,施設設備費100万円,初年度前期授業料120万円,初年度前期実験実習費15万円(以下,すべてを総称して「学納金」という。)を納付したXらが,後に同大学への入学を辞退...
《解 説》
1 X1は,平成3年1月19日,Yの経営するA病院において,帝王切開手術によりX2を出産したが,X2は,出生時,心肺が停止し,自発呼吸がないため,A病院で治療を受けた後,同年3月,B病院に転院して治療を受けたが,脳性麻痺の後遺障害が残り,終生介護を要する状態になってしまった。
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《解 説》
1 Xは,昭和37年4月に三井石油化学に雇用され,昭和62年6月から千葉高分子研究所の所長代理の地位にあったところ,昭和63年1月,単純ヘルペス脳炎に罹患して入通院治療を受け,休業を余儀なくされたため,休業補償給付等を請求したが,Yから不支給の処分がされた。
そこで,Xは,単...
《解 説》
1 マンション等の企画,設計等を業とする株式会社である原告は,横須賀市内の本件土地上にマンションを建築する計画を立てた。これに対して,近隣住民による反対運動が生じていたところ,地元自治会に設置された同マンションの対策専門委員会の委員長である被告は,いわゆるミニコミ誌やインターネ...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大和銀行,あさひ銀行等の親会社である株式会社りそなホールディングスの株主である原告ら及び参加人が,同社の取締役兼代表取締役,取締役及び監査役であった被告らに対し,損害賠償を求めた株主代表訴訟である。
原告ら及び参加人は,その責任原因として,りそなホー...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、茨木市の住民である原告が、茨木市長が必要性がないにもかかわらず茨木市職員らを茨木市と密接な関係を有するA協会(以下「協会」という。)主催の外国旅行(茨木市民が参加し、アメリカディズニーランド観光や、中国名勝古跡観光を含むもの。以下「本件各旅行」という。...
《解 説》
1(1) 本件は,建売業者であるYから本件土地建物を買い受けたXが,本件土地は,大雨のときなど容易に冠水し,宅地として使用することができず,これは売買の目的物の隠れたる瑕疵に当たるとか,売買契約の際,売主であるYが,その説明を怠ったことは債務不履行(説明義務違反)に当たるなどと...
《解 説》
1(1) 本件は,本邦に不法に上陸してから9年余経った後に難民認定を申請したミャンマー出身の原告について,被告法務大臣が,当該難民認定申請(本件難民申請)は,出入国管理及び難民認定法(以下「入管難民法」という。)61条の2第2項本文の申請期間を経過してされている上,同項ただし書...
《解 説》
1 訴外Aは,訴外B会社に勤務していたところ,平成7年2月20日,Yの開設するC健康管理所において,定期健康診断を受け,また,平成8年3月11日にも定期健康診断を受けたが,胸部エックス線撮影の結果肺に異常を認めたものの,担当医は,経過観察にとどめ,精密検査を指示しなかった。
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《解 説》
1 日本法人であるXは,外国法人であるY1との間で,服飾製品の販売代理店契約の締結に関して基本合意書(レター・オブ・インテント)を締結し,また,当該契約の締結に至らなかった場合には全額返還するとの約定で前払金を支払ったところ,最終的にY1側の原因により当該契約の締結に至らなかっ...
《解 説》
1 訴外A(昭和16年生)は,昭和39年以来,新潟県立学校の教員として勤務していたが,平成8年1月12日,アメーバ性肉芽腫性脳炎を発症して死亡した。
そこで,Xは,Yに対し,Aの死亡が公務の繁忙に起因するとして公務災害の認定を請求したが,平成11年9月30日,公務外の災害であ...