《解 説》
一 本件は、金融業者である原告の、連帯根保証人に対する保証債務履行請求事件である。
被告は、本案前の答弁として、原告の支配人は訴訟遂行の便宜のために形式的に選任されているだけで決定権がなく、支配人としての実質を欠くからその訴訟行為は無効であり弁護士による追認の余地もないと主張...
《解 説》
本件は、平成一三年一二月二五日に施行された刑法の一部を改正する法律(平一三法一三八)により新設された危険運転致死傷罪を適用した初めての事件である。
事案の概要は、運転開始前の約四〇分間に焼酎四杯(約二合)を飲酒した影響により前方注視および運転操作が困難な状態で普通貨物自動車を...
《解 説》
1 Xは,平成10年1月当時,××大学の教授であったが,同大学の副手であった訴外Aは,4月29日,Xから強姦されたと主張して,Xを相手方として損害賠償を請求する訴えを仙台地裁に提起した。
Yら3名は,「仙台性暴力裁判原告支援者の会」発行の本件パンフレットの発行責任者であるが,...
《解 説》
1 本件は,知的障害を有する児童であるX1及びX2が,就学していたY市立A小学校の校長が教育環境の整備を怠ったため不登校の状態となった上,同校長が不登校状態となったX1及びX2への働きかけを怠り,Y市教育委員会も校長らに対する不登校状態の解消等に向けての適切な指導等を怠ったため...
《解 説》
一 以下に紹介する二件の裁判例は、関連事件であり、漁業協同組合に交付された消滅漁業補償金の組合員に対する配分に関する紛争について判断を示したものである。
二 ①事案は、漁業補償金が、正組合員としての資格要件を充足していないものに対して不正に配分されたとして、組合員である原告ら...
《解 説》
1 本件は、貝割れ大根の生産業者である原告が、被告に対し、平成八年七月に大阪府堺市において発生した病原性大腸菌O―157による学童の集団下痢症について被告(厚生省)が公表した調査結果が、科学的根拠がないにもかかわらず原告が出荷した貝割れ大根をその原因食材であると事実上断定するも...
《解 説》
一 事案の概要、背景事情、訴訟の経緯及び特色
本件は、日本原燃株式会社(旧日本原燃産業株式会社)が青森県上北郡六ヶ所村に建設したウラン濃縮工場について内閣総理大臣が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「規制法」という)一三条、一四条に基づいてした加工事業許...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Aは、平成九年八月七日午後八時ころ、喉の痛みや呼吸困難等を訴え、Yが経営する総合病院のB病院でC医師らの診察を受けたが、診察後の点滴中に病態が急変し、翌八日午前五時ころ、低酸素症による肺機能及び脳機能等の低下により死亡した。Aの相続人である...
《解 説》
一 Xは、パチンコ型スロットマシン(以下「パチスロ機」という。)の製造販売を業とする会社であり、パチスロ機に関する特許権を有するものであるが、パチスロ機製造業者であるYが製造販売するパチスロ機がXの特許権(本件特許権)を侵害すると主張して、特許法一〇二条一項に基づく損害賠償を求...
《解 説》
一 本件は、市立中学校の体育用具庫の中で体育用マットの空洞に入った状態で死亡しているのが発見された生徒の両親ら四名が、犯人として逮捕あるいは補導された少年七名及び学校設置者である市に対し不法行為又は国家賠償法に基づき損害賠償を請求した事案である。
被告少年らはいずれも傷害及び...
《解 説》
一 本判決は、当時小学四年生の児童に対する殺人被告事件(札幌児童殺人事件)の控訴審判決である。昭和五九年一月一〇日午前、札幌市豊平区の自宅にいた本件児童は電話で呼び出されて外出しそのまま行方不明となった。捜査は難航したが、昭和六三年六月被告人が住んでいた農家の納屋からその児童の...
《解 説》
一 本件事案を判旨との関係で要約すると、次のとおりである。XはK社の販売代理店であるが、これまで、K社の製造した計器機器を、K社→X→W社という商流で取引してきた。K社の担当者は、Yに対し、「Xの付け商売として、W社向けの商談がある」として、いわゆる介入取引を持ちかけた。また、...
《解 説》
一 被告人Xは、不動産の売買・仲介を業とするA社の代表取締役であるが、工事完了後に代金を支払う、いわゆる立替工事によってマンションを建築し、分譲・販売することを計画し、建築請負業者Y社との間で、請負工事代金を五億七三〇〇万円とするマンション工事請負契約を締結した。A社は、マンシ...
《解 説》
一 本件事案の概要は、深夜、一人歩きの女性に興味を抱いた被告人がこれを追尾し、所携のナイフを示すなどして同女方居室に押し入ろうとしたが、同女に拒絶されたため、同女が所持していたショルダーバッグを強取して逃走した上、逮捕を免れるため、同女の悲鳴を聞いて追跡してきた男性を前記ナイフ...
《解 説》
一 本件は、内科診療所を開業し、所得税の青色申告の承認を受けていた原告が、所得税法一五〇条一項一号に該当する事実があるとして青色申告承認取消処分等が行われたことについて、被告(税務署長)に対し、その取消しを求めた事案である。
二 本判決は、被告所属の国税調査官が、第三者(記帳...
《解 説》
本件は、Y県警察の警察官が、その請求にかかる令状に基づき、平成一〇年一一月九日に革マル派の活動拠点となっている建物及び建物内に在所する者の身体に対して実施した捜索差押に関して、令状の請求あるいは捜索差押の執行に違法があったなどとして、同派の代表者Xが、Y県に対して損害賠償を求め...
《解 説》
一 事案の概要は、以下のとおりである。
親会社が農業協同組合連合会から精米工場の製品タンク等に隣接して新たな製品タンク等を設置する工事を請け負い、その親会社から、製品タンクや機器の点検用通行部分の増設工事等を請け負った被告人会社が、労働者派遣契約により派遣された労働者を使用し...