《解 説》
一本件は、Xが、YのXに対するこれまでの訴えの提起が不法行為を構成すると主張して、Yに対し、その応訴に要した弁護士費用相当の損害賠償及び慰謝料の支払を求めた事案である。
二 訴えの提起が不法行為を構成する場合があることは、最三小判昭63・1・26民集四二巻一号一頁、本誌六七一...
《解 説》
1 本件事案の概要は以下のとおりである。
Xは,夫であるAが平成6年4月に出張先の台湾から帰国するため搭乗していた飛行機の墜落事故によって死亡したことから,労働者災害補償保険法(労災保険法)所定の遺族補償年金の給付を請求したところ,Y(名古屋北労働基準監督署長)は,同年10月...
《解 説》
一 本件は、世界的大流行となった育成型電子玩具である「ファービー」という人形の模倣品を販売した卸売業者及びその役員が、著作権法違反(一一九条一号、一一三条一項二号、一二四条一項一号)で起訴され、そのデザイン形態の著作物性が争われた刑事事件である。一審判決(山形地判平13・9・2...
《解 説》
一 本件は、中国人労働者が、太平洋戦争中に中国から日本国内の水力発電所建設工事現場へ強制連行され、過酷な強制労働に従事させられ、耐え難い肉体的精神的苦痛を被ったとして、その中国人労働者のうち生存者三名、死亡者二名の遺族が、当該建設工事施工業者の被告会社に対し、損害賠償を請求した...
《解 説》
一 本件は、大分県の知事、副知事及び農政部長が平成二年一〇月一〇日に大分県内において行われた主基斎田抜穂の儀に参列したことにつき、同県の住民であるXらが、本件参列行為は憲法二〇条三項に違反するから、知事ら及びその随員等に対する日当等の支出は違法な財務会計上の行為に当たると主張し...
《解 説》
一 本件は、宝塚市長が、宝塚市パチンコ店等、ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(宝塚市昭和五八年条例第一九号。以下「本件条例」という。)八条に基づき、市内においてパチンコ店を建築しようとするYに対し、建築工事の中止命令を発したが、これに従わないため、X(宝塚...
《解 説》
1 本件は,コンタクトレンズを購入した原告が,その販売店(以下「本件販売店」という。)を経営するコンタクトレンズ販売会社(以下「被告会社」という。)及びそれに隣接して眼科診療所を開設する医師(以下「被告医師」という。)に対し,本件販売店従業員や被告医師の不適切な説明,診療により...
《解 説》
一 本件は、割賦購入あっせんを目的とする株式会社である被上告人(X)が、商品代金の立替払契約による立替金の支払債務につき連帯保証した上告人(Y)に対し、立替金等残金二五一万七〇〇〇円と遅延損害金の支払を求めた事案である。
Yは、抗弁として、本件立替払契約は、販売店から主債務者...
《解 説》
一 本件は、鹿児島県知事が平成二年一一月に皇居において行われた大嘗祭に出席するための旅費として七万五六六〇円を支出したことにつき、同県の住民であるXが、憲法上の政教分離原則に違反する違法な財務会計上の行為に当たるなどと主張して、当時知事の職にあったYに対し、地方自治法二四二条の...
《解 説》
一 本件は、公正証書遺言により遺言執行者に指定された申立人(X)が、遺言執行者として、相手方ら三名(BないしD、被相続人の妻、長男及び二男)を被相続人の推定相続人から廃除するとの審判を求める事案であり、遺言による推定相続人廃除申立てを却下する決定に対する参加人(A)の抗告権の有...
《解 説》
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という)一四条は、産業廃棄物処分業を行うためには、都道府県知事の許可を受けなければならない旨定め、同法一四条の二第一項は、産業廃棄物処分業者が、事業の範囲を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない...
《解 説》
一 本件は、ドメインの取得等に関して、不正競争防止法(平成一三年法律第八一号による改正後のもの。以下「法」という。)二条一項一二号所定の不正競争行為に該当するか否かについて判断した事例であり、その概要は以下のとおりである。
Xは、パソコン周辺機器の開発、輸入、販売等を目的とす...
《解 説》
1 X(昭和12年生)は,平成8年5月14日,発熱,呼吸困難などを訴え,呼吸不全の状態になったため,Yの開設するA病院に救急車で緊急入院した。
そして,A病院の医師らは,人工呼吸器による呼吸管理を行い,各種抗生剤を投与しながら各種検査を続けたが,Xは,同年6月2日まで意識は回...
《解 説》
一 本件は、埼玉県の住民であるXが、県議会が実施した欧州行政視察旅行につき、その実体は単なる観光旅行であって、その旅費等の支出は違法であり、県は旅費相当の損害を被ったと主張し、県に代位して、本件旅費支出の支出命令兼支出負担行為をした職員であるYらに対し、損害の賠償を請求する住民...
《解 説》
一 本件は、被告人が、二名と共謀して被害者を脅して現金を喝取しようとしたが未遂に止まった、という恐喝未遂事件について、原裁判所から接見等禁止決定を受けていた勾留中の被告人から、内妻との接見等禁止部分につき、その取消しを求める申立てがされた(なお、その翌日、内妻からも特定の日時に...
《解 説》
一 Xは、X名義ないしその妻の名義で負担した合計三〇〇万円を超える債務の整理を、弁護士であるYに委任し(以下「本件委任契約」)、委任事務処理費用等合計二七三万六〇〇〇円を支払った。しかし、Yは、本件委任契約に基づく事務処理を事務員に任せ、単にXの各債権者の主張する債権額に応じた...