《解 説》
1 協議離婚した元夫Xと元妻Yの間には未成年の子Aがいる。離婚届にはAの親権者をYと定める旨の記載がされていたので,戸籍にはAの親権者がYと定められた旨の記載がされた。
Xは,離婚については問題としなかったが,Aの親権者をYと定める協議をしたことはなく,その旨の届出をする意思...
《解 説》
一 被上告人Xは、宗教団体・アレフ(改称前の名称、オウム真理教)の信者であるが、平成一三年八月一日、名古屋市西区から同市中区に転居し、同月三日、住民基本台帳法(以下「法」という。)三八条一項、住民基本台帳法施行令(以下「令」という。)(平成一三年政令第二七三号による改正前のもの...
《解 説》
一 本件は、東京都千代田区の宅地二筆(本件各土地)の固定資産税の納税義務者であるXが、東京都知事によって決定され、東京都千代田都税事務所長によって土地課税台帳に登録されたその平成六年度の価格について、Y(東京都固定資産評価審査委員会)に対して審査の申出をしたところ、Yから、価格...
《解 説》
1 本件は,Xが所有していた土地(本件譲渡土地)とAらが所有していた土地(本件取得土地)とを交換(本件交換)したことに対する所得税について,Xが所得税法58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)1項の適用があるとして申告したのに対し,Yが,本件交換は,社会福祉法人の設立のた...
《解 説》
Xは都立高校に勤務する国語科の教師であるが,昭和62年から平成元年ころに現物株式の取引の経験があったが,平成9年ころ,一度自宅建替え資金の捻出のために株式の売買をしたことを除いては,いわゆるバブル経済の崩壊により株取引を中断していた。Xは,平成10年11月ころ,Yに勤務するAの...
《解 説》
1 本件は,XがY1に対し,Xの事業部が使用している「AFTO」の文字標章(X標章)が取引関係者に周知であるにもかかわらず,Y1が「アフト」の文字を含む「アフトシステム株式会社」との商号を使用し,「アフト」,「AFTO」などのY標章(本判決末尾添付)を使用して営業した行為が不正...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Xは,指定商品を「第30類 菓子,パン」とする登録商標(「花粉」という文字(ゴシック体)を縦書きにし,ふりがなの「かふん」を右側に連書してなるもの。本件登録商標)につき,商標権者から当初独占的通常使用権の許諾を受け,次いで専用使用権の設定を受けた者であ...
《解 説》
1 訴外A(昭和61年生)は,平成11年4月,Y1(川西市)の設置管理するB中学校に入学し,訴外クラブ活動の1つである同校ラグビー部に所属し,部員として活動していた。
平成11年7月27日,午前6時30分から,Aを含むB中学校ラグビー部員18名が,同校教諭Y2の指導監督の下,...
《解 説》
1 本件は,イタリア生まれで日本に帰化した原告が,①被告小学館に対し,その発行する雑誌「サピオ」に,「日本潜入!イタリア最強のテロリストが浮上させた『国籍とは何か』」と大見出しを付けた記事(被告Y1及び被告Y2が執筆)を掲載し,その中で,原告を,1969年(昭和44年)にイタリ...
《解 説》
1 本件は,国内商標者の商標と同一又は類似の標章を付した商品の輸入,販売をしようとする者(X)が,国内商標権の専用使用権者(Y)を相手として,右行為は真正商品の並行輸入に当たるので実質的違法性を欠くとして,Yは本件商標権の専用使用権に基づく差止請求権を有しないことの確認を求めた...
《解 説》
一 本件は、氏名不詳の被疑者が申立人の所有する漁船に乗り組み、愛媛県海域において操業が禁止されている夜間の潜水器漁業を操業したという、愛媛県漁業調整規則違反被疑事件に関して、申立人が、差し押さえられた漁船等の還付を申し立てたところ、それが却下されたため、刑訴法四三〇条二項の準抗...
《解 説》
本件は,過酸化水素水を積載し走行中のタンクローリー車が道路上で爆発し,その爆風で道路の側壁が吹き飛ばされ,その側壁が原告の営む飲食店を直撃し,同店が全壊した事故につき,原告が,被告ら(過酸化水素水の排出業者や処理業者及びその代表者,タンクローリー車の運転手)に対し,被告らはいず...
配当異議の訴えにおいて,競売申立書の被担保債権の記載と異なる真実の権利関係に即した配当表への変更を求めるための要件
《解 説》
一 共同根抵当権の設定を受け、不動産競売を申し立てた原告は、競売申立書には元本のみを記載し、利息、損害金の記載をしなかった。執行裁判所は、原告に優先する債権者に配当した後の金銭から申立書に記載された元金相当分を原告に配当し、その残金を後順位者である被告に配当した。そこで、原告は...
《解 説》
1 本件は,被控訴人Xが,職務質問をしようとした警察官にいきなり引き倒され,これに引き続き,意に反する返答の強制,所持品検査及び携帯電話のチェック,同意なき写真撮影,意に反する警察署への連行が行われたとして,警察官が属する控訴人に対して国家賠償を求めた事案である。本件においては...
《解 説》
一 本件は、当初、XがYから約束手形の振出を受けたとして、同手形金請求の手形訴訟を提起した後、通常移行の申述と同手形の原因関係に関する連帯保証債務履行請求訴訟に訴えの変更申立てをした事案である。
Xは、比較的零細な資金需要者に資金の貸付をする金融(商工ローン)業者で、全国各地...
《解 説》
1 事案は,次のとおりである。夫を殺害して保険金を騙し取ることを共謀した妻と共犯者4名は,夫を殺害する方法として,事故死を装うために,自動車に乗せたまま水中に転落させて溺死させる計画を立てたが,拉致して自動車に乗せて転落場所まで運ぶのに,抵抗を排除するため,クロロホルムを吸引さ...
《解 説》
1 本件は,ユニット家具の形態が不正競争防止法(以下,不競法という)により保護されるかどうかが争われた事案であるが,その概要は次のようなものである。
Xはデザイン家具の製造販売を業とする会社であり,Yは家具メーカー等へのデザイン提供を主な業務とする会社である。Xは平成12年7...