《解 説》
1 本件は,肝硬変,糖尿病,食道静脈瘤等の既往を有する患者が消化管出血を発症するなどして被告病院に入院したものの,入院の翌日に死亡するに至ったことから,患者の遺族が被告に対し,適切な検査,治療等を怠り,また,不適切な治療を実施した過失があるとして,診療契約の債務不履行に基づき,...
《解 説》
一 本件は、XがYに対し商標権侵害に基づく損害賠償を求めた事案であるが、その概要は次のようなものである。
Xはカナダからメープルシロップ等を輸入販売している食品輸入会社であり、カナダ産メープルシロップを指定商品とする本件商標権を有している(但し、Xが実際に使用していた商標は、...
《解 説》
一 Xは、警視庁警察官採用試験Ⅰ類に合格し、大学院修士課程の終了後、警察学校への入校手続を完了して、警視庁警察官に任用された。警察学校は、Xに精密身体検査の一環として血液検査を行った。採取した血液により、HIV抗体検査も実施したが、このことは明示的には説明されなかった。警察学校...
《解 説》
1 本件は,所有権留保付き割賦販売契約で売り渡された自動車につき,売主Aに対する買主Bの割賦金債務の支払保証をしたファイナンス会社Xが,求償権の担保として,Aから本件自動車の所有権を取得していたところ,Yがこれを不法に占有していると主張して,Yに対し,所有権に基づく本件自動車の...
《解 説》
1 本件は,海軍の特設運送艦浮島丸が,青森県大湊地区及びその周辺の朝鮮人を多数乗船させて,昭和20年8月22日,大湊を出航し,日本海を航行して,同月24日,舞鶴港に入港しようとしたところ,舞鶴湾内で爆発が起き,沈没した件に関し,浮島丸に乗船し,その爆沈によって死亡した者の遺族な...
《解 説》
本件は,殺人被告事件で起訴されたXが,Y県警察の警察官らがしたXを逮捕・勾留することなくして行った任意同行及び取調べが違法であるなどとして,Y県に対し,国家賠償法に基づき,損害賠償を請求した事案である。
Xは,亡Aと同棲していたが,平成9年11月10日,Aが同人宅で血を流して...
《解 説》
一 本件は、被告人が、国鉄の鉄道用地と境界を接している自己の所有地を、パワーショベルで掘削し、線路脇にある電柱付近の土砂を崩壊させるなどして、電車の往来の危険を発生させたという、電汽車往来危険の事案である。一審から最高裁に至るまで、本件掘削により、刑法一二五条一項にいう「往来の...
《解 説》
1 事案の概要
X1・X2夫婦の長男であるAには,生後3か月を過ぎた平成11年6月17日ころから咳や発熱や哺乳力低下等の症状が出ていたところ,同月27日朝には体温が38.9度になったため,Xらは,午後3時30分ころ,Aを都立広尾病院に連れて行き診察を受けさせた。同病院の医師は...
《解 説》
1 Xは,平成9年4月,マヨネーズ等の製造販売等を目的とするY2(会社)に入社し,商品開発部に在籍していた者であるが,平成13年9月,会社主催の「商品開発新チーム」の飲食会が開催されたため,メンバー17名とともに出席したが,同会には,責任者として専務取締役のY1も出席していた。...
《解 説》
一 本件は、福岡県(以下「県」という。)の住民である原告が、平成八年一〇月一四日、福岡県情報公開条例(昭和六一年福岡県条例第一号。平成九年福岡県条例第六二号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき、被告に対し、(1)県警察本部総務課の平成七年度の懇談会費支出に係る...
《解 説》
本件事案の概要は次のとおりである。
第1 事案の要約
1 Y(学校法人慶應義塾)の経営に係る慶應大学三田キャンパス内には,米国人彫刻家イサム・ノグチと建築家谷口吉郎との共同製作に係る「新萬来舎」の名で知られる建物(本件建物)が存するが,同建物にはノグチが手がけた「ノグチ・ルー...
《解 説》
一 本件は、給与所得者等再生手続において、生命保険契約における契約者貸付による債権が再生債権として取り扱われたまま、再生債務者が提出した再生計画案に基づいて、裁判所が再生計画を認可する決定をしたことに対し、債権者である生命保険会社が即時抗告をした事案である。
本決定は、まず、...
《解 説》
一 本件は、韓国人であるAが二年半以上前から別居している日本人の夫Bと協議離婚をする旨の届出をした翌日に、法律上の婚姻関係のない日本人Cを父として出生した甲につき、出生の八か月余り後にBと甲との間の親子関係不存在確認の訴えが提起され、その判決確定の四日後にCにより認知がされたと...