《解 説》
一 本件は、被告会社二社の代表取締役等であった被告人が、被告会社二社の業務に関し、法人税の過少申告ほ脱、不申告ほ脱を行ったという法人税法違反の事案である。そのうち、職権で判断が示されている不申告ほ脱の事実関係は、被告人が、税務申告のため経理担当従業員に所得の秘匿工作をした会計書...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、福徳銀行となにわ銀行の特定合併により設立されたなみはや銀行から損害賠償請求権等を譲り受けた原告訴訟引受人が、被告Y1、Y2に対して損害賠償を請求する本訴事件と、被告Y2がなみはや銀行に対して普通預金の払戻しを請求する反訴事件とからなる。
このうち、本...
《解 説》
一 事案の概要
1 国(Y)及び米軍が現在共同で使用・管理する厚木海軍飛行場(以下「厚木基地」という。)は、神奈川県大和市、綾瀬市及び海老名市にまたがって所在しており、面積は約五〇六万九一一八平方メートルに及び、南北の長さ二四三八メートルの滑走路を有する。
厚木基地は、終戦...
《解 説》
一 名古屋市の住民であったXの夫Aは、弁護士九名を代理人として、名古屋市長の地位にあったBほか八名に対し、名古屋市が名古屋市政調査会の審議員に費用弁償として支給したことは違法であるとして、名古屋市に五〇〇〇万円余を損害ないし不当利得として賠償、返還すべきことを求める住民訴訟を提...
《解 説》
一 タイ王国の国籍を有するXは、昭和六三年二月、同国において日本人Aと婚姻し、平成元年四月、後に「日本人の配偶者等」の在留資格とみなされた「日本人の配偶者又は子」の在留資格で本邦に上陸した。Xは、その後数回にわたり、「日本人の配偶者等」の在留資格による在留期間の更新許可を受けて...
共同抵当の目的となった数個の不動産の代価の同時配当に当たり, 1個の不動産上にその共同抵当に係る抵当権と同順位の抵当権が存する場合の配当額の計算方法
《解 説》
一 本件は、A町(以下「町」という。)の住民である原告らが、町長であった被告に対し、被告が町有地に存する砂利をB会社に売却した行為(以下「本件売却」という。)には後記の各違法があり、これにより町は損害を受けたとして、地方自治法(以下「法」という。)二四二条の二第一項四号(「地方...
《解 説》
一 本件は、借金をするため知り合いの老女宅を訪れたところ、同女が多額の現金を所持しているのを知って、同女を殺害して所持金を奪うことを決意し、機会をうかがって電気コードで首を締めて殺害した上、その所持金を奪い、さらに、犯跡を隠ペいするため死体とともに住宅を燃やそうとして放火したが...
《解 説》
一 原告(信金)は訴外会社に対する債権を担保するため、経営者の同族A所有の甲不動産及び丙不動産並びにB所有の乙不動産に共同抵当権を設定した。他方、被告(銀行)は、同様に、B所有の乙不動産及びC所有の丁不動産に共同抵当権を設定した。その後、原告と被告とは、乙不動産上の各抵当権を同...
《解 説》
本件は、いわゆるリクルート事件文部省ルートの上告審決定である。
被告人は、文部省初等中等教育局長、文部事務次官等の職にあったものであるが、同次官在任中の昭和六一年九月、株式会社リクルートの代表取締役A外一名から、リクルート社の事業遂行に好意的な取り計らいを受けたことに対する謝...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、横浜市中心部の繁華街にある商業ビル敷地の地代について、賃借人が減額請求権を行使し、その額の確認を求めた事件である。
従前の地代は、昭和五二年頃から平成元年までほぼ月額五二万から五六万円台で横這い傾向にあった。しかし、賃借人が平成二年及び五年に、従前の...
《解 説》
本件は、飲食店で飲酒し、帰る際に、店の駐車場の中で自動車を無免許・酒気帯び運転したという事案である。原審は、本件駐車場内は道路交通法二条一項一号にいう道路には当たらないから、被告人には無免許・酒気帯び運転の罪は成立しないとして無罪とし、他の罪についてのみ有罪とした。本判決は、こ...
《解 説》
本件は、口論の相手方から襟首付近を掴まれるなどの暴行を受けた被告人が、所携の包丁で相手方の左腕を切りつけ、傷害を負わせたという事案につき、被告人には防衛行為の過剰性を基礎付ける事実の認識があったとして、誤想防衛の成立を否定し、過剰防衛の成立を認めたものである。
弁護人は、被告...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A(昭和一〇年生まれの男性)は、他社勤務を経て、昭和六〇年にB会社に雇用され、昭和六三年以降、同社工場の包装作業場において、夜勤を含む二交替の変形労働時間制(A組・B組ごとに二週間単位で昼勤六日、夜勤四日、休日四日の定めがされている。...
《解 説》
一 Yは、本件商標「財団法人日本美容医学研究会」の商標権者である。名称を「日本美容医学研究会」とする人格なき社団であるXは、本件商標登録を無効とすべき旨の審判を特許庁に請求した。Xは、本件商標登録出願である昭和五二年よりもはるか以前に設立され、現在もその活動を行っていること、本...