《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
本件は、訴外有限会社(以下「訴外会社」という。)を吸収合併した(以下「本件合併」という。)X株式会社(以下「X会社」という。)が、本件合併により訴外会社に清算所得が生じたとして確定申告を行い、また、訴外会社の社員X(以下、X会社と併せ...
《解 説》
一 本件は、無認可保育施設の園長をしていた被告人が、八か月あまりの間に、預かり保育していた園児六名に対し暴行を加え、うち二名を死亡させ、四名に骨折の傷害を負わせたという事案について、被告人に懲役二〇年の刑が言い渡されたものである。
二 本件各事実については、一部犯行を認める部...
《解 説》
一 本件は、被告人らがいわゆるフランチャイズ方式により酒類販売業の免許を受けないで酒類を販売したことが無免許による酒類販売業を禁じた酒税法違反の罪に問われた事案であり、免許制度の法令違憲とともに、被告人らの行為が無免許販売に該当するかどうかが争われた。本件公訴事実は、被告人Aは...
《解 説》
一 事案の概要
本判決は、公正取引委員会が住民訴訟を提起したAらに対して私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」又は単に「法」という。)六九条に基づいて審判事件記録の閲覧謄写を認めたのに対し、当該審判事件の被審人らがその取消しを求めて取消訴訟を提起した...
《解 説》
一 本件は、朝の通勤電車内において女子高校生に対していわゆる痴漢行為をしたという東京都条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)違反の事案である。
被告人は、捜査、公判を通じて、本件行為を否認したが、一審判決は、被告人を有罪と認め、罰金五万円に処した(...
債権に対する仮差押えの執行後に本執行がされた場合において仮差押えが取り下げられたときの仮差押えの執行後本執行前にされた被差押債権の弁済の差押債権者に対する効力(積極)
《解 説》
一 本件は金銭債権を差し押さえた債権者からの第三債務者に対する取立訴訟事件であり、本件事案の概要は、次のとおりである。
建物新築工事の下請負人であった原告(上告人)は、元請負人である訴外会社に対して有すると主張する五七七万円余りの請負残代金債権を被保全債権として、訴外会社が右...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、株式会社A(以下「A」という。)が製造販売している「******CR」等と称するイオン式の家庭用空気清浄機(以下「本件空気清浄機」という。)の販売を行うため、平成一〇年一月から同年一〇月までの間に配布した店頭配布用パンフレット及び同年一月三〇日付け毎日新...
《解 説》
第一 事案の概要
一 事実関係
1 Y(被告、被控訴人、被上告人)は、「船橋カントリークラブ」といういわゆる預託金会員制のゴルフ場(以下「本件ゴルフ場」という。)を経営している株式会社であり、X(原告、控訴人、上告人)は、本件ゴルフ場の特別会員、正会員及び平日会員によって組織...
《解 説》
本件は、いわゆる「相続させる」遺言によって特定の不動産を全部取得した相続人が、共同相続人の法定相続分について差押えをした債権者に対して、登記なくしてその権利を対抗することができるか否かが問題となった事案である。
事実関係の概要は次のとおりである。Xは、夫である被相続人Aがした...
《解 説》
一 本件は、起業者Yの変電所新設事業に関して土地収用法(以下「法」という。)に基づく土地等の収用裁決を受けたXらが、起業者Yに対し、法一三三条に基づき、損失補償額の変更及びその支払を求めた事件である。 一審及び原審では、被収用地の範囲、被収用地及びその地上物件の価格、残地補償の...
《解 説》
本件二事例は、一年以上の懲役刑が求刑されたが、いずれも罰金刑が言い渡されたものである。包丁等の凶器が使用された傷害罪に関して罰金刑で処断するか懲役刑で処断するかに関しては必ずしも明確な一線があるわけではなく、いわばケースバイケースで処理されている。地裁に起訴され、懲役刑が求刑さ...
抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告において被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることの可否(消極)