《解 説》
1 事案の概要
原告は,宗教団体・アレフ(旧オウム真理教)の信者であるが,平成15年1月23日,被告台東区長に対し,住民異動届(転居届)を提出したところ,被告台東区長の補助職員は,原告が宗教団体・アレフの信者であることを理由として,前記転居届を受理しなかった。そこで,原告は,...
《解 説》
1 本件は,共同相続人の1人が,単独で,被相続人の取引銀行に対し,被相続人名義の預金に関する取引の明細の開示を請求した事件である。被告銀行は,共同相続人全員の請求でなければ,開示には応じられないと主張して,これを争った。
Aは,Y銀行と預金契約を締結していたが,死亡し,その妻...
《解 説》
一 Xは、もとYの従業員であったところ、在職中に「窒素磁石」に係る発明をした。本件は、XがYに対し、上記発明に係る特許を受ける権利をYに譲渡した対価として、約九〇〇〇万円の支払を請求する事案である。
Yにおいては、本件発明がされた当時、その従業員がした職務発明に関して、「発明...
《解 説》
1 訴外Aは,平成13年10月25日当時,Y銀行B支店の貯蓄預金口座に545万7419円の預金を有していた。
訴外Cは,前同日,虚言を弄して,180万円の借用名下にAから右預金口座の預金通帳とその届出印を騙し取った。
そして,訴外D,E,Fは,Cを通じて入手した預金通帳と届...
《解 説》
一1 本件は、労働者災害補償保険法(平一一法一六〇号改正前。以下「法」という。)に基づく遺族補償年金を受給していたXが、その二女が外国の大学に就学するに際して法二三条一項二号(現行法の二九条一項二号)に定める労働福祉事業である労災就学援護費の支給を申請したところ、Yから、同大学...
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告が,刑事事件の公判廷等における拘置所職員の行為及び担当裁判官の訴訟指揮並びに弁護人と在監中の被告人との間の信書の授受に関する制限によって被告人との秘密交通権が侵害されたとして損害賠償を請求した事案であり,その概要は次のとおりである。
強盗罪で起訴さ...
《解 説》
一 本件は、世田谷区議会議員に立候補した被告人Aが、選挙運動者に対し現金の供与又はその約束をしたとして、また、選挙運動者であった被告人Bが、被告人Aから現金の供与を受けたとして起訴された事件である。
本件では、主に、現金の供与又はその約束の相手方となった五名の選挙活動者の各行...
《解 説》
1 訴外A(昭和24年生)は,平成5年7月,前胸部痛等を感じたことから,近くの医院で受診したところ,胆石症と診断され,また,Yの経営する「B病院」で受診したところ,多発性胆嚢結石症と診断され,手術をする必要があるとされたため,同年8月31日,B病院に入院した。
そして,Aは,...
《解 説》
1 Aは,全財産をBに対し相続させる旨の公正証書遺言を残して死亡し,Bは,平成4年1月20日,納付すべき税額を216億9714万4200円として相続税の申告を行い,その後平成5年2月19日の更正決定によりBの納付すべき相続税額は36億8892万1500円増加した。Bは申告分につ...
《解 説》
1 本件は,税理士の説明義務違反,任務懈怠の存否が問題となった事案であるが,事案の概要は次のとおりである。Xの父であるSは平成3年2月27日に死亡し,次いで母Jが翌月3日に死亡した。XはS及びJの相続人であるが,A,BはSと先妻との間の子であり,Sの相続人ではあったが,Jの相続...
1 入札談合に参加した事業協同組合に対する課徴金算定率の適用にあたって,当該組合の出資の総額に各組合月の資本若しくは出資の額を合わせた出資の総額且は当該組合のものに各組合員のものを合わせた常時使用する従業眉の総数により被審人の事業規模を判断し,独占禁止法7条の2第2項第1号に定める軽減算定率を類推適用した事例
(公正取引委見合平15・9・8審判審決)
《解 説》
1 事案の概要
Xは,製薬会社であるが,その医薬品を販売している大学病院等の研究者から,その発表する医学論文が海外の雑誌に掲載されるようにするための英訳文につき,英文添削の依頼を受け,これをアメリカの添削業者2社に外注していた。Xは,研究者からは国内業者の平均的な英文添削の料...
《解 説》
一 本件は、上告人(公正取引委員会)が、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「法」という。)六九条に基づき、公正取引委員会平成一一年(判)第四号事件(以下「本件審判事件」という。)の事件記録の謄写申請をした上告参加人ら外一名に対し、本件審判事件の事件記録のうち第一...
《解 説》
一 ①事件、②事件ともに、中小企業等への金員の貸付けを業とする貸金業者であるYがした金銭消費貸借取引に関する訴訟である。Yを当事者の一方とする同種の事案が多数最高裁の各小法廷に係属していた。
Yと借主は、元本極度額、期限の利益の喪失約定を定めるなどして、継続的手形貸付契約を締...
《解 説》
一 本件は、Y(被上告人)の設置する早稲田大学(以下「大学」という。)が、その主催に係る江沢民中華人民共和国国家主席の講演会への参加申込者の氏名等が記載された名簿の写しを警視庁に提出したことについて、これは、大学の学生で同講演会への参加申込者であったX(上告人)らのプライバシー...
《解 説》
本件は,精神分裂病(統合失調症)に罹患していた被告人が,自宅で同居していた父母に対し,殺意をもって,包丁で突き刺すなどし,その結果,母親を殺害し,父親に重傷を負わせたという殺人及び殺人未遂被告事件であり,被告人の責任能力が主たる争点となった事案である。
本件事案の詳細は,判決...