《解 説》
1 本件は,経営破たんした信用組合大阪弘容から損害賠償請求権等を譲り受けた原告が,「大阪弘容の理事長であった被告は,回収見込みのない8億円の高額融資(本件融資)をトップダウンで強引に実行させた。」などと主張して,中小企業等協同組合法38条の2第1項に基づき,本件融資によって大阪...
《解 説》
一 本件は、島根県安来市にある会社(Y1)の従業員(Y2)が、仕事を終え、通勤用の自転車を運転して帰宅途中にX運転の自転車と衝突して起こした交通事故について、被害者Xから、Y1及びY2に対し、損害賠償を求めた事案である。その中心的争点は、Y1が、Y2が起こした同事故につき民法七...
《解 説》
一 本件は、平成一三年七月二九日に行われた参議院議員通常選挙の選挙人であるXらが、Y(中央選挙管理会)に対し、上記選挙のうち比例代表選出議員の選挙を無効とすることを求めた事案である。この比例代表選出議員の選挙は、平成一二年一一月二一日から施行された公職選挙法の一部を改正する法律...
《解 説》
1 本件は,伊東市内の小学校に在学している生徒の母親が,伊東市個人情報保護条例(以下「本件条例」という。)に基づき,子の指導要録及び就学指導調査個票の開示を請求したところ,被告がそれらに記載されている情報をすべて非開示とする決定をしたことから,母親が原告となり,被告に対し,前記...
《解 説》
1 Aは,夜に激しい頭痛,悪心及び嘔吐を訴えて,Yの開設する病院で診察を受けた。当日の当直医であった内科医のO医師は,問診及び頭部CT検査等の諸検査をし,鎮痛薬を処方するとともに,翌日内科で診察を受けるよう勧めて,Aを帰宅させた。翌日,Aは,内科医のP医師の診察を受けた後,神経...
《解 説》
本件は、新規物質である「新規芳香族カルボン酸アミド誘導体の製造方法」に係る特許権(「本件特許権」)を有していたXが、本件特許権の目的物質の一つであるトラニラストを製造販売し若しくはトラニラストを便用した製剤を製造し、これを販売したYらに対し、特許法一〇四条の生産方法の推定規定の...
《解 説》
一 本件は、貸金業者であるXが顧客であるYに対し、三口の貸付の返済を求めたところ、Yが同貸付は過剰貸付を禁止する貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業法」という。)一三条に違反する無効な貸付であって、信義誠実の原則、権利濫用の法理に照らしても許されないと主張して請求を争った事...
《解 説》
一 本件は、平成一〇年四月に破綻し金融再生法に基づき金融整理管財人による管理が行われた国民銀行が、頭取を含む旧役員合計一一名に対して融資にあたって取締役の善管注意義務あるいは忠実義務に違反したとして損害の賠償を求めた事案である。原告(国民銀行)は、その後、上記債権を株式会社整理...
《解 説》
一 本件は、いわゆるイトマン特別背任事件の共犯者として起訴された取引先会社の実質的代表者である被告人に対する商法違反(特別背任罪)及び法人税法違反事件の控訴審判決である。被告人は、自らのグループ企業の一つである関西コミュニティとイトマンとの間の絵画売買取引の譲渡益及びS社との間...
《解 説》
一 本判決は、特許出願の願書に添付した明細書又は図面の訂正請求の許否の判断の在り方について、注目すべき判断を示した。以下、この点を中心に紹介する。
二 被告は、名称を「動力伝達用チェーン、ガイドリンク及び動力伝達用チェーンの製造方法」とする発明の特許権者である。本件特許は、平...
《解 説》
一 事案を単純化すると、次のとおりである。すなわち、X及びYらは、不動産について同順位の根抵当権を有していたところ、Xは、被担保債権六三億円余(極度額六五億円)のうち八億円を請求債権として根抵当権実行を申し立てたが、不動産は約二五億円で売却され、配当段階において、Xは被担保債権...
《解 説》
一 本件は、自己を被保険者とする生命保険の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為が民法一〇三一条に規定する遺贈又は贈与に該当するか否かが争われた事案である。
二 X1は亡Aの妻、X2及びX3はX1、亡A間の子であり、Yは亡Aの父である。亡Aは、亡Aを被保険者とする生命保険契...
《解 説》
本件は、市議会議員である被告人が、懇意にしていた土木工事業者から請託を受けて、市が発注する公共工事の指名競争入札につき、上記業者が指名業者に選定されるようあっせんを行い、その報酬として現金五〇万円を収受したという公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反の事...
《解 説》
一 本件は、精神病院に入院中に治療のため複数の向精神薬の投与を受けたXが、これらの薬剤の副作用によってスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群。以下「SJS」と略称。)を発症し失明したとして、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案である。
一審(本誌八七...